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いいな、と思ったものが日本製だった時って、なんだかうれしいものです。
半年近く、ペロペロしていた二枚爪がようやく完治しました。うれしいです。
つらつらと書いていたら、かなり長くなってしまいましたので、「二枚爪って何?」という方は、読み飛ばしてください。
もし、最近二枚爪と向き合うようになり、爪やすりの使い方が、どうもしっくりこないという方。必ずしも正解ではありませんが、ここ半年間くらい爪やすりと付き合って試してみた、アイデアとかを書いています。
何か一つでも、新しい発見があるようでしたら幸いです。
吉田ヤスリさんについては、すでに2つ記事がありますので、よろしかったら参考にしてみてください
YOSHIDA YASURI1200ショート とミニマムなケース
YOSHIDA YASURIの爪ヤスリ
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PVC製ながらも、シュリンクされたシンプルなケースに収まった爪やすりです。こちらは、柄沢(からさわ)やすりさんの、シャイニーという爪やすりです。
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赤色には、赤のステッチを使ったりと、しっかりしたケースです。栃木レザーを使用したものもありますが、お値段もあがります。PVC製でもこれだけの出来ですから、きっと良い出来だとおもいます。
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最大の特徴は、ヤスリ面が湾曲しています。こちらは出っぱっている方です。
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そして、いちらは凹んでいるほうです。
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こんな風に、凹んでいるところに爪先を当てながら、ヤスリを押していくと、ヌルンと削れます。
凹みがガイドになるので、爪やすりに慣れていない方でも、手早く爪を整えられます。
ステンレス製の爪やすりで、エッチングでない、目を立てているものは、削れる方向が一方向に限られます。例外的に、以前紹介したYOSHIDA YASURI1200のような製品も出てきましたが、基本は、押すか、引くかのどちらかでしか、削れません。シャイニーは押して削るタイプです。
なお、引いて削る国産の爪やすりは、他にもあるかもしれませんが「maruto ネイルファイル III」があります。切削りょくは仕上げ向きです。
森のなかまも、最初はこれが面倒だと感じました。が、半年近くつかってみて、これは、むしろ他の爪やすりにない美点と思うようになりました。
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細かい目ですが、切削力はかなり高いと思います。使い方次第だと思います。目を立ててから、カーブ(湾曲)させているらしいのですが、目が潰れていません。加工技術としては確立しているらしいのですが、製品で出されているところは殆どないかと思います。
爪を短くするのに、なんで爪切りを使わないのか?
どんなにスッと切れる爪切りでも、切断する時に爪を潰します。爪が平らな板であれば、いざ知らず。大抵は、緩やかなアーチを描いていたり、台形のようになっていたりします。
これを上下から、刃をで挟んでパチンと切断する時に、爪を変形させながら切断することになります。
ヤングや健常者であれば、問題ないかと思いますが、森のなかまは、爪の層が剥がれて、二枚爪になることが多々あります。
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こっちは、出っぱっている方の拡大。「凹んでいる方に爪を当てるんだから、こっちは目を立てないで、その分お安くできないもんかね」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、この出っぱった面で、削ると良い場合もあるんですよぉ。
二枚爪を放っておくと、どんどん捲れてしまうので、捲れを取って、瞬間接着剤や、トップコートで補強してあげますが、基本伸びてくるのを待つしかありません。
こういったトラブルを避けるには、爪やすりを「一方向にかけて」削るのがよろしいとされています。ギーコ、ギーコと往復させると、これまた、二枚爪になるような負担をかけてしまうからです。
二枚爪の対策に爪やすりを使う方が、両方向に削れるヤスリを使う場合、押すなり、引くなりして削った後、次のストロークに移る時、一旦ヤスリを爪から離す必要があります(ギーコ、ギーコしないため)。
ストロークの折り返しで、一旦爪からヤスリを離して、元のポジションに戻すのは、思ったより面倒です。このため、一回のストロークで削れる量が多い、全長が長い爪やすりが用意されていたりするのかと思います。
ここからが、森のなかまの主張ですが。。。
一方向にしか削れない爪やすりは、爪に当てたままヤスリのポジションを戻せるので、ギーコ、ギーコやっても、爪への負担を与えない
のであります。ギーコ、ギーコができるので、ヤスリを当てる角度を維持するのが容易で、短い小回りが効くヤスリでも、早く削れ、何よりも、意図せず両方向で削ってしまう事故を防げます。
なので、二枚爪の人こそ、一方向にしか削れない、ステンレス爪やすりを使うのがよろしいのではないかと、こんな風に考えるようになりましたが、メーカさんが、この辺りを謳っていないのが不思議に思います。
ただ、一方向にしか削れない爪やすりにも「なんだかなぁ」と思うところはあります。それが、爪のサイドを削る時です。ただ、使い方を変える事で、ある程度解決できるようです。
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普通は、こんな風に、取っ手を握って、押す事でヌルッと削ることができますが、左側を削るときはどうでしょう。面倒そうですよね。
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取っ手を持つのをやめて、ヤスリの先端を摘んで、引っ張ることでスムーズに削れます。なんでしたら、ヤスリの先端を摘んだまま、ヤスリを爪の両サイドに移動させれば、大きな動きをしないで、チャカチャカと削れてしまいます。
敢えて難点を言えば、ヤスリの先端を摘んでいるので、柄の部分が重く感じることでしょうか。
「柄があるんだから、柄を握った方が、力を入れ易いよ」ということもあるでしょう。。。
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例えば、こんな風に握ります。柄を人差し指、中指で挟み、柄のお尻に親指をかけておきます。
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柄を挟んだところを支点にして、親指をクィーッと動かし、トランスフォーメーション。。
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持ち替えなどを行わずとも、ヤスリの方向を切り替えられます。
この方法が快適な場所もあれば、やっぱり狙ったところに当てにくいこともあありますので、適宜使い分けが必要にはなってくるかと思います。
ヤスリの方向切替がでたので、ここで脱線を。。。
「ヤスリをかけると、ガタガタ、ギギギギと振動して、それが耐えられません」という方がいらっしゃいます。森のなかまも、そう感じる時があります。あれは、実にイヤです。多分、ヤスリの目が、爪にかかる、跳ねるを繰り返すんだと思います。
最初は、当てる角度によって(爪に対して45度など)、摩擦が増えて、限界に達すると跳ねるとおもったのですが、そうでもないような気がすることがありました。そんな時、ヤスリをかける方向を逆にしてみると、スッと削れることがありました。
爪を構成する組織については、よくわからないのですが、爪も成長するからには、何かしらの目のようなものがあって、逆目にヤスリを当てれば、弾かれるのではないのかなと、考えています。爪の硬さや、ヤスリの目の深さによって、完全に解消できるわけではありませんが、嫌な振動が改善することもありますので、気になる方はお試しください。
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カーブが売りのシャイニーですが、一般的な爪やすりのように、エッジを使った削り方もできます。大抵は凹んだ方の面で行うかと思いますが、出っぱった方で行うと、爪と接触する面積を小さくすることができるようです。微妙に尖った部分を削る時などに、覚えておくと重宝します。
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極端な例ですが、爪を短くする際、爪の生え際に、浅い角度でヤスリを差し込んで削ると、サイドの曲がった部分(矢印部分)にヤスリが優先的に当たり、抉るようなかたちで削れてしまいます。
気づかないで、ガリガリ削ってしまうと、衣服にひっかるは、修復は効かないはで、結構ブルーになります。そんな時。。
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指の腹を、軽くヤスリに押しあてて、それをガイドにすると、深爪にもならず、先端を適度に削ることができます(つい最近気づきました)。
これが、荒いグリッドのヤスリだと、皮膚まで削ってしまい、あまりやりたくありませんが、目が細かシャイニーでは、臆せずできてしまいます。肌が弱い方には問題があるかもしれませんので、この辺りは試しながらやってみてください。
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目の細かさでいうと、同じ柄沢ヤスリさんの、ちっちゃな初爪は、シャイニーより細かいです。もともと「体が不自由な韓屋さんでも使えるヤスリが欲しい」というリハビリ編場からの声で作られた「初爪 HATSUME」のちっちゃい版です。
目が細かいので仕上りが綺麗ですが、どちらかというと、振動が嫌で使うのをやめてしまわないようにという配慮から目を細かくなっているのではないかと思います。目が細かいので工数も増え、工作難易度も上がることから、お値段もあがります。が、オンラインショップのレビューをみると、その価値は十分あると思います。
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ShinyのS、柄沢ヤスリのKに、ヤスリのカーブを表した、スワンのデザインは、新潟県燕市にあるSKIP DESIGNさんによるものです。
柄沢ヤスリさんと吉田ヤスリさんは、地図上でも500mも離れていないのですが、県を跨いで、ものづくりのネットワークを拡げる、吉田ヤスリさんとは対照的です。
また、一口に「ステンレス爪やすり」といって両社の製品をひとまとめにするには、製品に対する考え方から違うものを感じます。
人によって、どちらが好みかということはあるかもしれませんが、「どっちが正解」なんていうことはないのかと思います。少なくとも、森のなかまは、どちらの製品も好きで、時々によって使い分けてみては、「いいなぁ」と思ったりします。
そして、そこに「Japan」の刻印を見つけると、日本製だから良いのではなく、良いと思ったものが日本で生産されたんだなぁと思うと、なんだかうれしく感じるのでありました。
是非とも、エクセレントシリーズを手にしてみたいと思わせる、そんな会社の製品でした。
それでは!
半年近く、ペロペロしていた二枚爪がようやく完治しました。うれしいです。
つらつらと書いていたら、かなり長くなってしまいましたので、「二枚爪って何?」という方は、読み飛ばしてください。
もし、最近二枚爪と向き合うようになり、爪やすりの使い方が、どうもしっくりこないという方。必ずしも正解ではありませんが、ここ半年間くらい爪やすりと付き合って試してみた、アイデアとかを書いています。
何か一つでも、新しい発見があるようでしたら幸いです。
吉田ヤスリさんについては、すでに2つ記事がありますので、よろしかったら参考にしてみてください
YOSHIDA YASURI1200ショート とミニマムなケース
YOSHIDA YASURIの爪ヤスリ
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PVC製ながらも、シュリンクされたシンプルなケースに収まった爪やすりです。こちらは、柄沢(からさわ)やすりさんの、シャイニーという爪やすりです。
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赤色には、赤のステッチを使ったりと、しっかりしたケースです。栃木レザーを使用したものもありますが、お値段もあがります。PVC製でもこれだけの出来ですから、きっと良い出来だとおもいます。
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最大の特徴は、ヤスリ面が湾曲しています。こちらは出っぱっている方です。
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そして、いちらは凹んでいるほうです。
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こんな風に、凹んでいるところに爪先を当てながら、ヤスリを押していくと、ヌルンと削れます。
凹みがガイドになるので、爪やすりに慣れていない方でも、手早く爪を整えられます。
ステンレス製の爪やすりで、エッチングでない、目を立てているものは、削れる方向が一方向に限られます。例外的に、以前紹介したYOSHIDA YASURI1200のような製品も出てきましたが、基本は、押すか、引くかのどちらかでしか、削れません。シャイニーは押して削るタイプです。
なお、引いて削る国産の爪やすりは、他にもあるかもしれませんが「maruto ネイルファイル III」があります。切削りょくは仕上げ向きです。
森のなかまも、最初はこれが面倒だと感じました。が、半年近くつかってみて、これは、むしろ他の爪やすりにない美点と思うようになりました。
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細かい目ですが、切削力はかなり高いと思います。使い方次第だと思います。目を立ててから、カーブ(湾曲)させているらしいのですが、目が潰れていません。加工技術としては確立しているらしいのですが、製品で出されているところは殆どないかと思います。
爪を短くするのに、なんで爪切りを使わないのか?
どんなにスッと切れる爪切りでも、切断する時に爪を潰します。爪が平らな板であれば、いざ知らず。大抵は、緩やかなアーチを描いていたり、台形のようになっていたりします。
これを上下から、刃をで挟んでパチンと切断する時に、爪を変形させながら切断することになります。
ヤングや健常者であれば、問題ないかと思いますが、森のなかまは、爪の層が剥がれて、二枚爪になることが多々あります。
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こっちは、出っぱっている方の拡大。「凹んでいる方に爪を当てるんだから、こっちは目を立てないで、その分お安くできないもんかね」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、この出っぱった面で、削ると良い場合もあるんですよぉ。
二枚爪を放っておくと、どんどん捲れてしまうので、捲れを取って、瞬間接着剤や、トップコートで補強してあげますが、基本伸びてくるのを待つしかありません。
こういったトラブルを避けるには、爪やすりを「一方向にかけて」削るのがよろしいとされています。ギーコ、ギーコと往復させると、これまた、二枚爪になるような負担をかけてしまうからです。
二枚爪の対策に爪やすりを使う方が、両方向に削れるヤスリを使う場合、押すなり、引くなりして削った後、次のストロークに移る時、一旦ヤスリを爪から離す必要があります(ギーコ、ギーコしないため)。
ストロークの折り返しで、一旦爪からヤスリを離して、元のポジションに戻すのは、思ったより面倒です。このため、一回のストロークで削れる量が多い、全長が長い爪やすりが用意されていたりするのかと思います。
ここからが、森のなかまの主張ですが。。。
一方向にしか削れない爪やすりは、爪に当てたままヤスリのポジションを戻せるので、ギーコ、ギーコやっても、爪への負担を与えない
のであります。ギーコ、ギーコができるので、ヤスリを当てる角度を維持するのが容易で、短い小回りが効くヤスリでも、早く削れ、何よりも、意図せず両方向で削ってしまう事故を防げます。
なので、二枚爪の人こそ、一方向にしか削れない、ステンレス爪やすりを使うのがよろしいのではないかと、こんな風に考えるようになりましたが、メーカさんが、この辺りを謳っていないのが不思議に思います。
ただ、一方向にしか削れない爪やすりにも「なんだかなぁ」と思うところはあります。それが、爪のサイドを削る時です。ただ、使い方を変える事で、ある程度解決できるようです。
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普通は、こんな風に、取っ手を握って、押す事でヌルッと削ることができますが、左側を削るときはどうでしょう。面倒そうですよね。
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取っ手を持つのをやめて、ヤスリの先端を摘んで、引っ張ることでスムーズに削れます。なんでしたら、ヤスリの先端を摘んだまま、ヤスリを爪の両サイドに移動させれば、大きな動きをしないで、チャカチャカと削れてしまいます。
敢えて難点を言えば、ヤスリの先端を摘んでいるので、柄の部分が重く感じることでしょうか。
「柄があるんだから、柄を握った方が、力を入れ易いよ」ということもあるでしょう。。。
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例えば、こんな風に握ります。柄を人差し指、中指で挟み、柄のお尻に親指をかけておきます。
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柄を挟んだところを支点にして、親指をクィーッと動かし、トランスフォーメーション。。
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持ち替えなどを行わずとも、ヤスリの方向を切り替えられます。
この方法が快適な場所もあれば、やっぱり狙ったところに当てにくいこともあありますので、適宜使い分けが必要にはなってくるかと思います。
ヤスリの方向切替がでたので、ここで脱線を。。。
「ヤスリをかけると、ガタガタ、ギギギギと振動して、それが耐えられません」という方がいらっしゃいます。森のなかまも、そう感じる時があります。あれは、実にイヤです。多分、ヤスリの目が、爪にかかる、跳ねるを繰り返すんだと思います。
最初は、当てる角度によって(爪に対して45度など)、摩擦が増えて、限界に達すると跳ねるとおもったのですが、そうでもないような気がすることがありました。そんな時、ヤスリをかける方向を逆にしてみると、スッと削れることがありました。
爪を構成する組織については、よくわからないのですが、爪も成長するからには、何かしらの目のようなものがあって、逆目にヤスリを当てれば、弾かれるのではないのかなと、考えています。爪の硬さや、ヤスリの目の深さによって、完全に解消できるわけではありませんが、嫌な振動が改善することもありますので、気になる方はお試しください。
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カーブが売りのシャイニーですが、一般的な爪やすりのように、エッジを使った削り方もできます。大抵は凹んだ方の面で行うかと思いますが、出っぱった方で行うと、爪と接触する面積を小さくすることができるようです。微妙に尖った部分を削る時などに、覚えておくと重宝します。
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極端な例ですが、爪を短くする際、爪の生え際に、浅い角度でヤスリを差し込んで削ると、サイドの曲がった部分(矢印部分)にヤスリが優先的に当たり、抉るようなかたちで削れてしまいます。
気づかないで、ガリガリ削ってしまうと、衣服にひっかるは、修復は効かないはで、結構ブルーになります。そんな時。。
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指の腹を、軽くヤスリに押しあてて、それをガイドにすると、深爪にもならず、先端を適度に削ることができます(つい最近気づきました)。
これが、荒いグリッドのヤスリだと、皮膚まで削ってしまい、あまりやりたくありませんが、目が細かシャイニーでは、臆せずできてしまいます。肌が弱い方には問題があるかもしれませんので、この辺りは試しながらやってみてください。
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目の細かさでいうと、同じ柄沢ヤスリさんの、ちっちゃな初爪は、シャイニーより細かいです。もともと「体が不自由な韓屋さんでも使えるヤスリが欲しい」というリハビリ編場からの声で作られた「初爪 HATSUME」のちっちゃい版です。
目が細かいので仕上りが綺麗ですが、どちらかというと、振動が嫌で使うのをやめてしまわないようにという配慮から目を細かくなっているのではないかと思います。目が細かいので工数も増え、工作難易度も上がることから、お値段もあがります。が、オンラインショップのレビューをみると、その価値は十分あると思います。
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ShinyのS、柄沢ヤスリのKに、ヤスリのカーブを表した、スワンのデザインは、新潟県燕市にあるSKIP DESIGNさんによるものです。
柄沢ヤスリさんと吉田ヤスリさんは、地図上でも500mも離れていないのですが、県を跨いで、ものづくりのネットワークを拡げる、吉田ヤスリさんとは対照的です。
また、一口に「ステンレス爪やすり」といって両社の製品をひとまとめにするには、製品に対する考え方から違うものを感じます。
人によって、どちらが好みかということはあるかもしれませんが、「どっちが正解」なんていうことはないのかと思います。少なくとも、森のなかまは、どちらの製品も好きで、時々によって使い分けてみては、「いいなぁ」と思ったりします。
そして、そこに「Japan」の刻印を見つけると、日本製だから良いのではなく、良いと思ったものが日本で生産されたんだなぁと思うと、なんだかうれしく感じるのでありました。
是非とも、エクセレントシリーズを手にしてみたいと思わせる、そんな会社の製品でした。
それでは!
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