おはようございます。四万十は、雨。
2日連続のシトシト雨が、涸れ色の早春の山を、大地を冷たく潤しています。
ダウンの上下を着て、コーヒー片手にグレーの空をながめる僕の耳に聞こえてくるのは、
小さな雨音と控えめな鳥の声だけ。ひやい。
でも、もうすぐ春。今は、この寒さをしっかりと楽しんでおこう。
今日の最低気温は、6、9度。
最高気温9、6度。午後は、雨のちくもり。
「晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ楽しみなきところに楽しむ」吉川英治
雨を楽しみ感じるためには、
雨の日をキャンプで過ごすのも、またよろし、です(大雨。設営&撤収時を除く)。
以下、ある春の四国バイク旅。四万十川の川原で、沈没キャンプをしていたときの日記から。
「未明からシトシト雨。今朝は、フライシートを叩く雨音で目がさめた。ひさしぶりの雨だ。
今日は(今日も)旅立てないなぁ。雨だからしょうがないもんね。とほっとしているジブンがいる。
だらけきっているのだ(まだ、沈没してられるのだ)。
雨音をBGMに、ほかほかシュラフのなかで、ふたたびフネを漕ぎはじめた。
南国の春だけど、雨の日の朝は、おもいのほか肌寒い。
テントの入り口から外に手をのばし、ストーブに点火し湯を沸かし、
ホットウイスキーを作り舐めつつ、チーズとパンをかじり、四万十川について書かれた本を読む。現場読みだ。
読書にあきれば、ヒルネをし、カラダがうずけば、テントから這いでて、
タープの下で、熱いコーヒーを飲みながら、雨音とカジカガエルの歌に聞きいった。
目前の春の川は、笹濁りの水がゆっくりとながれている。沈下橋の岸辺には、菜花の黄色があざやかだ。
そして思った。雨にけぶった春の川景色も、わるくない、まったくわるくない、と。
ややザンネンなのは、焚き火ができないコト。
夕方になると、雨がやんで晴れてきた。
西の空に青空がみえはじめた川原で、魚肉ソーセージ入りのサッポロ一番をすすっていると、
少しとおくの山すそに、虹がかかっているのが見えた。わおっ。
「虹を見たかったら、雨も我慢しなくっちゃね」
そんなコトバを思いだした僕は、雨を(我慢するのではなく)楽しめ感じられたし、
明日晴れて、(この雨で)水量がよくなった川を、カヌーでくだれたらサイコーじゃん!と思った」