Catch of the day

food planner cacoの日々もぎたてスピリッツ・・・

栗と童話の秋

2013-10-15 21:28:44 | 



つい先日まで青々としていたのに

どんどん毬が茶色く割れて中から大粒の栗がのぞき始めると

あーついに来た、この季節が、と思う。


まだ学生の頃、母が顧問先から戴いたと持ち帰るお菓子に

マロングラッセがあった。

金色の少し分厚い二重になった紙を解き開くように

手に取ると少し躊躇する。


ひと口でいくには少し大きく、

でもひと口でいっちゃおうか・・・


ぱくん! 大きすぎて鼻が勢いよく動き、

栗のねっとりした香りが鼻からBU-っと去ってゆく。

あぁ食べちゃった。。。もう一個だけ、もう一個だけちょうだい。

と箱を少し浮かせては一個盗み取り、残りの数を数えていた。


マロングラッセ作りたいな。

そろそろお正月の栗きんとん用の水煮とかも作っておきたい。

お店にはすっかり栗だらけだ。


イソップの寓話だったかな。

名前は忘れてしまった。

暖炉の中の栗を盗もうとするお猿さんと猫さんのお話。


熱いものはつかめないからとお猿が猫にお願いします。

「暖炉の火のなかの栗を取ってくれない」

猫が熱い思いをして火から栗を拾うのですが

お猿はどんどんその栗を食べちゃう。


そこへ家の主が現れたので

お猿と猫は慌てて逃げます。

猫はひとつも食べられなかった。

あんなに熱い思いをしたのに。


この寓話から「火中の栗を拾う」ということわざが誕生しました。

他人の利益のために危険をおかすということ。


読書の秋、大人だってたまには童話に耽るのもいいかもしれない。

いろんな学びがあります。


猫さんに焼かせた熱々の焼き栗を食べながら・・・



↓「焼き栗」は週末レシピまで 

ラム酒の良い香りがする美味しいお菓子です。



週末レシピ「焼き栗」




週末レシピ
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紅玉のおやつ

2013-10-11 21:04:44 | 



いつからだろうか。

私たちは木の上の方にある綺麗な実を自分都合でもぎとるようになった。


木に生るものを頂戴する立場でありながら

鳥が食べたら威嚇し、

食べきれない量を全て収穫し

賞味期限が過ぎたとゴミにする。


人間都合でやりたい放題の世となってしまったのはいつごろからなんだろ。

ごめんな 





ふっくら発酵したパン生地に

キャラメルカスタードクリームを広げて。

すっかりピンクに染まった紅玉のシロップ煮をのせて。





温かいパンの上で紅玉一個分が幸せそうだ。

森の中でおばあちゃんが薪ストーブを使って焼いたようなお菓子。

そんな温かいお菓子に出会って

「美味しい」と笑顔になった後、涙がでてしまったことはありませんか。

私にはあります。


疲れていることに気づかないで歩き続けている人いますね。

そんな時、

温かい素敵なお菓子に出会ってください。





甘いお菓子は頑張っているそんな人の為にあります。




↓そろそろ焼きりんごの季節ですね。gooグルメ&料理週末レシピで!

週末レシピ「焼きりんご」


週末レシピ
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どんなスパイス?

2013-09-25 16:00:44 | 



私は食に対する考えとか、料理も下手でダメで・・・というお母さんがいた。

子供たちにとって最高の「美味しい」は

お母さんのキッチンに立つ姿なんです。





キッチンに立つ母を子供はとても潜在的に感じとっています。

まな板の上でとんとん・・・機嫌が良いのか悪いのか、

この音と後ろ姿でなんとなくわかってしまう。

何か嫌なことでもあったのかな・・・

お鍋から白い湯気が立ちあがるとそっと近づいてみる。

お鍋のなかでグツ、グツ、っと煮込まれている小さな地獄谷のような音。


「美味しそうやろ?」と母が笑うと、

その言葉は最高のスパイスになる。





白いごはんとお肉と野菜が口のなかでつぶつぶしてるところへ

なすがとろっととろけるね。


和風なすカレーでした。

ルーをたっぷりの和風だしでアレンジ。


市販のルーだっていいじゃない。

要はスパイスよ。


あなたの毎日の食にはどんなスパイスが入っていますか?


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達成感

2013-09-13 17:04:44 | 



オーブンて大好き。

扉を閉めて「いってらっしゃい」みたいな気持ちで見送り、

しばらく様子を見てる。

形が大きく膨らみかける瞬間からずーっと引き込まれ

ようやく色が変化し始める頃やっとオーブンから離れる。

で、またのぞいちゃう。


好きだよ!





実家にいた頃、よく家族にグラタン、クッキー、シュークリームだとか作ってあげたな。

なかなか上手に焼けなかったのがパン。


imaの高草木さんから天然酵母の起こし方から教えて戴き

人生の後半戦でようやく自家製天然酵母でパンを焼くことができるようになった。

「幸せッ!」って思わずつぶやいてしまうパンが焼けるようになった。


達成感を感じる瞬間が最高の癒し。





毎日の達成感で人はどんどん成長し大人になって

ちょっと足を止めたくなる。

たくさん褒めてくれる人に出会ってまた歩けるようになるのですね。





これは天然酵母を起こして作った中種。

これをパン生地に混ぜて捏ねて発酵させます。





ひとつの作業の流れの中で必ずぶつかることが出てきます。

「何故そうなるのか?」

そんな疑問が出てきた時、「知る」ために勉強が必要になります。


よく考えてみれば日々の生活の中に

たくさん「何故?」を残したままでした。

この秋、いろんなことに猛勉強&前進中です。

そして達成感をいっぱい感じることのできる日々にしたい今日この頃であります。


ほんと、秋なんですね。



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お姑さまの柚子と嫁の偏差値

2013-09-11 22:20:00 | 



ずーっとさかのぼって昨年末のこと。

たくさん戴いたお姑さまの柚子。

柚子は小ぶりだったり、傷が入っていたり。


柚子はするどいトゲがあるので

木の剪定ができていないとせっかくの実をトゲで傷つけてしまったり、

実が小さかったりする。


今年は剪定しなかったのかな。

できなくなってきたのかもしれない。





マーマレードはスペインのセビルオレンジを使った苦味のあるものが美味しい。

日本で手に入るオレンジはとても甘いので

柚子を使うと美味しいマーマレードになるようです。





豚の肩ロースをワインでコトコト煮込んで

粒マスタードソースに仕上た後、

ほんの少し柚子マーマレードを隠し味程度に加えると本格的なビストロご飯になる。





数年前、わが家の庭に植えた柚子の木・・・

なかなか実をつけなかった。

やっと花が咲いても強風で落ちてしまったり。

昨年末はほんの7、8個。

が、今シーズンの花はしぶとく枝に残り

やっとやっとたくさんの実をつけました

今年、大豊作の気配。

柚子こしょう作りもしたい。


昨年一つを木守りとして残したおかげかな。


お姑さまの柚子、

私が剪定しましょうか・・・?

ちょっと待てよ・・・いや、やめとこ。

とりあえずは様子をみて、

嫁の偏差値は30くらいでいい 



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鎌倉のビストロにて

2013-08-15 18:09:17 | 



となりの4人のテーブル席から何とも堅苦しい空気が伝わってきた。

接近していることもあり私達のテーブル席から様子がよくわかる。

まだあどけなさの残る女子3人と彼女達の倍近くは生きているであろう男性。

男性はメニューを見ながらランチコースに

いつもの○○○・・・

プラスアルファでいつものお気に入りを一品チョイスしたようだ。


男性が中心にお話をしながら女性たちが背筋を伸ばして静かににこやか。

全粒粉のまるまるとした可愛らしいパンが4つ運ばれてきたけれど、

誰も手を付けない。

前菜を戴きながら

4つのパンが仲良く並んだままだった。


前菜が終わってお皿の上にナイフとフォークを揃えてのせたひとりの女子が

隣の男性がナイフレストにのせていたのを見て、

お皿の上に揃えていたナイフとフォークをナイフレストに戻す。

彼女は終始男性のテーブルマナーをチラチラと。



緊張するお店ではなく

14席ほどのビストロだけど

座席が接近していることもあり

彼女たちにとってはまさに緊張の時間だったかもしれない。



お皿にのせられた前菜は

お野菜にフォークを入れるとしっかりとした手ごたえがあって

桃を添えシーフードをのせ戴く。

桃がイイお仕事しているのがよくわかる。

シェフのご実家である長野の農園から届いたらしい桃。


手間のかかる爽やかなトマトのジュレ添えが嬉しい。

ジュレが時間経過とともに溶けるので最後にお皿に残る。

お店の方が底に残ったジュースをどうぞと、

スプーンを差し出してくれた。


彼女はどうしただろうか。

ナイフレストにはナイフとフォークで満員御礼。

さてこのスプーンどこに置いたらいいのか・・・

このあたりからだんだん彼女が気になり始めた。



芳ばしくローストした野菜の食感が添えられるアントレ。

彼女はポークのようだった。 

ローストされたトウモロコシのつぶつぶを削り落とそうとして失敗したのか、

お皿の上で音が響き渡った。

だ、大丈夫か。。。今の緊張レベル如何ほどか。

宇宙空間へ逃げ出したい気分だよね。

ここまできたら私の方に好奇心を超えた母心みたいなものが芽生え始める。


彼女のお皿の上に?? ん、あれはなんだろう?

ポーク?

彼女はポークをどうやってカットしながら食べたのか、

素晴らしい立方体を仕上げていたのだ。



若いうちのお食事会は場所に関係なく緊張します。

これ当たり前。

テーブルマナーは学んで数をこなして

素敵な男性にエスコートされるのが一番。

彼女たちに素敵な出会いがありますように。


チラ見して申し訳なかったです。

ま、視界に入るから仕方ない。







鎌倉のビストロ@パパノエル


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命をいただく

2013-07-11 00:19:19 | 



毎日の食卓、

その食材がどうされたいのか

食材の声に耳を傾ける。


先月初めに「地球交響曲ガイアシンフォニー 第二番」で紹介された

森のイスキア主宰の佐藤初女さんの後援会、良かった、すごく。


ずっとお会いしたかった私の憧れ。

もう生まれる前からずっと憧れだったような気がする。


初女さん、いつもの生活場所、岩木山の麓の空気と一緒にいらしたようだった。

ゆったりとした口調で

少し冷んやりとしたオーラ。

このオーラ、以前にもどこかで・・・

松下幸之助さんだ。

CAの新人の頃、目の前に座られた松下幸之助さんのオーラにとても似ていた。

神社へ行くと空気が冷んやりとしているあの感じ。

神さまに近い人のオーラは冷んやりしているのだろうか。


初女さん

「どんな食材にも命があって、

例えばアスパラを湯がいていると一瞬透明になるんです。

この瞬間が一番美味しくて

この瞬間を『命の切り替わり』と私は感じているんです」と。


命を戴くということ。

何かを犠牲にして自分が生きてゆく。


そういうことなんだと思う。


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おかずパン焼き上がりました 

2013-07-04 20:07:07 | 



手で捏ねているとこの時期はさすがに汗が出てくる。

それでもパンは手捏ね。

台の上で生地を手前から向こうへ押し出すようなあの作業がスカっとする。


温かいパンのある家庭はどんな状況だって絶対に幸せ。

こう思うのは子供の頃に何度もなんども読んだ「若草物語」のせいかも。

クリスマスの寒い夜に凍える子供達の手に温かいパンを届ける四姉妹のシーン。

大好きなシーン。 

私はパンがとても好きになった。


ちなみに最近は神戸から帰る時、

必ずイスズベーカリーのハード山食を買って帰る。

絶品。


パンが上手に焼けるようになると

おかずパンはテンションがあがる。

大好き。





ハムを入れ込んだ生地にかるく炒めたオニオン、マヨネーズ、チーズをトッピング。





お店屋さんごっこがしたくなる。





ソーセージパンとかコルネってなんかこうやって外しながら食べてしまう。

家の中だとお行儀の悪いことをしてみたくなるよ。

女性って外では結構気取ったうそつきちゃん。


え? 嘘つきじゃない? 

嘘つきね。

私野菜大好き、って彼の前で身体の中まで新鮮だってプレゼンするんだけど、

ほんとは隠れてワイルドなサーロインステーキ食べてンの知ってる


私? 

オレオは半分に割った後、なかのクリームを下の歯で綺麗に削ってから食べるの。


とんがりコーンとか10本の指にサックして

一個づつ食べてるわ 





で、ハムオニオン&ソーセージパンの2種類。

パン生地が美味しい。

「おうちでこんな美味しいパンが食べられるって幸せだな」


戴きました! 星みっつですッ!




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ひと手間

2013-04-12 17:27:37 | 
野菜から芽が出てくると慌てます 

あぁ、せっかくのじゃがいもが、

まるでサボテンの花のように、んぐっ。


で、どうしようか、ちょっとだけ考えてみる。





ジャガイモの芽をしっかり取り除き、

蒸してサツマイモの干し芋のように天日干しにしてみたらどう?





夕ご飯のひっつみ団子入りの汁椀に入れてみた、

2日間しっかり乾燥させたジャガイモを。





ジャガイモの食感とバッティングしそうだったので

小麦粉で練ったひっつみ団子には軽く茹でたもち麦を合わせ捏ねました。

これ最高に美味しい食感でした。

お団子を戴くたびに、ぷちっ、ぷちって。





これはいい!

ジャガイモは思った通りの食感、ねっちり?

これからは芽が出そうになったらこの手。

乾燥して冷凍保存もありかも。





何でもない日常のなかに

とても小さな力をプラスすることで

大きな戦力になることってあります。


小さな手間かもしれません。

ひと手間って24時間のうちの何分の一くらいのことでしょうか。

私達が忘れてしまったもの。

「ひと手間」もそのひとつかもしれません。


少し取り戻したいような気もしますね。



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bento

2012-11-07 23:57:17 | 
お弁当の蓋をとる瞬間

周りに人がいると

ちょっとだけ気恥ずかしい。


私は母が作ってくれるサンドイッチが大好きで、

これが入っているとご機嫌だった。


唯一恥ずかしかったのはハンバーグ。

玉ねぎのみじん切りが大きめでなんだかボコボコしてブサイクだった。


お友達から「それなあに?」って

ハンバーグとは言えず

「おばあさまの代から伝えれた特別な玉ねぎボール」


でも母の作ってくれる玉ねぎボールがすごく美味しかったのは、

今から思えば粗みじんの飛び出した玉ねぎが少し焦ンガリとしているから。


お弁当は蓋をとるまで中に何がはいっているのかわからないほうがいい。

お弁当のある日の午前中の授業は

おかずしか頭に浮かばなかった。

お昼前になるとお腹がグーってなるので

音を調整する為に腹筋を使って必死になるから結構忙しい。





先日、夕食をお弁当スタイルにしてみました。

二段重ですが、小さいサイズです。

漆が塗ってある為、優秀な水分調整のおかげで

ご飯がすごく美味しいんです。


がんも、こんにゃく、シイタケの煮もの。

ピーマンの肉詰め・・・





作り手は

食べてくれる人が美味しいと言ってくれることが最高の楽しみ。





今、海外で日本の職人さんが作ったお弁当箱の愛用者が増えてきたそうです。

木肌に漆を塗ったお弁当箱。

bento・・・そんな文字が外国人に受けています。


プラスティックのお弁当箱よりも

木肌のお弁当箱の方が水分調整をしてくれるので

蓋をあける頃にはおかずと白飯の水分が循環して

とても美味しい風味が広がっているのです。


私もいつか上質なお弁当箱が欲しいなあと思っています。





お愉しみをいっぱい詰めて、

蓋をしましょ。



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