’08/04/22の朝刊記事から
中東でタンカー被弾
日本郵船 海賊か、けが人なし
21日午前10時10分(日本時間)ごろ、中東イエメンのアデンの東約440キロの沖合で、日本郵船(東京都千代田区)の大型原油タンカー「高山」(150,053トン、乗組員23人)が海賊とみられる小型不審船から発砲を受け、被弾した。
けが人はなく、航行に支障もない。
高山からの連絡によると、発砲は被弾後も少なくとも4発あり、高山はジグザグ航行するなどして逃走。
しばらくして不審船は離れ、見えなくなったという。
武器の種類は確認できていない。
船体後部で燃料が漏れており、左舷後部のバラストタンクと燃料タンクの間にある金属壁に指先程度の穴が見つかった。
被弾した際に弾が外壁を貫通してできた穴とみられる。
高山は西に向かっており、安全な海域に入った後、停泊して詳しい被害状況を調べる。
イエメン国営サバ通信によると、高山はソマリヤの海賊から攻撃を受けたとみられる。
イエメン沿岸警備当局が高山の救援に当たった。
海上保安庁は高山が日本に帰港し次第、当時の状況を乗組員から聴き、器物損壊などの容疑で捜査する。
日本郵船によると、現地時間の21日未明、高山は発砲の約25分前にレーダーで不審船を発見。
サーチライトを照らすなどして警告したが、不審船は無視し攻撃してきたという。
高山の日本人乗組員は7人で、4日に韓国の蔚山港を出港、原油を積むサウジアラビアに向け空荷で航行しているところだった。
現場はイエメンと対岸のソマリアに囲まれた「アデン湾」の中央部の公海上で、海賊被害の報告が多い海域。