カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

物語その98・経る刻

2020-04-18 18:23:26 | 不等号の関係性
たかあきは、坊ちゃまと執事に関する友愛の物語を創作してください。

 お屋敷の坊ちゃまが産まれたばかりの頃、彼は右も左も分からぬ新米執事だった。
 やがて坊ちゃまの世話を任せられた彼が経験を重ね相応の貫禄も付いた頃、坊ちゃまの呼び名は若様から旦那様になった。
 旦那様が妻を迎え子を設け、更にお屋敷が代替わりした頃、老執事は尚も隠居した彼の坊ちゃまと共に在った。
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骨董品に関する物語・1800年代ジョージアンのスクラップブック

2020-04-18 18:09:27 | 突発お題

 物心がつく以前から病弱だった彼は、両親が買い与えた画材で誰に教わるでもなく絵を描くようになった。
 家の外は元より寝室からも殆ど出た事がない筈の彼が各国の風景を極めて緻密な筆致で描くのを不思議がる家族に、彼はいつも、実は夢の中で見て来たんだよと笑うのが常だった。
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