’07/12/09の朝刊記事から
続く干ばつ 農産地崩壊も オーストラリア
相次ぐ離農、工場閉鎖
昨年、「百年に一度」という深刻な干ばつに見舞われたオーストラリアが、今年も雨不足に喘ぎ、小麦や牛肉、ワインの生産農家が大打撃を受けている。
地球温暖化との関連も指摘されている干ばつは確実に増えており、同国が、先進国に温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書を、急遽批准した背景ともなっている。
生産量42%減
同国政府は小麦など主要穀物の本年度の生産量が平年の42%減になると予測する。
原材料不足で地方の工場を閉鎖する食品メーカーもあり、地域経済は崩壊の瀬戸際だ。
飼料となる穀物の高騰で牛肉などの値上がりも続き、同国内の食品価格は過去1年間に約10%も上昇。
これが日本のパンや麺類、チーズなどの値上がりにもつながっている。
先の総選挙で政権奪還を果たした労働党のラッド新首相は前政権の方針を転換し、京都議定書を批准。
バリ島で開催中のCOP13にも出席し、「ポスト京都」の枠組みづくりにも積極的に加わる意向だ。
だが、その間にも干ばつは続き、「雨が降っても、元に戻すには数年かかる」(ハッキネンさん)と多くの農家は眠れない日々を送る。