あられの日記

カテゴリーは場所優先。鶴岡八幡宮は寺院・仏閣ではなく「鎌倉」に。一部検索し易さ優先で、花カテゴリーに入れてる場合も。

旧島津公爵邸2階見学

2017年04月03日 05時40分41秒 | レトロ建築
昨日に続き旧島津公爵邸(現清泉女子大学本館)を紹介します。今日は2階です。
トップ画像は2階バルコニーの柱頭飾りです。イオニア式の装飾です。ここで視線と下げると?

クールなチェッカー柄。素敵でしょ?

かつての公爵夫妻寝室(現教室)の窓から撮影してます。現教室。昨日からかつての○○。現●●という書き方をしているのは、この建物は現在も普通に使われていまして、見学ツアーのおじゃました時もかつての公爵夫人居室(現教室)は調度授業で使用されてて入れなかったのだ。残念〜。
2階も各部屋に暖炉がありました。

下の画像奥が階段を上がった所のホールで、手前の空間は廊下になります。バルコニーがあるのが画像の右手。左手には子供部屋があります。

上の画像に映る部屋の入口ですが、廊下には3つの入口が並んでたのですが…。

真ん中の入口はなんとダミー!!なんでこんな形なんだろか???

ちなみに元は2つの子ども部屋だった模様ですが、現在は大会議室となっています。
ここの暖炉はこんな感じ。

明るい青色の訳は、使うお子さんが海が好きだったからってガイドさんが言ってたような…?(すみません。既に4ヶ月も経ってたしまい、記憶が曖昧になってます)ちなみに、暖炉の枠は1階が大理石なのに対して、2階は木枠になってます。
ちなみに、上の画像の窓から見た風景はこちら。

外壁が白いのは、当時最先端だった白タイル貼りだから。建物のアウトラインを強調するかのように貼られた隅石には灰色の新小松石が使われています。なんと、関東大震災も乗り越えた頑丈な建物です。

視線を上げると、煙突があった。

おまけ。ドアのノブとカギ穴。さすがに錆…酸化してるようで。

こちらはかつての子供部屋(さっきのとは別)で、現小会議室です。

こじんまり。ちなみに1階の同じ位置は、家族の食堂で現学長室になっています。
ん?あの建物は…??

「質問です。先程本館の隣に島津公爵邸時代からの建物が現存してるっておっしゃってたのアレですか?」
ガイドさんに確認。「そうです。現在は事務棟として使用しています」おお〜!!

ちなみに顔を反対側に振ると、中央ホールのステンドグラスを外から見えました。やっぱりステンドグラスは中から見ると綺麗なのね。
ちなみに、子供部屋の外の廊下にもう一つ小さめの階段がありました。

たぶん使用人用の階段なんでしょう。

あ。これ、さっき子供部屋から見えたステンドグラスね。中央ホールの中から撮影してみた。

廊下にあったマリア像。
最後に島津公爵邸のその後の歴史を紹介します。
ジョサイア・コンドルに設計を依頼したのが明治39年(1906)。
大正4年(1915)に建物は竣工。
その後黒田清輝の指揮で館内の設備や調度が整えられ、大正6年(1917)に落成した。(ここまでが既に記事で紹介済み)。
大正6年(1917)年5月に大正天皇・皇后が行幸され、この時に寺内首相・松方正義・牧野伸顕・山本権兵衛・東郷平八郎・樺山資紀あどの政府高官、陸海軍の将校の参列し、盛大な園遊会が開催されました。
昭和初期に金融恐慌のあおりで島津家も財政的な打撃を受け、当初約3万坪あった敷地を昭和4年(1929)8千余坪を残し、周辺部を売却した。
その後第二次世界大戦の苛烈化に伴い、大邸宅の維持が困難となり、島津家は袖が崎邸を日本銀行に売却した。公文書の保管庫だった。
船中。戦災を免れた邸宅は、戦後昭和21年(1946)1月にGHQの管理下に入り、駐留軍の将校宿舎として昭和29年(1954)まで使用された。
接収解除後の昭和36年(1961)7月に、清泉女子大学は日本銀行から土地、建物を購入し、昭和37年(1962)4月に横須賀から大学を移転して、今日に至る。
平成24年(2012)、本館が旧島津公爵家袖が崎本邸洋館(清泉女子大学本館)として東京都指定有形文化財に指定され、平成25年(2013)にはBELCA賞を受賞した。以上、いただいたパンフレットより。

旧島津公爵家本邸は、今年で100周年です。
5月7日から9日にかけての3日間、盛大な記念行事が開催されます。各種のイベント参加は事前申込が必要。4月10日まで受付中ですので、見たい!と思った方は、今すぐ清泉女子大学のホームページを閲覧してそれぞれに希望のイベント申込をして下さい。当選者には整理券が届きます。
主なイベント:旧島津公爵邸見学ツアー(10名×10回所要40分)。ライトアップ。山下洋輔フリーLIVE(山下洋輔氏のお祖父さんが、コンドルの孫弟子で、旧島津公爵邸の建築にも関わったご縁です)など
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旧島津公爵邸館内見学1階

2017年04月02日 05時02分07秒 | レトロ建築
清泉女子大学1号館ロビーに集合。旧島津公爵邸の特徴的なベランダのある側の庭から建物を眺めた後、館内見学開始です。
1号館から入りますと、かつては大きい方の応接間だった泉の間があります。

天井の優美なしっくい装飾。部屋の暖炉に島津十字の模様もあります。

1階はほぼパブリック・スペースでした。かつては応接間の向いにバンケットホールがありました。現在は聖堂として使っていて、内部は撮影禁止です。清泉女子大学はキリスト教の大学で、見学会は2016年12月7日だったので、クリスマス飾りも数々ありました。
こちらがかつての小さい方の応接間で、現在も応接間になっています。

もしかして、見た事ある気がしたら、ドラマの中ででしょう。大正6年(1917)に落成披露が行われたジョサイア・コンドル設計の公爵邸は、ドラマ撮影にも使用されています。ガイドさんが「TBSの『天皇の料理番』で使われました」っておっしゃってたような?

ベランダ側の窓は弧を描くような造りになっています。





隣の部屋はかつて公爵の書斎でした。

現在は会議室。

書斎(会議室)の窓からベランダを撮影。建築様式はルネサンス様式ですが、柱頭飾りじゃ1階はトスカーナ様式になっています。(2階はイオニア様式です)

書斎の前は中央ホールになっています。ピンぼけ画像ですみません。

中央ホールと面する廊下にレトロなオイルヒーターがありました。

どこの国だったか、旅先のホテルの部屋にあったのもこれだった。ヨーロッパでは今でも使われてる模様。
中央ホールには大きな暖炉もあって撮影もしたけどピンぼけ画像になってしまいご覧いただけません。
中央ホールから玄関に向けて撮影。
上の画像奥が玄関入口なんですが、少々距離がありますね。手前のドアと玄関の間にかつては待合室(現理事長室)がありました。
画像左のステンドグラスが玄関入口。上の画像でガイドさんが指差してるのがかつてのクロークルームです。
そしてこれが玄関のステンドグラス。

画像中央上部に、島津十字がついています。
屋内で玄関に向けて正対し、左に顔を向けると、こんなステンドグラスが見えます。

分かりにくいけど、上の画像の下の丸い部分は普通のガラスで向こう側が見えます。そこに2階へ上がる階段があります。

凄いでしょ?

階段の手すりや暖炉の彫刻、天井の漆喰装飾やステンドグラスは、ほぼ当時のままの姿で残されています。旧島津公爵邸はジョサイア・コンドルの設計による数少ない現存住宅建築です。ちなみに、ジョサイア・コンドルの設計した建物は8つ現存。三井倶楽部(非公開)・旧岩崎邸・お茶の水ニコライ堂。そういえば、ツアー参加者に古河庭園でガイドさんをしてらっしゃる方がいて、ジョサイア・コンドルの建物を見に来たとおっしゃってたな。あそこは元は睦奥宗光邸(古河虎之助邸)なんだよね。
では階段を上がります。

採光がたっぷり。ステンドグラスがとても綺麗に見える。

すみません。指が写り込んでしまいました。

階段を上がった所で見上げたら柱があった。柱頭が派手だった。

画像が増えたので、明日は2階、かつては公爵家のプライベトエリアでした。
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旧島津公爵邸見学

2017年04月01日 05時11分36秒 | レトロ建築
東京都文化財ウィークで配布してるポストカードには旧島津公爵家袖ヶ崎本邸洋館(清泉女子大学本館)〜都指定有形文化財〜 指定:平成24.3.21とあります。
建物は基本非公開。でも年2回清泉女子大学のホームページに見学募集がかかります。往復ハガキで希望する見学日と見学時間で申込み後は当落通知を待つだけです。
無事に当選し、2016年12月7日、午前10時40分ツアー開始です。
ツアー形式で建物を内観出来るのですよ〜。た〜の〜し〜み〜〜!!
の前に、今日は外観を紹介します。

最寄駅はJR山手線五反田駅・品川駅・大崎駅。都営地下鉄浅草線高輪台駅。どこの駅にするか考えて、東急池上線五反田駅を利用しました。さあ!あとは徒歩10分!!しかし、歩き出してすぐ迷った!!うわ〜〜〜!!遅刻は出来ないのにィィイイ〜〜!!
通りすがりのお姉さんに「清泉女子大学行きたいんですが、迷ってるんですっ!!」と泣きついたら、運良く「私も行きますのでご案内します」と。ラッキー!声をかけたのは清泉女子大学の学生さんでした。ついてって分かったけど、この道難しいっ。地図には上り坂とか書いてないもの。難しいっ。
大学入口到着。案内していただいたお姉さんにお礼を言ってお別れ。見学者は見学許可書のハガキを正門脇守衛所に提示し、見学者ホルダーを受取り構内へ。

上り坂です。素敵な石組みです。成形の仕方もいいね。たぶん旧島津公爵家時代は馬車でこの坂を上がってたんじゃないかな〜?
大きなカーブを曲がると坂の上に出ます。
すぐに目の前に旧島津公爵邸、現清泉女子大学本館が飛び込んできます。

素敵〜〜。上の画像左奥が正面玄関。行ってみよう〜。

ステンドグラスがありますね。

丸に十字が見えます。島津の印です。

正面入口。入ると左手に理事長室があります。

でも見学者入口はここではありません。裏手に周ります。





ちなみに、本館右にある事務棟も島津家時代から残る建物です。

上の画像の右奥の茶色い建物が事務棟。

せっかくなので外観を眺める。








見学会は1号館1階ロビーに集合です。
見学者が集まるのを待ち、見学開始。まずは建物外観のベランダ側見学。
トップ画像がベランダ側から見た建物全景。







ベランダ側の庭に大きな木がありました。

説明板発見:清泉女子大学のフウ(品川区指定天然記念物)
フウは楓と書くマンサク科の落葉の高い木で、台湾や中国南部に自生する。本樹は享保の頃(1716−35)に日本に初めて渡来した台湾フウの種類で、幹の周りは約3メートル。樹の高さは約20メートル、推定の樹齢は約200年である。整然とした姿は美しく、木の勢いも盛んである。
本校の敷地は旧仙台藩の藩邸で、明治以降は島津家の邸宅として維持されていたところである。眺望に優れた庭園の景観をひときわ引き立てているのが本樹で、藩邸時代にすでに「高尾もみじ」と呼ばれて有名であった。
この種の木は都内では大変数が少なく、また、これほどの大樹は珍しく貴重である。」

構内見取図です。左下の青いロータリーがあるのが正門入口で、レの字に見えるのが上り坂。5号棟が事務棟。本館が旧島津公爵邸です。
〜都指定有形文化財(建造物)〜 旧島津公爵家袖ケ崎本邸洋館(清泉女子大学本館) 平成24.3.21指定
旧島津公爵家袖ケ崎本邸洋館は、旧鹿児島藩主であり公爵であった島津家の邸宅として、大正6年(1917)に完成しました。通称島津山、古くは袖ケ崎と呼ばれた南へ突き出した見晴らしのいい高台にあり、南斜面に群生するキリシマツツジも見事です。関東大震災でもほとんど被害のなかった堅牢な造りで、昭和37年(1962)からは、清泉女子大学の本館として利用されています。
建物は日本近代建築史に足跡を残したジョサイア・コンドルにより設計され、古典様式を基調とした優れた意匠を持ちます。庭に面した南面は、円弧状の列柱廊を持つ優雅なバルコニーとなっていて、当時流行した白タイルを用いた外装が特徴です。中央ホールは木製の大階段と一帯になった豪華で重工な大空間で、建物の中心です。晩餐会が開かれた旧大食堂やサロンなどにも当時の雰囲気が良く残されています。
玄関を飾るステンドグラスや、大理石の暖炉の彫刻には「丸に十の字」の島津家家紋が見られます。天井の繊細な浮き彫り彫刻なども見事です。」
東京都文化財ウィークのポストカードの解説より
では内観見学へ。

桜も見頃になっているのに、なぜにレトロ建築記事かというと、風邪を引いて出歩けないからです。布団に入る程酷くないけど、ちょっと買い出しに出たらヘロヘロになる程に呼吸が苦しい。辛い。ンで逃避で記事を書いてるのね。熱は下がったけど。今無理したら、来週桜を見歩けないので我慢してます。
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