1973年に起きたアメリカの大富豪
ジャン・ポール・ゲティの孫の
世紀の誘拐事件を映画化したサスペンス。
16歳の孫がイタリアの犯罪組織から誘拐され、
要求された身代金は、1700万ドル。
離婚で既にゲティ家を離れていた母親には、
身代金の支払いは不可能なことで、
祖父に願い出るものの一人お金を出せば
14人いる他の孫も誘拐されれば
出さなければならないと支払いを拒否。
総資産50億ドル、当時世界一の大金持ちと言われた
ジャン・ポール・ゲティを演じたのは、
『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)の
トラップ大佐役を演じたクリストファー・プラマー。
第90回アカデミー賞助演男優賞にこの作品でノミネート、
88歳で演技部門でのノミネート最高齢記録を更新。
当初ケヴィン・スペイシーが演じていたものの
スキャンダルにより完成間近で急遽交代、
僅か9日間でジャンの出演部分を撮影したのだとか。
発見されるまでの犯人と家族の葛藤と
交渉をフィクションを交えて描き、
予測不能な方向に展開していきます。
一挙手一投足を報道しようとマスコミが付きまとい、
事件は世界中を巻き込んで加熱していきます。
知的で、個を確立した女性で凛とし、
時に気丈に振舞う母親を演じる
ミシェル・ウィルアムが好演しています。
超資産家の実情を垣間見ると、
ほどほどという言葉がしっくり、
日常の小さなことに幸せを感じられる暮らしが
私には一番良いと思えました。
監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィルアムズ/クリストファー・プラマー
マーク・ウォールバーグ
2017年/アメリカ/133分
TOHOシネマズ新宿
2018.6.2