まるみのあっちこっち巡り

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あなたに見せたい絵があります。-ブリジストン美術館開館60周年記念-

2012-06-17 00:31:04 | ミュージアム
サラリーマンが仕事を終えて東京駅へと向かう時間に、
その流れに逆らうようにブリジストン美術館を目指しました。
毎週金曜日は午後8時まで開館しているので、
ナイターのない夜にはぴったりです。

この展覧会も6月24日までとなっているためか、
この時間帯にしては見学している方もやや多めです。

ブリジストン美術館と石橋美術館が所蔵する
絵画の代表作品を100点に絞って一同に集められています。

出品作品を「自画像」「モデル」「レジャー」「海」など
11のテーマに別れ、題材、ジャンル別に展示され、
いつもと違う場所に掲げられている絵画が、
何度となく目にしているのに新鮮です。

日本の肖像画は、中国の肖像画の影響を受け発展、
道徳的な意味合い、礼拝対象から出発して描かれたそうです。

古代ギリシアでは競技場で運動する裸体の青年たちが、
絵のモデルの役割を果たしていたそうですが、
中世キリスト美術ではモデルは用いられなくなります。

ベネチアのミュージアムでこの時代の絵画を
鑑賞したときに原始画と言うのでしょうか、
こどもの描くような絵に見えたのは、
モデルを使わなくなったからだったのだと
6年半も経ってここで解決しました。

今では当たり前のレジャーも150年前には、
休暇さえ十分になかったのですから
マネの「オペラ座の仮装舞踏会」
ルオーの「ピエロ」など19世紀以降の作品に限られていくのです。

日本も西洋でもレジャーや旅行が盛んになるのは、
19世紀から20世紀になってからです。
海、山、川を描くようになったのもこの頃です。

貴族など特別な階級にある人は別にして、
一般庶民の楽しみは限られたものだったとあらためて思い、
今の時代に生きることができて良かったと
美術展に出かけて思うまるみでした。

収蔵作品も新たに増え、初公開となっています。
ギュスターヴ・カイユポットの「ピアノを弾く若い男」
作者の弟がモデル、近代的な都市風俗画として描いているとか、
岡鹿之助「セーヌ河畔」も仲間入りです。

ブリジストン美術館
東京都中央区京橋1-10-1

2012.6.15
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