俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

燕帰る

2019-09-05 | 俳句・秋・動物




広ごれる畑の上なる帰燕かな




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子育てを終えた燕は、九月頃には南方へ帰って行く。







秋の涼しさが増すとき、いつとはなく燕の群れは見なくなり、

二、三羽の燕を見かけるだけになる。







その燕を見送る気持ちを感じさせる季語である。







見渡す限り畑が広がっていた。

その上を一、二羽の帰燕が空を切っていた。






天空に声は漏らさず秋燕




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秋の蟬

2019-09-04 | 俳句・秋・動物




声絞るやうに鳴きをり秋の蟬




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夏の頃、蝉時雨と言われるくらい賑やかであった蝉の

鳴き方も、秋に入ると淋し気に聞える。







蜩や法師蝉のように秋になって鳴き始める蝉もいるが、

夏から引き続き鳴く蝉もまだ多い。







一斉に鳴くというのではなく、あちらこちらで鳴いている。

それだけに澄んだ響きのある鳴き声に聞える。







これが最後というように秋の蝉が鳴いていた。

それはまるで声を絞り出しているようであった。






社への磴百段や秋の蟬




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秋の湖

2019-09-03 | 俳句・秋・地理




その中に鳥居の立てる秋の湖




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秋の湖は四囲の山々を映し、どことなく神秘的なものを感じ

させる。







夏とは違い、水も澄み、静かで落ち着いたたたずまいを

見せる。







ひとり舟を浮かべて釣をしている風景も寂しく感じられる。







岸の近くの水は緑が深く、木々を映している。







芦ノ湖の中に小さな鳥居が立っていた。

秋の湖の静かさが漂っていた。






小さくも寄する波あり秋の湖




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秋の海

2019-09-02 | 俳句・秋・地理




一隻も船見当たらず秋の海




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澄んだ大気のもと、青い海原が遠くまで広がるのが秋の海

である。







水平線へ行くほど紺が深く、波頭が白くてやや高い。







人影のまばらな渚に寄せては返す波の音や岩礁に砕け

散る濤のさまには、一抹の寂しさが感じられる。







紺の深い秋の海が広がっていた。

そこには、水平線まで一隻も船が見られなかった。






平らかに見えてありけり秋の波




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秋の川

2019-09-01 | 俳句・秋・地理




心地よき音立ててをり秋の川




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秋の川がひやひやと澄み流れるさまを本意とする。







秋空を映して広々と流れていく川、渓谷を水が急ぐ川など、

いずれもいかにも秋らしい風景である。







水が澄んで川底の石が見えてくるのも秋の川らしい。







秋の川は音にもその特徴があらわれる。

軽やかな心地よい瀬音がしていた。






脛浸けて親子の遊ぶ秋の川




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