’08/07/03の朝刊記事から
部隊投入で沈静化
モンゴル暴動 死者は5人
【ウランバートル2日共同】モンゴル国民大会議(国会)の総選挙をめぐる首都ウランバートル市内の暴動など大規模な混乱は2日、エンフバヤル大統領の非常事態宣言を受けた治安部隊の投入によりほぼ沈静化した。
総選挙後の混乱としては過去最大規模で、格差拡大や物価高騰、汚職などに「若者をはじめ国民が不満を募らせている」(外交筋)ことが背景にある。
ムンフオリギル法務・内務相ら治安当局者は2日、緊急記者会見し、今回の混乱で計5人が死亡、負傷者は野党支持者や暴動参加者側が約220人、警察官側が100人を超え、700人以上を拘束したと発表した。
非常事態宣言後に動員された警察官や治安部隊は計1,800人に上り、与党人民革命党本部などを占拠していた野党支持者や暴徒らは2日未明までに強制排除された。
しかし、党本部がある市中心部は兵士らが同日午後も警戒を続けている。
「野党支持者らが人民革命党本部の建物前で抗議を始めたと思ったら、たちまち人数が増えて投石などの騒ぎに発展した」。
党本部脇のホテルに宿泊していた日本人ビジネスマンは2日、前日の状況についてこう語った。
地下資源が豊富なモンゴルはここ数年、国際商品価格の大幅な上昇を背景に経済成長率も伸び、昨年は9.9パーセント成長を記録。
半面、インフレ率は10パーセント台後半に達し、市民生活に重くのしかかっている。
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