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'07/10/13の朝刊記事から
亀田父子 反則を指示
「急所狙え」「ひじで目打て」
日本ボクシングコミッション(JBC)は12日、東京・有明コロシアムで11日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトル戦で、チャンピオンの内藤大助(宮田)に敗れた亀田大毅(協栄)が試合中に反則行為を繰り返した問題について、15日に倫理委員会を開いてビデオ検証することを決めた。
これにより、亀田大と、セコンドを務めて反則を指示したとみられる父親の亀田史郎氏が処分を受けることが確実になった。
JBCの処分確実
JBCの安河内剛事務局長は「重大な処分になるかもしれない」と話しており、亀田大はファイトマネーの没収か出場停止、史郎氏はセコンドライセンス停止といった厳罰を受ける可能性もある。
反則指示で陣営の関係者が処分されるのは異例。
史郎氏は昨年9月の試合で乱闘騒ぎに加担したとして厳重注意処分を受けている。
11日の試合で父親とともにセコンドに入った兄の亀田興毅(協栄)、協栄ジムの金平桂一郎会長にも何らかの処分が下される見込み。
また、ジム会長らで組織する東日本ボクシング協会も15日の理事会で協栄ジムに戒告などの処分を下す方針。
同協会の北沢鈴春事務局長は「父親が急所を狙えと指示し、興毅がひじで目を打てと発言したのをビデオで確認した」と明言。
金平会長は12日にJBCと同協会に謝罪している。
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'07/10/13の朝刊記事から
「赤福」社長 認識不足と釈明
JAS法違反 解凍日を製造日に
農水省から日本農林規格(JAS)法に違反する商品表示を行ったと指摘された老舗和菓子店「赤福」(三重県伊勢市)の浜田典保社長は12日午後、同市内で会見した。
同社長は「(消費者に誤認させるような表示をしていたことは)私どもの認識不足。これまでは問題ないと考えていた」と釈明した。
さらに、同社長はこれまで同社商品に表示していた「謹製」日付は、製造年月日ではなく、製造後に一度冷凍保存された商品が解凍された日付だったと認めた。
この一方で、衛生面や品質面では安全性が確認されていると強調。
「冷解凍も製造工程の一部という認識だった。(消費者を欺こうという考えは)一切なかった」と述べた。
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'07/10/13の朝刊記事から
後絶たぬ食品偽装 法規制の不備露呈
製造日の規定あいまい
食品偽装問題が後を絶たず、12日には新たに伊勢の有名菓子「赤福」の消費期限改ざん問題が発覚した。
不二家や「白い恋人」の石屋製菓に続き、またしても模範となるべき企業の不祥事に、若林正俊農水相は「よもや、あんな老舗が」と驚きを隠さない。
企業の法令順守(遵守)への認識の甘さや、食品表示をめぐる法規制の不備をあらためて浮き彫りにした。
赤福は配送車に残ったり、余分に製造した製品を冷凍保存。
必要に応じ解凍して再包装、その日付を新たな製造日などとし、約30年間も出荷調整を続けていた。
需要拡大に対応するための冷凍手法が消費者の信頼を裏切ることになった。
ただ製造年月日の表示については、ルールのあいまいさという問題があぶり出された。
農水省によると「包装する前に冷凍し、それを製造途中として扱えば、解凍後に包装した日を製造日としても問題はない」という。
赤福の場合は、一度包装した商品を冷凍し、出荷する時点で製造年月日を付けなおす「まき直し」と呼んでいる手法を続けていたため偽装表示とされた。
同じように冷凍し、安全面では違いのない商品でも、包装する前か後という基準が偽装の白黒を分けている。
日本農林規格(JAS)法
消費者向けに販売される主な食品は日本農林規格(JAS)法に基づき、農水産物や畜産物では名前や原産地などの表示が、加工食品では原材料などの表示がそれぞれ義務付けられている。
悪質な違反事例には、個人で100万円以下の罰金か1年以下の懲役、法人で1億円以下の罰金が科される場合もある。
ただ現在のところ、業者間での取引にJAS法の表示義務は適用されず、加工食品は消費・賞味期限の表示は必要だが製造年月日の表示は義務付けられていない。
こうした適用範囲が「抜け穴」となつて業者が不適切な表示をしても処分が難しいケースがあり、農水省は見直しを検討している。
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'07/10/13の朝刊記事から
新千歳空港を拡充
要人用に貴賓室・駐機場 国交省
国土交通省は12日までに、来年7月の北海道洞爺湖サミットに備え、新千歳空港に要人用の貴賓室や専用駐機場を新設するなど、同空港の設備増強工事を行う方針を固めた。
各国代表団が空港内で直接車に乗り込める駐車場、臨時便用の航空機6機分の駐機場なども新・増設する予定。
年内に着工する方針だ。
新たに整備するのは1.首脳が乗降する要人(VIP)専用駐機場2.首脳らが使う貴賓室3.サミット前後の臨時便に備えた駐機場(6機分)4.構内駐車場(500台分)など。
各国代表団が構内から円滑に車で移動できるようにするため、構内道路(約6.6キロ)も全面的に補修する。
政府関係者事務所や報道関係者の待機施設なども設ける。
事業費は、6機分の駐機場と構内駐車場の新設、構内道路の補修だけで約7億円。
VIP専用駐機場などを含めると、総額10億円程度になる見通しだ。
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'07/10/13の朝刊記事から
国際的建築家、都知事選出馬
黒川紀章さん死去 73歳
日本の代表的な建築家として国際的に活躍した黒川紀章(くろかわ・きしょう)さんが12日午前8時42分、心不全のため東京都新宿区の東京女子医大病院で死去した。73歳。名古屋市出身。
葬儀は近親者のみで行う。喪主は未定。妻は女優の若尾文子さん。
4月の東京都知事選に立候補したが落選。
自ら「共生新党」を設立して挑んだ7月の参院選でも、再び落選した。
選挙期間中から体調を崩していたという。
京大建築学科を卒業後、東大大学院で丹下健三氏に師事。
20代で頭角を現し、大学院在籍中の1960年、有機的に代謝・成長する新たな都市像を提唱する思想集団「メタボリズム・グループ」を菊竹清訓氏らと結成した。
その思想に基づく中銀カプセルタワービル(東京)は広く知られる。
作品は国立新美術館(東京)、国立民族学博物館、国立文楽劇場(ともに大阪)など国内各地のほか、海外もゴッホ美術館新館(アムステルダム)など20カ国以上に。
時代を象徴する都市論、文化論に関心を寄せ、著作は「共生の思想」「都市デザイン」など多数。
「生命の時代」「共生」などの言葉で、近未来像を先駆的に論じた。
80年代以降は、若尾さんとの再婚で話題を呼んだほか「日本文化デザイン会議」を牽引するなど、広範に活躍。
近年は政治に意欲を示した。
フランス建築アカデミーゴールドメダルをはじめ、内外で受賞多数。
98年日本芸術院会員、2006年文化功労者。建築家の黒川雅之・金沢美術工芸大教授は実弟。