天文学の造形が深かった時のマハラジャである
サワーイー・ジャイ・シン2世が1728年から約6年かけて
インド最大規模の天文観測所を造りました。
他の5つの都市にも建設されましたが、
世界遺産に認定されたのは、ジャイプルのものです。

春分、秋分、夏至、冬至を割り出すのに使用された
ナリヴァーラヤ・ヤントラ

太陽の角度によって、夏季と冬季で使う
ダイヤルを変えていたそうです。

ヨーロッパやペルシャから膨大な書物を集め、
天文学の粋を結集して、居城であるシティパレスの隣に
天文台を建設したのです。
1901年に修復され、2010年に世界遺産に登録されました。

午後の日差しは眩しくて、
説明に頷きながらも木陰を求めていたまるみです。

12の星座を測る観測儀が集合している
ラージ・ヴァラヤ・ヤントラ
占星家に利用されたそうです。

27mもある巨大な日時計は、サムラート・ヤントラ
2秒単位で計測できるという精密さで、
子午線、天頂距離も測れる観測儀です。
モンスーンの期間を予測するのにも使われたそうです。

用途の異なる16の装置は現在でも正確に機能しており、
実際に体験することもできるそうです。

写真左は小型の日時計は、サムラート・ヤントラの
10分の1の大きさとなります。
昼夜を問わず星を観測できる観測儀では、
祭儀の決定や暦の作成もしていたそうです。
日本でも「天地明察」の渋川春海(1639-1715)が
暦を作るのに使用した観測儀も大きなものでしたが、
ここにあるものも巨大です。
石でできたオブジェのようでもあります。
インド・ジャイプル
2014.3.21