'08/09/10の朝刊記事から
汚染米 仕入れ3円、転売70円
三笠フーズ 巨額利ざや稼ぐ
米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が農薬、カビ毒に汚染された事故米を食用に不正転売した問題で、同社が関連会社経由で1キロあたり約3〜12円で仕入れた汚染米を鹿児島県内の焼酎メーカーに同70円程度で売却していた可能性が強いことが9日、関係者の話で分かった。
他の業者に対しても同様の手口を繰り返していたとみられ、農林水産省から安く仕入れた「非食用米」を「食用米」と偽り、巨額の利ざやを稼ぐ構図が鮮明になった。
農水省は、「食用」として販売したことを契約違反として、食用に販売して得た金額と工業用に販売した際の差額に30%のペナルティーを上乗せした額を同社に請求する方針。
総額は数千万円に上る見通しだ。
関係者によると、鹿児島県内の焼酎メーカーは数年前から三笠フーズの関連会社の米穀卸会社と取引を開始。
1キロ当たり70円程度で米穀卸会社からコメを購入しており、「県の酒造組合から買えば1キロ当たり約80円はする。(三笠フーズ経由の)価格の安さは認識していたが、不自然だとは思わなかった」と話している。
農水省によると、この焼酎メーカーが購入したのは、カビ毒アフラトキシンが検出されたベトナム産の汚染米。
三笠フーズは2004年4月から今年5月にかけ、4回にわたりベトナム産の事故米を合計で約20トン、同省から購入。
購入金額は1キロ当たり3〜12円だった。
うち約3・4トンがアフラトキシンに汚染されていたが、三笠フーズは焼酎メーカー2社に売却していた。
また、関係者によると、三笠フーズは汚染米を食用に不正転用したのに「のり用に加工して出荷した」などと偽装した売上伝票や商品台帳などを農水省に提出していたという。
撮影機材
Kodak DC4800