杉原千畝氏のことを初めて知ったのは、
テレビ「知っているつもり」で放送された1991年。
命のビザを発行し続け、6000人にのぼる
ユダヤ難民を救ったという事実は、衝撃を受けました。
その感謝を忘れずに再会を果たしたり、
日本を訪れたりしてくれる人々がいて感動でした。
その後もテレビドラマにもなったりもしましたが、
もっと知りたいと思う尊敬する人の一人です。
この映画も見逃してはならないと思っていました。
ドラマやミュージカルは「命のビザ」を中心に捉えていますが、
映画では、情報収集活動に秀でた外交官であった姿を描いています。
彼は、情報収集、分析、精査などに携わる
インテリジェンス・オフィサーの一人でした。
パンフレットによれば、「スパイ活動とは似て非なるもの、
杉原のインテリジェンス活動の根源には
常に信頼関係という絆があった」とあります。
北満鉄道の譲渡では、ソ連の約6億2500円の希望価格に対し、
最終的には1億4000万円まで引き下げることに成功したり、
杉原氏の功績は讃えられるべきものが多いのです。
しかし、その功績を日本政府が長い間封印し続けたため、
私達は知ることさえできないでいたのです。
日本政府からの了承が取れないまま、
自らの危険も顧みず、独断で日本通過ビザを発給するまでの
経緯もよくわかりました。
日本のシーンも含め、全てポーランドで撮影。
違和感を感じる部分もありますが、映像も重厚感があり、
多くの人々に杉原千畝氏を伝えたいとう想いが伝わります。
アウシュビッツ収容所を訪れた日も涙、涙だったのですが、
この日もよく泣きました。
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監督:チェリン・グラック
出演:唐沢寿明、小雪、ボリス・シッツ、
アグニェシュカ・グロホフスカ他
2015・東宝
ユナイテッド・シネマ
2015.12.31