あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

マニー・パッキャオが無敗のホーンに敗れる

2017年07月02日 | ボクシング
2017年7月2日 オーストラリア・ブリスベン
【WBO世界ウェルター級タイトルマッチ】

ジェフ・ホーン(豪) 判定12R マニー・パッキャオ(比)

29才のホーン(同級1位)が、王者を3-0の判定で降した。
(117-111、115-113、115-113)

6階級制覇のスーパースター王者・マニー・パッキャオ(38才)
に対し、挑戦者は2012年ロンドン五輪でベスト8のホーン。
五輪翌年にプロ転向し、17戦16勝(11KO)1分無敗。
昨年4月には元世界王者のランドール・ベイリー(米)にTKO
勝利を収めているが、やはり試合前の予想はパックマンは有利と
言われた。



しかし試合はジェフ・ホーンが1Rから積極的に前進。
これしかないとも言える戦術だ。

先に手を出し、身体ごとパッキャオをロープに詰めて連打。
頭がぶつかる展開でパッキャオはカット、生放送中は気付かな
かったがホーンも切っていたとの事。
※返り血だと思ってたよ…。

パッキャオも直撃弾は最小限に押さえていたが、やはり見栄えは
良くない。
被弾も稀にあり。ロープに詰められて、連打からアッパーで顎を
跳ね上げられたり、中間距離で右ストレートを打ち込まれたりと
いうシーンも見られた。

パッキャオの攻撃も精度を欠いた。ホーンも身体をガチャガチャ
振ったり、前後のステップを使ったりで的を絞らせなかった。

日光が差す屋外試合、豪州選手がベテランを体力で押す展開に
往年の「アズマー・ネルソンvsジェフ・フェネック」が重なる。
※背中姿も少し似て見えました

ただし、あの試合は初戦で押されたネルソンが、再戦では研究の
成果を見せて見事に倒して見せた。

ホーンの動きが鈍り、身体が立った瞬間を狙えば、ネルソンvs
フェネック戦の2in1のような展開になるかとも思われた。

第9R、疲れで動きの鈍ったホーンにパッキャオの左がヒット。
一瞬フラリとした挑戦者をワンツー、フックで追い回す王者!

形勢が逆転したが、パッキャオも強い後続打がヒット出来ない。
左も大きなフックで空転、ボディも少なかった。

第10R、ホーンは必死に攻めて出てペースを渡さず。
前ラウンドでスタミナを使ったパッキャオは手数が出ない。

最終の12R、パッキャオは前に出るホーンにパンチを合わせに
いくが完全なヒットは奪えず。
終盤、パッキャオがコーナーに詰められ互いに連打したところで
試合終了。

それと同時に王者は回転速いシャドウボクシングでアピールしたが
「試合中に出してよ」と思ったのは私だけではあるまい。

判定3-0でホーン。
大番狂わせとも言われたが、試合の流れを見ると成るべくしての
結果と思えた。

驚いたのは「不当判定。パッキャオが勝っていた」との抗議が
上がっている事。
小差で王者・引き分け・小差で挑戦者、いずれも有り得る内容と
思えたが、結果に抗議が上がる程でもないでしょう…。

勝者インタビューでバッティングを問われた新王者だが敢えて
直接返答せず。
全力で戦ってのアクシデントという事だろう。

パッキャオは言い訳せず、勝者を称えた。
ただし、「この試合で多くを学んだ。次の試合に生かします」と
ホーンとの再戦にも前向きなコメント。

活きのイイ大柄選手に圧力負けした印象だが、パッキャオと言えば
大柄選手を降してスターの座を勝ち得たのだから、今さら体格差を
言い訳にしても仕方ない。

序盤から受け止め過ぎた事が後を引いたって事だろう。
受け止めた理由が「動けなかった」からか、「余裕を見せた」かは
分からない。

38才のパッキャオ、議員との2重生活の中、再戦で仕上げて来れる
のだろうか?
やはり年齢的な限界が遂に訪れたのか?

アズマー・ネルソンみたいにキャリア終盤の最高試合で倒せたらイイ
けど、果たしてどうなりますか…。