最高気温24度。
「ケレッ、ケレッ」
静かな秋の川に、笑うような高い鳴き声が響きました。
「はっ」とした僕が、カヤック左斜め前方の水辺の岩(声がしたほう)に目をむけると、
その岩から、鹿子模様の中型の鳥が下流に飛んでいきました。水面を低く滑るように。
「おおっ、ヤマセミだ!」
鳥は、艇から少し離れた前方の岩に止まりました。
2艇のカヤックがそーっと岩に近づく、と鳥はまた羽ばたいてさらに前方の岩に飛んでゆきます。
まるで、川の上でヤマセミとおいかけっこをしているみたい。
「これはカヤックだからできるコト、機械音のないギアが、川の自然にもっとも近づけるのだなぁ」
とあらためて思った僕は、隣で漕いでいるMさんに声をかけました。
「いやーっ、Mさんついてますねぇ。あの鳥は、僕がラッキーバードと呼んでいるヤマセミです。
警戒心が強い彼らは、ふだんは主に支流に単独で生息しています。
なので本流には、たまにしかその姿を見せず、僕も本流では数える程しか見てません。
そんな、なかなか珍しい鳥に出会えたのはラッキーですねぇ。
しかも、初めて四万十を下っている最中に見られるとは。うーん、この先何か良いコトがあるかもしれませんね」
今日(10月27日)は「四万十川カヌー・ハーフディ&ワンディツアー」の2日目です。
台風20号が、四国のはるか南の海を東にむかっている影響か?この2日の空は、
シトシト秋雨→穏やかな晴天→強い北西の風、その表情をネコの目のようにクルクルと変えました。
でもまぁ、晴れてよかった、よかった・・・。
最高気温24度。川面の水温18度。ほぼ平水。水の透明度よし。
秋のやわらかな斜光が、川の水面を光らせ、山肌の彫りを深くし、岸辺の黄葉を照らしています。
「はるか手のとどかない宇宙から、すぐ手でさわれる川の水まで」
僕たちは、四方山話に花を咲かせながら、秋ゆく川をカヤックでのんびりと下ってゆきました。
四万十川で思い切り深呼吸。
海外(の川も)経験豊富なMさん。日本の川もなかなかでしょ。
カワセミの姿も見れました。
陽射し、水、風が絶妙に心地よい秋の午前中でした。
川は風のハイウェイ。
夏は南風が、晩秋から冬は北よりの風が、強く吹きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます