1631年に天台宗東叡山寛永寺の開山、
慈眼大師天海大僧正により京都の清水寺を模し、
建立された清水観音堂は上野の山にあります。
現在の場所に移築されたのは1694年。
幕末に起きた上野戦争で上野公園内にあった
建物の多くは焼失していますが、
奇跡的に清水観音堂は残りました。
1990年から文化財保存修理が行われ、
元禄移築時の面影を再現した
国指定重要文化財です。
本堂裏手には「秋色桜」という、井戸とともに
江戸時代から知られる桜があります。
江戸時代、日本橋の菓子屋の13歳の娘が、
花見の折に「井戸はたの 桜あぶなし 酒の酔い」と
一句したためて桜の枝に吊して帰ったところ、
当時の寛永寺住職にお褒めにあずかったそうです。
彼女はその後、宝井其角門下の俳人となり、
菊后亭秋色と号し、それを記念して「秋色桜」と
名付けられた桜はおよそ九代目にあたるとか。
このような話も知っていると
桜が咲くのが楽しみになりますね。
清水観音堂のご利益は、開運・厄除、祈願成就、
病気平癒、夫婦円満、恋愛成就、子授けなど
多くのご利益があると言われ、
上野随一のパワースポットとなっています。
本堂の横には人形供養の碑も建てられ、
年に一度人形供養も行われています。
東京都台東区上野公園1-29
2022.3.1