その家を囲む黒く高い塀には一か所だけ出入り用の切れ目が設けてあるが、そこには常に一本の竹が渡してあった。塀の圧迫感も相まって不快感を覚えた人が多かったのか、ある日その竹が誰かに外された。やがて発生した惨劇で、人々はあの竹が人間以外の何かから家に住む人間を守る役目を果たしていたと知った。
その家を囲む黒く高い塀には一か所だけ出入り用の切れ目が設けてあるが、そこには常に一本の竹が渡してあった。塀の圧迫感も相まって不快感を覚えた人が多かったのか、ある日その竹が誰かに外された。やがて発生した惨劇で、人々はあの竹が人間以外の何かから家に住む人間を守る役目を果たしていたと知った。
たかあきは霜月の廃墟に辿り着きました。名所は神殿、名物は肉料理だそうです。
とうに滅びた文明が遺した神殿の壁画には、牛の顔を持つ人々が美しく飾り立てた人間の娘を囲んで饗宴を行う場面が描かれていた。刃物によって解体され供される己自身を娘は恍惚の表情で眺めやり、壁画の脇には我々には完全に解読出来ない文字で娘の容姿と美味に対する賞賛が並べ連ねてあるらしい。
とうに滅びた文明が遺した神殿の壁画には、牛の顔を持つ人々が美しく飾り立てた人間の娘を囲んで饗宴を行う場面が描かれていた。刃物によって解体され供される己自身を娘は恍惚の表情で眺めやり、壁画の脇には我々には完全に解読出来ない文字で娘の容姿と美味に対する賞賛が並べ連ねてあるらしい。
骨董品蒐集が趣味の従兄には、時折行き付けの店からイベント告知の葉書が届く。何でも特別な顧客しか招待しない特別な品が出品されるという傍からは非常に胡散臭いイベントなのだが、開催時間が夜半過ぎの上に会場住所が検索しても見付からない。一体何処の秘密結社のどんな会合だ。