山上たつひこ 原画展
『文藝別冊 山上たつひこ』(河出書房新社)出版記念
~という事で。
期間は、7月2日(土)~7月12日(火)
銀座スパンアートギャラリーにて開催。
山上先生の漫画家生活50年間で初の個展。
これは行かねばと最終日に出掛けた。
貴重な直筆原画の展示に加え、原画とオリジナルグッズ
販売もあり。
生原稿は写植の立体感、ペンタッチの力強さに感じ入る。
壁面いっぱいに張られた原画。
『がきデカ』や『喜劇新思想体系』はもとより、『光る風』や
未見だった『人類戦記』の原画も展示されている。

※画像は『光る風』のクリアファイルです
生原稿の保存が良く、ページ順に並んでいるので、ギャグ物は
一話分まるまる読む満足感あり。
初期SF作品の荒々しくも緻密な作風、
『半田溶助』や『がきデカ』『喜劇新思想大系』のギャグ路線も
圧巻だ。
エロネタでは女性を妖艶に描き、地方を旅する話では山村や屋敷を
執拗なタッチで描く。
『光る風』は芋虫状になった兄がヒロインを襲うシーン。
これは、圧倒的な物忘れの才能を有する私でさえ明瞭に覚えている
衝撃のシーンで。
その生原稿が拝めた事は、まさに「感無量」。
『半田溶介』も凄かったな。
女性器のカットは後で編集が白い紙でも貼ってるか、そもそも
描かずに済ませてるかと思ったら・・・
アップで緻密に執拗に描き上げたうえで、ホワイトを塗って消して
ますよコノ人。
※気がついたら原稿数センチの距離で見つめてた私・・・、ヤベェな。
そして山上たつひこ・・・といえば『がきデカ』ですが。
※上の画像は会場で販売されてたTシャツ
単行本用に(?)描き下ろされた4コマ漫画原画などが展示販売
されていた。
さすがに原画へは手が出ませんでしたが、記念として「ポスト
カード」を購入。
8枚セットで1300円。
「がきデカ」「喜劇新思想大系」「半田溶助女狩り」「JUDOしてっ!」
「快僧のざらし」。
各キャラクター・イラストが印象的だ。
「喜劇新思想大系」なんて下品すぎて家族には見せられん。
でも山上キャラの色んな女性が盛りだくさんで・・・その情報量は
圧巻で御座います。
「半田溶介」。
若い方の社員って、いま見ると明和電気みたいだな。
この漫画も本当だったら相当に下品でエロなイラストに
なりそうなのに、普通の企業フォト風に収めてくれたのは
嬉しい。でも、ちょっと物足りない。←どっちなんだよ!
そしてやっぱり「練馬変態クラブ」。
練馬区のHP探しても見つからない「練馬変態クラブ」。
倶楽部活動なんて全然キョーミなかったが、
「練馬変態クラブ」だけには入りたかったよ。いまでも
入りたいよ。
その思いを新たにして、私は銀座を後にした。
周辺に沖縄や石川のアンテナショップがあったが、もはや
私の頭の中は「山上たつひこ・ワールド」がグルグルと
駆け巡っていたから、どこにも寄らずに電車に乗った。
ありがとう、山上たつひこ先生。
ありがとう、河出書房新社さん。
ありがとう、スパンアートギャラリーさん。
ありがとう、練馬変態クラブ。
…いつか入部させて下さい。