おはようございます。四万十は、快晴。
「オハヨウゴザイマス」
「おおっ、ご無沙汰!こんだけ寒うなったら、もうカヌーの客もおらんろ」
「ええっ、まったくヒマしてます」。
朝日のあたりはじめた冷えた空気の沈下橋で、顔見知りのおんちゃんと立ちバナシ。
パシャ!足元のつるりとした水面で魚が跳ねました。
晩秋の四万十川の透明度はよく、川底がハッキリみえます。
「もう、あんまり跳ねなくなったすねぇ。このあいだまではたくさん跳ねてニギヤカだったのに・・・」
「そうやなぁ。もう、産卵をおえたんじゃろか?
このしもの大橋の浅いところでは、たくさんのアユが死んでるのが見えるがよ。
どうも、そのかみの浅瀬で産卵しようみたいやねぇ」
「もうすぐっすね(落ち鮎漁)」
「そうやね、今年はどんなもんじゃろか?楽しみよ」
おんちゃんが去ったあとも、僕は、ぼおっと立ちつくして、ほんわかとぬくい朝の陽にぬくもりました。
スイーッ。枯れ葉ながれる水面を、瑠璃色も鮮やかな小鳥が飛んでいきました。
最高気温19、2度。午後も晴れ。
日向は春のようにぬくいけど、日陰を吹きぬける冷たい風に、
西日に照る黄葉に、山に沈む陽のはやさに、初冬の気配を感じます。もう、冬か・・・。
小さな日溜りにまるくなって本を読む部屋は、シトラスのさわやかな香りに満ちています。
それは、机においた山盛りの柚子の香り。
先日、柚子採りのバイトのオワリに、これもってったや、といただいたモノ。
今年は、柚子も(ビワ、ウメ、ヤマモモ、スモモ、ブシュカン、ブンタンも)不作で、
収穫も作業も、去年の三分の一以下・・・なのでした(数が少ないぶん、実は大きかったけど)。
泣く子と自然には勝てない。これは、我が水ショーバイ(カヌー屋)と同じですね。哀号。
さて、今宵は、柚子風呂にはいり、
柚子ポン酢たれの雪見鍋をつつきながら、柚子割りショーチューを飲むコトにします。
締めは、晩秋の夜空にきらめく冬の星座で。
そして今夜のユメは、ユズ王子となってピーチ姫とユズ王国でシアワセに暮らす、という物語を。
ある朝、 アーク・サノが心を不安にする夢から覚めたとき、
彼はベットの中で自分がものすごく大きな果実に変わってしまってい るのに気がついた。
アーク・サノはジャイアント柚子に変身した。
とはいえ、柚子なので、まったく動くことができない。そのまま腐ってしまうかと思われたところに・・・。