初めて買ったエフェクターはコンプレッサーでした。「なぜコンプか?」というと、単純に一番安かったから。高校生の頃に、雑誌の通販の広告で見た4千円くらいの組立キットだったのですが、そんなこんなのエフェクターの話を何回かに分けて書こうかと。ただし、ここで言うエフェクターとは「エレキギターの音色を加工するもの」を指します。ついでに、細かい用語説明はすっ飛ばしますから、興味の無い人はすいません。
で、私はというと工作が苦手で、組立キットを買っても当然自分では作れません。しかし、そこはアマチュア無線研究部の若い衆に知り合いがいっぱいいて、そういう奴は機械をいじくりたくて仕方ないわけで、「オレにやらしてくれぇ~!」と言うわけです。ということで、そのやり場のない半田ゴテのはけ口として、これを差し出したのでした。手数料なしで働いてくれた上に、妙にスッキリした顔になったりして…。
その頃使ってたのは、ヤマハのトランジスタアンプだったのですが、ボリュームは一個だけで、なぜか「ディストーション」というつまみがありました。しかし、これを10にしてもサッパリ効果がなく、初心者の私は「???」と思ってたのがコンプのアウトプットを10にして繋ぐとギンギンに歪んで、「あれぇ~こんなの初めてぇ~」という快感に浸れるのでした。今考えると、ギターとアンプを買ってからコンプを導入するまでの半年ほどは、クリーンな“かしまし娘”のような音色で弾いてたものと推察されます。まったく何を弾いてたんだか…。そもそも、元々2ボリュームか3ボリュームのアンプであれば、こんな事にはならなかったかもしれません。
この機械の面白いのは、デザインが海外の高級メーカー品とそっくりなこと。なので、黒マジックでそれっぽく「MXR」と書いておいたら、友人のベーシストには「どえりゃーたけーもんつこーとりゃーせんか?」と驚かれました。(名古屋の奴だったので。) ただ、音質は妙な癖があってアタックがカットされる「スカッ」という音が露骨でどうも馴染めず。結局ブースターとしてしか使ってなかったっちゅう事ですね。今は既に手元にはありません。その後、大手メーカーの製品も使った事がないです。
なお、私はエフェクターのなんたるかについて語れるほどの知識も理論もありませんので、一応自分の経験と好き嫌いだけを語ろうかと。昔は若気の至りか、無知の極みか、ギター雑誌の広告にのせられたか、単純に面白そうに見えたか、その辺はともかくいろいろな物に手を出して来ました。しかし、今となっては、エフェクターなんちゅうもんはディレイとブースターだけでええんちゃうの?とも思うようになりました。「ブースターはエフェクターか?」という声もあるでしょうが。
ちなみに、このエフェクターという言葉は和製英語であり、欧米ではアタッチメントとか、もっと単純にフットボックスとか言うと、成毛滋氏のラジオ講座で聞きました。もしかしたら、現在は海外でも通じることがあるのかもしれませんが、その辺だ誰か詳しい人がいたらおせーて下さい。ということで、今日はこれまで。別に毎日続けるわけではありませんが、次はフィルター系の話をば。