アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

秋の川のラッキーバード

2009-10-28 | アークツアー 秋~晩秋

 最高気温24度。

 「ケレッ、ケレッ」

静かな秋の川に、笑うような高い鳴き声が響きました。

「はっ」とした僕が、カヤック左斜め前方の水辺の岩(声がしたほう)に目をむけると、

その岩から、鹿子模様の中型の鳥が下流に飛んでいきました。水面を低く滑るように。

「おおっ、ヤマセミだ!」

鳥は、艇から少し離れた前方の岩に止まりました。

 

 2艇のカヤックがそーっと岩に近づく、と鳥はまた羽ばたいてさらに前方の岩に飛んでゆきます。

まるで、川の上でヤマセミとおいかけっこをしているみたい。

「これはカヤックだからできるコト、機械音のないギアが、川の自然にもっとも近づけるのだなぁ」

とあらためて思った僕は、隣で漕いでいるMさんに声をかけました。

 

 「いやーっ、Mさんついてますねぇ。あの鳥は、僕がラッキーバードと呼んでいるヤマセミです。

警戒心が強い彼らは、ふだんは主に支流に単独で生息しています。

なので本流には、たまにしかその姿を見せず、僕も本流では数える程しか見てません。

そんな、なかなか珍しい鳥に出会えたのはラッキーですねぇ。

しかも、初めて四万十を下っている最中に見られるとは。うーん、この先何か良いコトがあるかもしれませんね」

 今日(10月27日)は「四万十川カヌー・ハーフディ&ワンディツアー」の2日目です。

台風20号が、四国のはるか南の海を東にむかっている影響か?この2日の空は、

シトシト秋雨→穏やかな晴天→強い北西の風、その表情をネコの目のようにクルクルと変えました。

でもまぁ、晴れてよかった、よかった・・・。

最高気温24度。川面の水温18度。ほぼ平水。水の透明度よし。

 

 秋のやわらかな斜光が、川の水面を光らせ、山肌の彫りを深くし、岸辺の黄葉を照らしています。

「はるか手のとどかない宇宙から、すぐ手でさわれる川の水まで」

僕たちは、四方山話に花を咲かせながら、秋ゆく川をカヤックでのんびりと下ってゆきました。

四万十川で思い切り深呼吸。

海外(の川も)経験豊富なMさん。日本の川もなかなかでしょ。

カワセミの姿も見れました。

陽射し、水、風が絶妙に心地よい秋の午前中でした。

川は風のハイウェイ。

夏は南風が、晩秋から冬は北よりの風が、強く吹きます。


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