2006年頃に書いた旅雑文「雨音のテントとウイスキー」限定公開終了です。
雨。最高気温25度。
昨夜、宵の口に降りはじめた雨は、期待ハズレ・・・
すぐに止んでしまったが、明け方からガシャガシャと断続的に激しい雨になった。
窓ガラスごしに僕は、久しぶりのまとまった雨を、ほっとした気分でながめる。
四国の渇水は、この雨で一時的にはおさまるだろう。カラカラに乾いた夏の川辺に、恵みの雨だ。
「あの雨の日、フシギな出会いをした娘はどうしているのかな?」
机の上に両足を放りなげ、ウイスキーを舐め、
ぼんやりと雨をみながら僕は、雨音でいろどられた夏旅の小さなエピソードを思いだしていた。
「あのー・・・そっちにいってもイイですか?」
その声に僕は、はっとして顔をあげた。トツゼン目の前に女の子があらわれたのだ。
「はっ!?ええっ、と。ハイ・・・」。不意をつかれた僕は、ドギマギしながら、もごもごと答えた。
数分後。彼女は、自分のテントから少し離れた場所にあるこちらのテントにやってきた。
「ひとりでさびしいんです。なにか、お話をして下さい」。
「えっ?」僕は、トートツな申し込みに面くらった。
初対面の女の子にいきなり、さみしい??お、お話し・・??と言われても・・・なぁ・。
「でも、可愛いし・・まぁ、いいいじゃん!」僕のスケベ心がささやいた。
お金はあまりないけれど、当面時間だけはたっぷりあるバイク一人旅。
僕は、ホンダゴリラ(50cc)で夏の北海道をのんびり走っていた。
大雪山層雲峡のキャンプ場にテントを張って2日目。
朝から雨に降りこめられ、「あーもう、今日はヤメッ!」早々と停滞を決定。
うす暗いテントの中、シュラフに包まったまま、ザックからウイスキーの小瓶を取りだした。
わずかに開けたテント入り口から、雨に煙る外をぼんやりとながめながら、
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