カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

物語その69・敵の敵は仇でも味方

2020-03-04 21:13:10 | 不等号の関係性
たかあきは、大魔王と使用人に関する友愛の物語を創作してください。

 大魔王お気に入りの小姓は、嘗て彼に反旗を翻して一族のほぼ総てを処刑された逆賊の婚外子だ。そのことは周囲も遺児自身も知っていて、もめ事を愛する悪癖を持つ大魔王などは、そのうち小姓が親の敵として自分に対して刃を向ける日がやってくるのではないかと密かに恐れつつも楽しみにしているのだが、幸か不幸か今の処そんな様子は見られない。
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骨董品に関する物語・スイス製の祈祷書

2020-03-04 20:11:33 | 突発お題

 とある作家が自作の後書きで記したように、笑うのも怒るのも他に出来る事がない人間がすることだというのが本当だとしたら、祈るのもまた、それ以外は出来ない人間の救いを求める行為なのだから相応の敬意と儀礼を以て行いたい。
 彼女が特注で作らせた典雅な祈祷書を常に携帯する理由はそういうものだった。
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骨董品に関する物語・星と月のブローチ

2020-03-04 20:08:47 | 突発お題

 世界を構成する物質を知り、その変革を行うのが最終目的である錬金術は哲学と並ぶ博物学であり、故に学生達には通常それぞれの学習課題に露骨なまでの適性不適正が現れる。そして錬成が不得手で素材の細工が得意である者が錬金術師の道を断念すると、概ねは宝石や金銀の細工師として身を立てる事になるのだ。
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