’07/12/07の朝刊記事から
十勝岳連峰4人死亡 事故の朝も雪崩か
現地調査まとめ 積雪は不安定な状況
十勝岳連峰の上ホロカメットク山(1,920メートル)で11月23日に発生し、4人が死亡した雪崩の現地調査を行った日本雪氷学会道支部の雪氷災害調査チームは6日、調査結果をまとめた。
チームリーダーの樋口和生・NPO法人北海道山岳活動サポート理事長は事故当日の朝に付近で別の雪崩が起きていた可能性を指摘、「当日の一帯の積雪状況は、短期間の大雪などによって全体的に不安定だったと思われる」との見方を示した。
樋口理事長によると、当日午前7時ごろに現場を通過したパーティは「付近は薄く雪が積もる程度だった」としたが、同8時半ごろ同じ場所を通った別のパーティは「沢が雪に埋まっていた」と雪崩発生を示唆する証言をしているという。
その後、昼ごろに現場に入り、今回の雪崩に遭った日本山岳会道支部のメンバーのうち亡くなった4人は、地表から約2メートルのデブリ(雪崩でできた堆積物)内で見つかっており、樋口理事長は「朝の雪崩でできたデブリの上で今回の雪崩にあった可能性がある」とした。
原因については、「弱層」と呼ばれる雪中のもろい層が壊れて発生したと推定したが、直接の引き金については化物岩東側の破断面の調査ができていないため触れていない。