瑞巌寺をわずか5分で出た。
潮の香りが漂う寺前町の商店街を抜けると、眼前に広がる松島湾。
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松島のシンボル・五大堂が見えてきた。
行ってみると係員とおぼしきおっちゃんが、橋を封鎖しようとしている!
無理を承知で頼んでみたら、少しだけなら待ってくれるという。
ただし「歩みを止めないこと」という条件?が課された。
そのため、五大堂の画像はいささか斜めに傾いている。
807年(大同2年)坂上田村麻呂が、奥州遠征の際に毘沙門堂を建立したのが始まりとされる。
その後、慈覚大師・円仁が瑞巌寺の前身・延福寺を創建した際に仏堂を建立し、五体の明王像(五大明王像)を安置したため「五大堂」と呼ばれるようになった。
現在の堂は、1604年(慶長9年)伊達政宗が瑞巌寺の再興に先立って再建した。
東北地方最古の桃山建築という。
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五大堂の建つ小島へ続くすかし橋。
橋げたから海が見えるのは、足元をあえておぼつかなくして参詣者の気を引き締めるためという。
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日輪に輝く五大堂【国指定重要文化財】。
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軒の欄干に十二支が彫られている。
五大堂は正方形の4面構造なので、各方位に3匹ずつ。
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五大堂からの松島湾。
ゆっくり見たかったけど、おっちゃんが「足止めるな~」ていうもんだから、早々に退散・・・。
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観光客はすっかり消え、かもめが羽を休める遊覧船のりば。
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振り返ると「松島城」がそびえ立つ。
旅館の展望室らしい。
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抑 ことふりにたれど、松嶋は扶桑第一の好風にして、凡 洞庭西湖を恥 ず。
(よくいわれることだが、松島は日本第一の景色で、中国の洞庭湖や西湖に比べてもまったく遜色はないだろう)
東南より海を入て、江の中三里、浙江 の湖 をたゝふ。
(東南より海が入り込み、入り江は三里ほど、中国の浙江のように潮が満ちて美しい)
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嶋嶋の数を尽して、欹 ものは天を指、ふすものは波に葡蔔 。
(島は数えきれないほどあり、伸びるものは天に向かってそびえ立ち、平らかなものは波間に腹ばいになっているかのようだ)
あるは二重にかさなり三重に畳みて、左にわかれ右につらなる。
(二重三重に重なってみえているものもあれば、左の島に離れながらも右の島に連なってみえるものもある)
負 るあり抱 るあり、児孫愛すがごとし。
(人を背負っているようなものもあれば、抱っこしているようなものもあり、子供をあやしているような感じさえする)
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松の緑こまやかに、枝葉汐風に吹たはめて、屈曲をのづからためたるがごとし。
(松は緑濃く、枝葉は潮風を受けてすっかり曲がってしまっているが、その曲がりようはまるで自分から曲がっていったかのように、美しく屈曲している)
其気色えん然として美人の顔 を粧 ふ。
(その松の木の景色の思わせぶりなことは、ちょうど美しい女性が化粧をした時の顔のようだ)
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ちはや振神のむかし、大山ずみのなせるわざにや。
(神々のおわす大昔、山岳の神である大山祗 の神がお造りになったのであろうか)
造化の天工、いづれの人か筆をふるひ詞 を尽さむ。
(そうした神々の業であるこの景色の美しさを、誰が言葉で表すことができるだろうか)
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