平成最後の日と勘違いした方も多かったという、平成31年3月31日。
この日も「ちばらぎリベンジ」と称して城攻めの旅に出ます。
「ちばらぎ」と銘打ってはいますが、この日はもっぱら茨城県へ。
そして「ちばらぎ」なので、茨城県から少し足をのばし、栃木県にも行ってしまいます。
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やってきたのは、わが本拠地の柏から快速で3駅の取手駅。
利根川を渡って最初の駅で、茨城県では最南端の駅でもあります。
いわば茨城の端っこの駅にわざわざ降りたのは、
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「ときわ路パス」を購入するためです。
お値段は、2,150円(購入当時)。
かんたんにいうと、茨城県限定の乗り放題きっぷです。
乗車できる範囲は・・・
■常磐線 取手駅~大津港駅
■水戸線 小田林駅~友部駅
■水郡線 水戸駅~下野宮駅
上菅谷駅~常陸太田駅(常陸太田支線全線)
■鹿島線 潮来駅~鹿島サッカースタジアム駅
・・・というように、茨城県より外に出ない範囲になります。
そのため宇都宮線(東北本線)の古河駅は、両隣の駅が他県になってしまうために茨城県のJR線の駅で唯一ハブられています。
ときわ路パス自体も、上記の有効範囲内の駅でしか売っていませんのでご注意を。
さらにこのきっぷはJRのみならず、私鉄&三セクでも使用することができます。
具体的には・・・
▲関東鉄道 ■常総線 取手駅~下館駅(全線)
■竜ヶ崎線 佐貫駅~竜ヶ崎駅(全線)
▲ひたちなか海浜鉄道 ■湊線 勝田駅~阿字ヶ浦駅(全線)
▲鹿島臨海鉄道 ■大洗鹿島線 水戸駅~鹿島サッカースタジアム駅(全線)
▲真岡鐡道 ■真岡線 下館駅~茂木駅(全線)
これらの路線も乗り放題です。
真岡鐡道真岡線で茨城県内にある駅は、起点の下館駅からひぐち駅までの4駅のみなのですが、終点の茂木駅まで利用できます。
これとは逆に、某TXとかいう路線は、茨城県内の区間であっても一切利用できません。
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券売機で発券される「ご案内」。
この中での重要事項は、特急券を買えば、特急にも乗れるということです。
「ご案内」では「SLもおか」云々のことが強調されていて、特急に乗れることはサラリと記載されていますね。
ときわ路パスは私鉄にも乗れるということで、今回は茨城県内の私鉄に乗っていきましょう!
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JRではなく関東鉄道の改札口へ。
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そうそう、このきっぷは自動改札も通れるんですよ・・・う゛!
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自動改札は通れないのか!と思いましたが・・・「ご案内」をよく読みましょう。
「関東鉄道常総線各駅では、有人通路をご利用ください」とあります。
すなわち、関鉄の自動改札は通れないということですね。
あと、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、真岡鐡道には自動改札がないということも示唆しているようであります・・・。
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今度の列車は、5時18分発 関東鉄道常総線 普通列車 下館行きです。
1両編成のかわいい気動車が、筑波嶺の西をひた走ります。
5時47分、水海道駅に到着。
ここまでは複線でしたが、この先は単線になります。
列車行き違いのために、数分ほど停車するようです。
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水海道駅の駅名標&時刻表。
この駅を境に、列車の本数がほぼ半減してしまいます。
線路も、複線から単線となります。
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誰もいねぇ!
運転手氏まで下りてしまったようで、車内は完全に貸切状態。
運転手氏は発車時刻前に戻ってきましたが、乗客は私を除いてゼロ。
常総線の車窓を誰に遠慮することもなく、思う存分楽しみましょう。
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あいにくの曇り空で、筑波山が全く見えませんが・・・
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関東平野のまっただ中を北上する常総線、茨城ってまっ平らなんだな~ってことを実感させてくれます。
そして忘れてはいけない「城攻め」。
普段は乗らない路線なので、この機会に怠りなく・・・
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この日最初の攻略は豊田城。浪人も発見し・・・
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不死鳥・小田氏治!・・・と、その子の守治を登用できました。
このパッとしない能力値の彼が、なぜ「不死鳥」とあだ名されるのかというと・・・
氏治は、近隣の結城氏や佐竹氏、そしてわざわざ関東にやってくる上杉謙信との戦にことごとく敗れ、何度ともなく居城の小田城を奪われているのです。
しかし何度も城を奪い返し城主の座に返り咲いたため、「不死鳥」と呼ばれているのだとか。
ですが常陸国統一を目指す佐竹義重との戦いは、次第に劣勢になっていきます。
氏治は北条氏政と同盟を組んで対抗、辛うじて勢力を維持していました。
そして天正18年(1590年)の小田原征伐で北条方となった小田氏は、小田原に参陣せず、豊臣方の佐竹家に対抗したことを理由に、すべての領地を没収されてしまいました。
最後は結城秀康(徳川家康の二男)に客分として迎えられ、波乱の生涯を閉じました。
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南石下駅を過ぎ、次の石下駅に到着するあたりで、右側の車窓にご立派な天守閣が見えてきます。
常総市地域交流センターの建物で、このあたりに豊田城があったそうです。
豊田城には天守はなかったので、現在の天守閣はまったくの作り物です。
豊田城の主であった豊田氏は小田氏治と盟約を組んでいましたが、敵対する結城氏・多賀谷氏の謀略にかかって滅亡しています。
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石下駅周辺は住宅地が広がっているので、「豊田城天守」がうまく撮れませんでした・・・。
6時24分、大宝駅。
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なかなか味のある駅舎ですね。
ここでの「城攻め」で、大宝城【国指定史跡】を攻略できました。
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大宝駅を過ぎると、車窓には梨園が目に入ってきます。
梨園といっても歌舞伎じゃないですよぉ~。
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次の駅は騰波ノ江駅、読みが難しいですね。
ここの「城攻め」では、関城【国指定史跡】と海老ヶ島城を攻略できました。
これらの国指定の史跡になっている城は、南北朝時代に北畠親房ら南朝の臣が下向して勢力拡大を図った際に、その拠点となりました。
親房の著作である『神皇正統記』は、これらの城に滞在しているときに記されたといいます。
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梨園の風景が終わり・・・
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日本ハムの工場とJR水戸線が見えてきたら、関鉄の旅はそろそろおしまいです。
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終点・下館駅に到着。
ここからは・・・
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水戸線ではなく、その反対側・・・
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6時54分発 真岡鐡道真岡線 普通列車 茂木行きに乗ります。
真岡鐡道では交通系ICカードは使えないので、ホームにある簡易改札機で精算する必要があります。
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個性的な塗装の列車です。モオカ14形気動車というようです。
真岡線は、その沿線で木綿の生産がさかんであったことから「コットン・ウェイ」という愛称があります。
この塗装は「コットン・ウェイ」を意識したものでしょうね。
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6時54分、下館駅を発車。
真岡鐡道の前身はJR真岡線だったからなのか、駅名標はJRのものにそっくりですね。
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のどかな風景が続く中、
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珍妙な駅舎が現れ、
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真岡駅へ。
ここで数分停車するということなので、いったん列車の外へ。
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SLをかたどった駅舎からは、真岡の市街地を見渡せます。
この時間は駅に人影もなく、ひっそり静まり返ってちょっと怖かった・・・。
真岡駅を定刻どおりに出発した列車は、
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7時38分、益子駅に到着。
ここで下車します。
駅員も誰もいない益子駅のホーム。
下車したのは、私だけ。
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駅のホームでレンタサイクルを借りられるようですが、まだ早朝。
係員もおらず、自転車もしっかり固定されていたため、私はあきらめて駅の外へ。
ちなみに料金は2時間400円で、以後1時間ごとに+100円、1日最大800円。
借りられる時間は、8時00分から17時までとなっています。
レンタサイクルが借りられる8時まで待っても良かったのですが、ひっそりとした肌寒い駅でただただ待つのはツラいので、今回は自分の健脚を信じて歩きます。
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駅入口に置かれている巨大な壺。
焼き物の町・益子らしさが見て取れますね。
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益子駅を後にして、益子の街を練り歩きます。
【今回の乗車記録】
関東鉄道 取手駅 7番線 5時18分発
■常総線 普通 下館行き 1両ワンマン
下館駅 6番線 6時46分着
真岡鐡道 下館駅 1番線 6時54分
■真岡線 普通 茂木行き 1両ワンマン
益子駅 1番線 7時38分着
*所要時間 2時間20分 (移動時間 2時間12分 乗換時間 8分)
*移動距離 76.2km
*運賃 ときわ路パス使用(使用しない場合、2,270円(関東鉄道 1,510円 真岡鐡道 760円))
【今回の「城攻め」成果】
■常総線
5時18分 取手駅 発車
6時06分 南石下駅(取手から15駅) 豊田城(常総市)を攻略、小田守治と小田氏治を登用。
6時20分 下妻駅 (取手から19駅) 多賀谷城と駒城(ともに下妻市)を攻略、多賀谷重経を登用。
6時24分 大宝駅 (取手から20駅) 大宝城(下妻市)を攻略。
6時29分 騰波ノ江駅(取手から21駅) 関城と海老ヶ島城(ともに筑西市)を攻略。
6時46分 下館駅 到着
■真岡線
6時54分 下館駅 発車
7時07分 久下田駅(下館から4駅) 久下田城(筑西市)を攻略。
7時08分 久下田駅発車後 中村城(栃木県真岡市)を攻略。
7時13分 寺内駅 (下館から5駅) 芳賀高武と芳賀高定を登用。
7時18分 真岡駅 (下館から6駅) 真岡城(真岡市)を攻略。
7時38分 益子駅 到着
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