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日本沈没ですって

2005年07月05日 | 日本沈没
 ニュースによると「日本沈没」がリメイクされるとか。来年夏公開予定の映画で、主演が草剪剛と柴咲コウですと。日本沈没については昨年原作を読んで大変感動しあれこれ書きましたが、やはり同じように面白いと思う人がいるという事ですね。

 いまさら説明の必要はないでしょうが、日本沈没は小松左京原作の小説がベストセラーになり、映画にもドラマにも漫画にもなりました。映画の主演は藤岡弘といしだあゆみ、ドラマは村野武範と由美かおるでした。(由美かおるの入浴シーンがあったかどうかは不明。村野武範がレッツビギン!と言ったかどうかも不明です。←言うか、アホ!)

 映画は映画館でちゃんと見たのですが、ドラマは親父が大河ドラマを見る時間帯であったためあまり見た記憶がありません。(8時45分から50分くらいの間だけ毎週見てたような) で、映画と原作はちょっと違います。もちろんあれだけ長い小説を映画化したわけで、その点を考えれば同じと言えば同じかもしれませんが、私の印象では結構違うと。

 なぜこの小説が面白いかというと、「国とは何か?」というのを深く考えさせられるという点。国土が沈没してしまえば国は無くなるのか、民族としての日本人が残れば国として存続できるのか、文化や伝統がなければ人だけ残ってもダメなのか、とかあれこれ。

 実際ああいう風に日本が沈没してしまうとなると移民の受け入れを各国に依頼せねばならず、1億以上の人間がすべて海外に移住する事が可能かどうかや、家族や親戚や友人などが同じ国にうまく移住できるのか、日本円での貯金はどうなる、資産が不動産主体の人はどうする、仕事や教育はどうする、ペットはどうなる、など難しい問題が山積みとなります。

 前回の映画では、「日本が沈没する」という言葉だけが先行して、そういう外交交渉や「国家とは?」というテーマへの突込みが足らなかったように思います。これは作る方も見る方も両方。あるいは私が小学生だったので、その辺を考えずに見ていただけなのかもしれませんが。

 ドラマの方はなおさらそうで、富士山が噴火するだの金閣寺が倒れるだのというシーンばかりが宣伝で強調されていたように思います。こうなると、ウルトラマンでゴモラが大阪城を壊すのと同じ世界ですよね。ちなみに、ウルトラマン放映当時小学生だった格闘家の前田日明氏はテレビを見ていて「大阪城が壊れた!」と大騒ぎし、放送の翌日に学校をさぼって友達と大阪城を見に行ったとか。「あ、壊れてへん!」と思って警備員のおっちゃんに聞いたら「夕べみんなで徹夜で直しといた」と言われたので安心して帰ったのだとか。こういう子供の夢を壊さないおっちゃんは素敵ですね。

 話を戻しますが、今回のリメイクでは是非「国とは? 国家とは? 国民とは?」というあたりを掘り下げて真面目な人間ドラマとして作って欲しいです。言っちゃぁなんですが、小野寺を草剪君がやるというあたりで、日本沈没マニアとしては逞しさの点で物足らないのですが。誰がいいかというと、しいて言えば織田裕二か江口洋介なら許せます。それを考えると藤岡弘は原作のイメージにピッタリでした。

 なお万一漢字を忘れてしまった場合に、「日本チン没」とか「日本チンボつ」とか記載すると品がなくなるので注意しましょう。筒井康隆先生は「日本以外全部沈没」というパロディーをやってましたが、これもまたお見事。いずれにしても、今回のリメイクで話題になって、多くの人がまた原作をちゃんと読んでくれる事を期待します。そういう非常時に小泉総理でええんか?とか考えたりして。

 また、原作の最後には「第一部 完」と書かれているので、世界各地に散らばった日本人に焦点を当てた続編が検討されていたのは間違いありません。しかし、あまりにもテーマが重すぎたためでしょうか、今でもそれは発表されておりません。「日本復活」でも「日本漂流」でもいいのですが読みたいのですが。