’08/08/09の朝刊記事から
膠着一転 進展に期待
【北京8日高山昌行】8日の日中首脳会談で、中国の胡錦濤国家主席が中国製冷凍ギョーザ中毒事件の解決に意欲を示したことから、膠着状態が続いていた事件の捜査が大きく進展する可能性が出てきた。
ギョーザ中毒事件について、福田首相は会談後、記者団に対し「今後、進展すると思う」と明言した。
ギョーザ事件をめぐっては、製造元の天洋食品(河北省)が中国国内で回収した冷凍ギョーザが流通し、6月にこれを食べた中国人が中毒症状を起こしていたことが判明し、中国国内で毒物が混入したことが確定的になった。
中国側は当初、中国国内での中毒発生を日本側に公表しないよう要請していたが、外務省首脳は「中国側としては(犯人を)捕まえて、それから日本側に伝えたかったのだろう」と話し、中国側が捜査を本格化させているとの見方を示した。
そもそも中国が捜査情報を日本側に伝えること自体異例といえ、その背景には「中国指導部内で最大の知日派である胡主席の指示があった」(日中関係筋)とされる。
だが、これまで中国政府は「中国国内で中毒物質が混入した可能性は極めて低い」との立場を貫いてきた。
このため中国の国民感情にも配慮せざるを得ず、決着までには曲折が予想される。