08/07/29の朝刊記事から
米、竹島「主権未指定」に変更
韓国、日本の攻勢警戒 駐米大使問責検討
【ソウル28日井田哲一】日韓両国が領有権を主張している竹島(韓国名・独島)の帰属について、米連邦政府傘下の地名委員会が「韓国領」から「主権未指定」と変更したことが判明し、韓国内で波紋を呼んでいる。
主要メディアは「日本の緻密な外交攻勢の成果」(ハンギョレ新聞)と警戒を強め、韓国政府は変更を防げなかった駐米韓国大使への問責を検討している。
地名委員会は世界の地名の呼び方を決める米政府機関で、国務省や国防総省、中央情報局などで構成。
韓国KBSテレビは26日夜、竹島の主権について韓国に属するとしていた同意委員会の表記が最近、「未指定」に変更されたと報じた。
李明博大統領は「どうしてそんなことになるんだ」と激怒。
27日に経緯の徹底調査を指示した。
政府と与党ハンナラ党は28日、表記を元に戻すよう、米政府に要求することを決めた。
聯合ニュースは28日、韓国政府が、変更を事前に把握できず対応が後手に回った李泰植駐米大使の問責を検討していると報じた。
柳明桓外交通商相は28日、竹島に関する世界各国の”誤記”に対応するため省内に設置した特別作業班の初会議を招集。
各国への広報活動の強化などを指示した。
表記変更の背景について韓国メディアは、「日本の執拗なロビー活動が功を奏した」(東亜日報)、「日本は国際的に紛争地域の印象を作り出し、独島を主人なき土地にしようとする戦略を進めている」(朝鮮日報)と批判的に報道。
竹島をめぐって日韓が軍事衝突した場合の、両国の軍事力を比較した記事も登場し、警戒心を煽っている。
与野党の国会議員約50人は先週、「日本の対馬(長崎県対馬市)も韓国の領土」だとして、「対馬返還要求決議案」を国会に提出した。
世論調査によると国民の約50%が決議案に賛成した。
竹島問題をきっかけに、韓国国民の領土ナショナリズムが高まっている。