第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を
ダブル受賞したクライムスリラー。
悲しきトラウマを持つ元兵士と、
捕われた美少女の運命の行方は
ポスターのホアキン・フェニックスにまず衝撃を受け、
この体形はどうしてと興味を持ったことから
公開を待っていた作品でした。
兄であり早世した映画『スタンド・バイ・ミー』の
リヴァー・フェニックスのファンであったこともあり、
気になる俳優の一人、カンヌで男優賞を受賞した作品を
見逃すわけにはいかないと思いました。
年老いた母と暮らし、行方不明者の探索を請け負う
スペシャリストの異色の主人公ジョーに
組織に捕らわれた政治家の娘ニーナを
捜す依頼が舞い込み・・・。
最小限のセリフ、説明的描写も少なく、
脳内を活性させて、想像力を働かせ、
手がかりをつかもうと必死になりました。
どれだけの映画力があるかのかを試されているような
そう、普通の映画ではないと思います。
誰が見ても分かりやすい映画が多い中で、
紳士の国のイメージも、近年は多発する犯罪の国、
イギリスらしい映画なのかもと思いました。
(ああ、誰もが病んでいるのね)
感動を与えてくれる映画とは違いますが、
危険な映像世界と音楽、ホアキン・フェニックスの演技、
あらゆる感情を失くしたような美少女ニーナ、
強烈な印象を残したことには間違いありません。
監督・脚本:リン・ラムジー
出演:ホアキン・フェニックス/ジュディス・ロバーツ
2017年/イギリス/90分
ヒューマントラストシネマ渋谷
2018.6.11