’08/06/30の朝刊記事から
韓国・牛肉問題 衝突激化400人負傷
デモ隊に機動隊対抗
【ソウル29日共同】米国産牛肉の輸入制限解除を発端に韓国ソウルで続く政府への抗議行動は28日夜から29日未明にかけ集会参加者と機動隊が鉄パイプや警棒で相手を攻撃するなど衝突が激化、双方の話を総合すると、計4百人以上が重軽傷を負った。
集会参加者は26日の牛肉輸入手続き再開前後から行動を先鋭化。
政府は29日、違法行為は厳重に処罰すると警告、同日夜の集会開催を阻止したが、数百人以上がゲリラ的にデモ行進し混乱は続いた。
輸入再開後、初の週末となった28日は主催者推計で20万人、警察推計で1万8千人が集会に参加、一連の集会で過去2番目の規模になった。
参加者は当初平和的にデモ行進していたが、機動隊のバスに遮られると様相は一変。
集会側の数十~数百人がバスを壊し横転させようとし、機動隊は放水や消火器噴射で対抗。約3時間後に機動隊数千人が鎮圧に着手、参加者を盾や警棒で殴りながら負ったが、逆に退院数十人が包囲され暴行されるなどした。
集会は6月前半までは暴力行為にエスカレートするケースはほとんどなかった。
政府が米国との差異協議の末に輸入を再開する過程で労働組合や市民団体が反発を強める一方、政治色の薄い市民の参加が減り、参加者から暴力行為に反対する声が上がらなくなった。
26日には参加者が政府寄りとみなす朝鮮日報と東亜日報の社屋を襲い、記者が暴行を受けた。
警察側が投入した機動隊員は徴兵制度で集められた20歳前後の若者が中心。
鎮圧時の統制が効かないため過剰な暴行を繰り返す一方、退院側の負傷者も続出。
29日未明には重傷を負って意識を失った隊員が搬送の手配がつかず雨が降る路上に横たわっていた。
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