今日のひとネタ

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今年の読書記録

2007年12月24日 | ブックレビュー

 今年の元旦に立てた目標の一つが「読書50冊」でした。現在どうなっているかというとめでたく80冊に達しましたので、それを祝してここで公開しましょう。ただし、読んだ本を公開するというのは脳みその中身をさらしてるようなもので結構恥ずかしいです。なので批判は一切受け付けません。(もちろん賞賛は受け付けますが)

 なお、厚い本も薄い本も1冊とカウントしてます。また文庫本で上、中、下と全3巻のものは3冊とカウントしております。この80冊というのが一般のサラリーマンのレベルからすると多いのかどうかはわかりませんが、まぁ少なくはないでしょう。では、下記がその一覧とレビューです。


◇「『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画」樋口尚文 
 図書館で借りた。作者がどういう人かはわからないのですが映画の解説が充実してて面白かったです。「砂の器」も「日本沈没」も見ましたし。

◇「ララピポ」奥田英朗 
 知り合いから借りた。これにより奥田英朗にはまりました。最初に読んだ感想は「よくこんなもの考えるよな」というもの。短編集のように思えて全部の話が繋がってるのがすごいと。カバーを見るとすごくエッチな印象ですがちゃんとした本です。

◇「エミリーローズ」ポール・ハリス
 知り合いから借りた。面白いといえば面白いですが、所詮仏教ベースの日本人には理解しがたい話かと。映画の写真はインパクトありますけどね。

◇「人間のいとなみ」青野聡
 図書館で借りた。不思議な話ですが他人に薦めようとは思わない本でした。ただ、こういう設定で本を1冊書こうとした発想は見事です。

◇「ホームアウェイ」森村誠一 
 知り合いから借りた。森村誠一ってどういう作家なのかがよくわからないと思った1冊でした。作者を隠して読まされたら全然わからないですものね。

◇「町長選挙」奥田英朗 
 知り合いから借りた。伊良部シリーズでは第三弾ですがこれが一番つまんなかったです。

◇「自暴自伝」村上ポンタ秀一 
 文庫・新品で購入。知っているミュージシャンの話がいろいろ出てきたので面白くてバンドの練習の道中で何回も読みました。アマチュアミュージシャンとしては耳が痛いことも多かったですけど。

◇「インザプール」奥田英朗 
 中古で購入。伊良部シリーズでは表題作が一番面白いですね。この本については全然知らなかったのですが、ブックオフで100円だったということはヒット作なんですね。

◇「最悪」奥田英朗
 図書館で借りた。まぁ面白いといえば面白いかな。

◇「哀愁的東京」重松清 
 知り合いから借りた。これはいい話でした。最初ただの短編集かと思ったのがいわゆる連作という形でしたが、そういう意味では重松清の独壇場ということでしょう。

◇「なれずもの」中島らも 
 図書館で借りた。まぁそれなりです。

◇「ドミノ」恩田陸 
 文庫・新品で購入。仕事の合間にちょっとずつ読んだので、登場人物が多すぎ最後まで没頭できず。読みようによっては生き生きとした世界なのかもしれませんが。

◇「偽装国家」勝谷誠彦 
 新書・新品で購入。いつもの勝谷氏の主張がわかりやすくまとめてあります。好評によりパート2も出版されたようです。

◇「東京物語」奥田英朗 
 文庫・新品で購入。これは面白かったです。もしや自伝的小説なのでしょうか。これも奥田あれも奥田。年代が飛んでるのがまた気になるところ。

◇「マドンナ」奥田英朗 
 文庫・新品で購入。これは案外つまんなかったと。言われなければ奥田英朗作とはわからないような。

◇「フェイク」楡修平 
 知り合いから借りた。ちょっとだけ面白かった。内容は完全に忘れました。


◇「二つの祖国」(上・中・下)山崎豊子 
 図書館で借りた。面白いといえば面白いのですがさすがに長くて手ごわかったです。大河ドラマにもなったんですよね。見てないけど。

◇「僕はこんなことを考えている」大槻ケンヂ 
 図書館で借りた。彼のエッセイはどの本を読んでも同じような話が出てくる気がします。まぁ面白いからいいけど。

◇「ワイルドソウル」(上・下)垣根涼介 
 文庫・新品で購入。これはすごく面白かったです。ワクワクしながら読みました。復讐を目的とした行動でありながら陰惨な話になっていないのが素晴らしい。おかげでブラジル移民の話に興味を持ちました。来年はその方面のドキュメントも読みたいと。

◇「裸一貫」チョコボール向井 
 知り合いから借りた。中身はあまり覚えておらず。

◇「わたくしだから(改)」大槻ケンヂ 
 文庫・新品で購入。これも中身は覚えておらず。

◇「太陽の塔」森見 登美彦 
 知り合いから借りた。京都で男子学生がウダウダしている姿が目に浮かびます。妙な話ですが結構気に入りました。「男汁」という言葉は忘れられません。

◇「空中ブランコ」奥田英朗 
 中古で購入。表題作は面白かったのですが伊良部シリーズはまとめて読まなくてもいいです。

◇「凶水系」森村誠一 
 知り合いから借りた。いわゆる普通の推理小説ですか? 私はあまり好きな話ではありません。

◇「赤い人」吉村昭 
 知り合いから借りた。北海道に護送された囚人の話で文体は淡々としてますが結構すごい事が書いてあります。考えてみれば看守というのも大変な仕事ですよね。

◇「さよなら70’S」サえきけんぞう 
 新書・新品で購入。店頭でパラパラっと読んで「面白そう!」と思って買ったのですが…。

◇「彼岸まで」勝谷誠彦 
 ハードカバー・新品で購入。結構ほろっとさせる話もあったりしますが、最後の話の仕掛けが好きだったりします。

◇「赤塚不二夫のことを書いたのだ」武居俊樹 
 文庫・新品で購入。これは面白かったです。当時は天才バカボンを読んでなかったのですが舞台裏を覗けたような気分で。漫画の現場も相当な緊張感で大変ですね。

◇「午前3時のルースター」垣根涼介 
 文庫・新品で購入。「ワイルドソウル」で垣根涼介という人に興味を持ったのですが、こちらはまぁまぁ。(←偉そう)

◇「関東大震災」吉村昭 
 知り合いから借りた。震災被害の生々しい話が多くて結構気分は滅入ります。

◇「カランコロン漂白記」水木しげる 
 図書館で借りた。水木氏の本はいくつか読みましたが、まぁいつもの芸風という内容。

◇「ヘルタースケルター」川村かおり 
 図書館で借りた。面白くないことはないのですがすんなり入っていけないのはなぜかと考えると、恐らくは彼女をロックシンガーとして評価していないからではないかと。その部分が凄ければ生き様にも感銘を受けるのでしょうが。

◇「神様から一言」荻原 浩 
 文庫・新品で購入。裏表紙を読んで面白そうだと思ったのですが。残念。

◇「5分後の世界」村上龍 
 図書館で借りた。何気なく借りてみたのですが結構面白かったです。戦闘シーンのリアルさはさすが。

◇「血と骨」(上・下)梁石日 
 図書館で借りた。映画も見ましたが原作の方が迫力があります。ただし読んだあとは無茶苦茶気分が滅入りますが。

◇「アメリカ人はバカなのか」小林至 
 文庫・新品で購入。以前「僕はアメリカに幻滅した」というタイトルで出てた本の改訂版。マイケルムーアの「シッコ」もありましたしアメリカの実態がいろいろとわかるようになりました。

◇「愛のひだりがわ」筒井康隆 
 文庫・新品で購入。これは面白いです。お盆に実家で読みましたが結局家族4人とも読みました。

◇「族譜の果て」梁石日 
 文庫・新品で購入。「血と骨」でこの作者に興味を持ったので読みました。面白いのですがこの人のはもういいです。

◇「真夜中のマーチ」奥田英朗 
 図書館で借りた。ストーリー自体はたいしたことないように思いますが登場人物のキャラが立ってて面白かったです。犬までキャラがはっきりしてたし。

◇「40回のまばたき」重松清 
 文庫・新品で購入。なんとも不思議な話。どこからこういう発想が出てくるのやら。彼の作品の中では割と古いもののようですが。

◇「君たちに明日はない」垣根涼介 
 図書館で借りた。もっと深刻な話かと思いきや裏をかかれました。そういうのが狙いなのでしょうね。

◇「疾走」(上・下)重松清 
 文庫・古本で購入。面白いのですがこれも気分が滅入ること滅入ること。ほとんど救いのない話という気が。

◇「ワイルドスワン」(上・中・下)ユウ・チャン 
 文庫・古本で購入。世界的な大ベストセラーだったそうですが私は全然知りませんでした。丁度文化大革命の事に興味を持ってたので勉強になりました。中国国内では出版されてないそうなので(当たり前?)、北京オリンピックに行くときに携帯していると逮捕されたりするのでしょうか。もちろん、なかなか手ごわい本です。

◇「らも~中島らもとの35年~」中島美代子 
 ハードカバー・新品で購入。私はらも先生の大ファンなのですがこういう本が出るというのは全然知らず、偶然書店で見かけて即購入。本当に衝撃の書でした。「へぇ~」という部分も「やっぱり」という部分もありましたが、ファンなら読むべし!と言いきる自信はありません。ファンの間での評価はどうなのでしょう。

◇「邪魔」(上・下)奥田英朗 
 知り合いから借りた。これは凄く面白かったです。奥さん頑張ってましたのに苦労続きでかわいそうでしたね。きっちりとした配役でドラマにすれば大ヒットしそうな気もします。刑事役は堤真一と田辺誠一がいいかな。

◇「サウスバウンド」(上・下)奥田英朗 
 文庫・新品で購入。一風変わった設定でグイグイと引き込まれる話。原作が面白かっただけにあの映画の脚本には大ブーイング。トヨエツ頑張ってましたのに。

◇「こどもの一生」中島らも 
 文庫・新品で購入。「らも」を読んで「らも先生の作品で読んでなかったものを集めよう」と思った次第。ですが、これはたいして…。

◇「ワルボロ」ゲッツ板谷 
 文庫・新品で購入。結構なボリュームですが鎌倉までの往復の電車で全部読みました。面白いです。

◇「逃亡くそたわけ」絲山秋子
 文庫・新品で購入。短い話なので都内への往復の電車で全部読みました。微妙なテーマを扱ってる上に、たいして大事件が起きないわりには最後まで飽きずに読ませるのは文章の力でしょうか。面白いです。

◇「LOVE」みうらじゅん 
 文庫・古本で購入。まぁいつもの芸風でした。

◇「野球の国」奥田英朗 
 知り合いから借りた。これは旅エッセイなのでまったく期待せずに読んだのですが凄く面白かったです。奥田英朗というのがどういう人かよくわかりました。こういう一人旅も楽しそう。

◇「ワーキングプア」門倉 貴史
 図書館で借りた。それぞれの事例は面白いものの「なぜ世の中こうなのか?」「この事態を解決するにはどうしたらいいのか?」という掘り下げが足らなくて残念。新書でしたが「この手の本は読みやすいが中身がない」という認識を覆せず。

◇「クロスファイア」(上・下)宮部みゆき 
 文庫・新品で購入。知り合いに薦められたのですがまぁまぁかな。「んなアホな」という場面が多いのですが、そもそもそういう話ですか。

◇「空白の叫び」(上・下)貫井徹郎 
 図書館で借りた。たまたま図書館の話題作コーナーに置いてあったので読みました。面白いといえば面白いですが読後のやりきれなさはどうしようもないと。この人については全然予備知識なかったのですが人気作家なんですね。

◇「翼はいつまでも」川上健一 
 図書館から借りた。あらすじ読んで「面白そう」と思って借りました。読後の爽快感は今年一番。気に入りました。青森の田舎の中学生がビートルズの音楽に触発されて…という話。ただ、後半は十和田湖にへっぺを探しにいくというはんかくさい話です(笑)。

◇「板谷バカ三代」ゲッツ板谷 
 文庫・新品で購入。このブログで「ワルボロ」の話を書いたらコメントで薦められたのがこの本。最初の数ページだけで死にそうなほどヒクヒクと笑ってしまいました。ケンちゃんのキャラが素敵です。この人は小説よりエッセイの方がいいですね。ただし絶対電車の中では読めないですが。

◇「リンダリンダラバーソール」大槻ケンヂ 
 文庫・新品で購入。面白いのですが、私はこの人のやってる音楽自体にはまったく魅力を感じないので、バンドとかライブの話ではあってもまったく別世界の事という感じ。

◇「ガンジス河でバタフライ」たかのてるこ 
 文庫・新品で購入。長澤まさみ主演のドラマで見て気に入ったので買いました。面白かったです。

◇「迷宮遡行」貫井徹郎 
 図書館で借りた。横浜までの往復の電車で読みました。まぁ面白くないことはないですが、この人の小説はほとんど救いがないのがなんとも。

◇「地獄からの生還」梶原一騎 
 図書館で借りた。読むのは二回目。とんでもない人ではありましたが、結構いいこと言ってます。時折辻褄が合わない部分があるような気がしましたが、まぁいいでしょう。(←偉そう)

◇「くちぶえ番長」重松清 
 文庫・新品で購入。買ってから知ったのですが元々は「小学四年生」に連載してた小説だとか。が、不覚にもうるうる来てしまいました。なお、娘1号もこの本持ってました。無駄な買い物しとるなぁ…。

◇「モンキームーンの輝く夜に」たかのてるこ 
 図書館で借りた。途中からドン引きでした。旅エッセイがまじな恋愛話になっちゃって、まぁ。

◇「半島を出よ」(上・下)村上龍 
 上巻は人から貰い、下巻は新品で購入。くれた人は「登場人物が多すぎてわからん」と挫折したのだとか。私はすごく楽しんで読めました。それにしても、こういうのを書けるのは日本で村上龍だけですよね。ただのエッチなおじさんじゃなかったんだと見直しました。

◇「熱球」重松清 
 人から借りた。数ページ読んでから「あ、前に図書館で借りて読んだことある」と気づきました。あらためて読んでみると小学生の娘がかしこ過ぎですね。まぁそれも魅力か。面白いからいいけど。

◇「慟哭」貫井徹郎 
 図書館で借りた。いろんな意味で問題作です。出版当初に既に話題になってたようですが、私はまったく知りませんでした。この人の本は何冊か読みましたが、どれも読後感が重いのでなんとも。


 ということで、読んだのは以上です。「人から借りた」とありますが、貸してくれたのはすべて同じ人。得意先の人ですがほぼ同年代で、約2時間の電車通勤のため本を読む時間が多いのだとか。その人が貸してくれた「ララピポ」からこういう生活が始まったので感謝する事しきりです。もちろん自分が新品で買った本も相当貸しましたので、いわゆる回し読みですね。

 人から借りた本はすばやく読んで返す&感想も話題にしなければ、ということで拍車がかかった部分も大きいです。ただし、借りたはいいけど読みきれなかったというのも1冊ありました。翻訳物の幻想的なものでしたが。

 で、この中で勝手にベスト5を選ぶとすると
・ララピポ
・哀愁的東京
・ワイルドソウル
・翼はいつまでも
・半島を出よ
です。

 また「面白いけど読まなかった方がよかったかも」というベスト3(?)は
・血と骨
・らも~中島らもとの35年~
・空白の叫び
ですね。

 来年も同じくらいのペースでいきたいので目標は80冊としておきますか。今年はサスペンス系が多かったので、今後は「殺人事件がない」「マフィアとかヤクザが出てこない」というのをもっと読みたいと思います。ただし、そういう小説って当たり障りのない話になりがちですから、面白いのを選ぶのも大変かもしれませんけど。

 ということで「これを読むべし!」という本の情報をお待ちしております。ただし上記でわかるとおり新品はほとんど文庫しか買いません。ハードカバーは高くて…。