カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

物語その87・解ける事のない呪文

2020-04-01 20:27:18 | 不等号の関係性
たかあきは、黒の妖術師と貧乏楽師に関する友愛の物語を創作してください。

 とある理由から声を失った妖術師は、呪文の詠唱役として一人の貧乏楽師を雇った。
 営業は下手だが実力は確かな貧乏楽師は次々と複雑な詠唱呪文を覚えて妖術師の力となったが、嘗ては黒の妖術師と持て囃された男が何故に声を失い、一度は己の世界と心を完全に閉ざしたかを知るのは随分と年月が経ってからだった。
コメント

骨董品に関する物語・真鍮のインクウェル

2020-04-01 19:40:09 | 突発お題

 先日手に入れたペンを早速使おうと曽祖父から譲り受けたインクウェルに必要分のインクを補充してから試し書きをすると、何故か手にしたペンが勝手に若い女性を思わせる筆跡で「やっと会えた」と綴った。
 それ以来、インクウェルの容器には、まるで涙を思わせる不思議な色彩のインクが常に密かに湧き出している。
コメント

骨董品に関する物語・真鍮のインクウェルに似合うペン

2020-04-01 19:35:34 | 突発お題

 情けない話だが、手元不如意から取り置きをお願いしたペンを脇から別の客が強引に買っていった。
 絶望に沈む僕に店主は一週間後に来てくれと言い、その通りにしたらペンが店の棚に戻っていた。何でもこのペンは気に入らない客に使われると罵詈雑言しか書けなくなるらしく、お客さんはどうかなと店主が笑う。
コメント