まるみのあっちこっち巡り

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三井記念美術館 特別展 東山御物の美-足利将軍家の至宝ー

2014-10-08 13:56:22 | ミュージアム
大陸から到来した唐物が崇拝された室町文化において、
その頂点に君臨したのが義満らによって収集された
将軍家のコレクション「東山御物」でした。


この展覧会では、当時から高い評価を受けてきたもの
足利将軍家が確実に所有していたものを
中心に構成されていてます。

作品の中心は、12~13世紀の絵画と工芸品、
収集から500年以上も経ち、その後の美の規範となった
古典中の古典ともいえる作品で、国宝や重要文化財がズラリ。

その中でも特に目をひいたのは国宝の宮女図(伝銭選筆)
男装した宮廷の女官ですが、物思いにふける表情に、
指先に、立ち姿に、紅色の服を着た彼女はあまりに妖艶。
背景もない縦長の画面から離れがたくなりました。

南宋時代の「油滴天目」という国宝の茶碗も
この時代にこれだけの茶碗を作り、
保存されてきたことにも驚きました。

日本の水墨画に多大な影響を与えた南宋の禅僧の絵も一部屋に。

室町殿が憧憬した唐物文化は、
日本の空間を飾り、美意識の古典となった。







写真は、旅先で撮った金閣寺と銀閣寺ですが、
足利将軍と言って真っ先に思い浮ぶのが、
世界遺産にもなっているこのお寺です。

床の間や棚にこれらの作品を飾ったりもしたのかしら?
そう思い浮かべながら見学していました。

唐物の収集は足利将軍の権力に直結、
日本の美の成り立ちに大きな影響を与えたことを実感する
見応えのある展覧会となっていました。

この特別展は11月24日まで、期間中展示替えがあります。

三井記念美術館

東京都中央区日本橋室町2-1-1
三井本館7階

2014.10.7
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