B型肝炎って何?流行するの?
という反応が一般的かと。
確かにピンと来ないかもしれません。
が、重要な疾患であり、皆さんも知るほどにワクチンが必要と感じるようになる思われます。
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)による感染症です。
血液や体液を介するので、飛沫感染・空気感染ほど感染力は強くありません。
古くは輸血による感染症、母子感染などが問題になり、それぞれに対応がなされてきました。
さらに医療事故として、予防接種の際に針や注射筒を変えなかった時代に感染が拡大した経緯があります。
まあ、特殊な状況ですよね。
しかし近年、体液(湿疹の滲出液)による集団感染が知られるようになり、問題視されるようになりました。
B型肝炎の最大の問題点は、一過性の感染症で終わらないところです。
免疫力が未熟なためウイルスを排除できない小児では、ずっと体の中に抱えるという病態があります(B型肝炎ウイルスキャリア)。
キャリアになると、真綿で首を絞めるようにウイルスはジワジワと肝臓を攻撃し、何十年もかけて肝硬変~肝癌へと進行していくのです。
また、従来は一過性の肝炎と考えられた例にも問題が起こることがわかってきました。
肝炎が治癒した後にも、ウイルスは肝臓の一部に潜んでいることが判明したのです。
高齢となり癌を患い、抗がん薬で治療して免疫力が抑制された状態になると、潜んでいたB型肝炎ウイルスが再活性化して劇症肝炎を起こし命に関わることがあると判明しました(de novo 肝炎)。
癌の治療は成功しても、B型劇症肝炎で命を落とす危険があるということ。
以上を知った医療関係者はワクチンの定期化をずっと待ち続けていました。
■ B型肝炎ワクチンが10月から定期接種化
(2016/2/5 加納亜子=日経メディカル)
厚生労働省は2月5日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本方針部会を開催し、B型肝炎ワクチンを今年10月から定期接種化する方針を決めた。今後、この方針が予防接種・ワクチン分科会で了承されれば、定期接種化が正式に決定する。
定期接種化で用いられるワクチンは、化学及血清療法研究所(化血研)の「ビームゲン」とMSDの「ヘプタバックス」の2つ。接種対象は、今年4月以降に生まれる生後1歳までの小児。原則、生後2、3、7~8カ月の3回接種を基本とし、組み換え沈降B型肝炎ワクチンを27日以上の間隔で2回、さらに初回接種から140日以上経過した後に1回、皮下に接種する。
すでにワクチンを任意で接種し始めている場合には、必要な接種回数とされる3回の接種を終えていなければ、残りの回数が対象となる(任意で1回接種していれば残りの2回が制度の対象となるなど)。
また、妊婦がB型肝炎ウイルスに感染している場合など、母子感染が疑われる小児には母子感染防止事業としてすでに生後5日以内(12時間以内が望ましい)に抗HBs人免疫グロブリンを投与することが定められている。そのため、B型肝炎ウイルス母子感染予防の対象者は、定期の予防接種の対象外となる。
厚労省は昨年1月、すでに予防接種・ワクチン分科会で定期接種化の方針を決めていたが、財源の確保やワクチンの供給・実施体制の整備を進めるため、定期接種化の時期は示していなかった。
加えて昨年、化血研が承認申請時と異なる方法でワクチン製剤を製造していたことが明らかになり、厚生労働省は同社に出荷自粛を求め、安定供給に懸念が示されていたことも、定期接種化の判断が遅れる要因になっていた。
しかし、今年1月29日に厚労省は、化血研が製造するB型肝炎とA型肝炎のワクチンについて「品質と安全性に重大な影響を及ぼす可能性は低い」と評価し、同日付で出荷の自粛要請を解除した。
B型肝炎ワクチンに関するこれら厚労省の評価について、同部会長の岡部信彦氏(川崎市健康安全研究所長)は「B型肝炎ワクチンについては科学的な根拠に基づき安全上の問題はなく、安心して従来通りの接種を続けるべきという結論に至った。それを十分に信頼していただきたい」と説明している。
医原病としての集団予防接種によるB型肝炎感染は認定されると給付金が出ます。
私も就職時にB型肝炎の抗体がすでに陽性になっていて驚きました。家族に感染者はいないので予防接種による感染の可能性があります。
しかし、救済対象者は「肝炎発症者、肝硬変/肝がんとウイルスキャリア」に限定され、一過性感染で済んだ人は対象とならないようです。
デノボ(de novo)肝炎の発症が明らかになっており、健康被害が出ることが予想される今日、無視されることは腑に落ちません。
という反応が一般的かと。
確かにピンと来ないかもしれません。
が、重要な疾患であり、皆さんも知るほどにワクチンが必要と感じるようになる思われます。
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)による感染症です。
血液や体液を介するので、飛沫感染・空気感染ほど感染力は強くありません。
古くは輸血による感染症、母子感染などが問題になり、それぞれに対応がなされてきました。
さらに医療事故として、予防接種の際に針や注射筒を変えなかった時代に感染が拡大した経緯があります。
まあ、特殊な状況ですよね。
しかし近年、体液(湿疹の滲出液)による集団感染が知られるようになり、問題視されるようになりました。
B型肝炎の最大の問題点は、一過性の感染症で終わらないところです。
免疫力が未熟なためウイルスを排除できない小児では、ずっと体の中に抱えるという病態があります(B型肝炎ウイルスキャリア)。
キャリアになると、真綿で首を絞めるようにウイルスはジワジワと肝臓を攻撃し、何十年もかけて肝硬変~肝癌へと進行していくのです。
また、従来は一過性の肝炎と考えられた例にも問題が起こることがわかってきました。
肝炎が治癒した後にも、ウイルスは肝臓の一部に潜んでいることが判明したのです。
高齢となり癌を患い、抗がん薬で治療して免疫力が抑制された状態になると、潜んでいたB型肝炎ウイルスが再活性化して劇症肝炎を起こし命に関わることがあると判明しました(de novo 肝炎)。
癌の治療は成功しても、B型劇症肝炎で命を落とす危険があるということ。
以上を知った医療関係者はワクチンの定期化をずっと待ち続けていました。
■ B型肝炎ワクチンが10月から定期接種化
(2016/2/5 加納亜子=日経メディカル)
厚生労働省は2月5日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本方針部会を開催し、B型肝炎ワクチンを今年10月から定期接種化する方針を決めた。今後、この方針が予防接種・ワクチン分科会で了承されれば、定期接種化が正式に決定する。
定期接種化で用いられるワクチンは、化学及血清療法研究所(化血研)の「ビームゲン」とMSDの「ヘプタバックス」の2つ。接種対象は、今年4月以降に生まれる生後1歳までの小児。原則、生後2、3、7~8カ月の3回接種を基本とし、組み換え沈降B型肝炎ワクチンを27日以上の間隔で2回、さらに初回接種から140日以上経過した後に1回、皮下に接種する。
すでにワクチンを任意で接種し始めている場合には、必要な接種回数とされる3回の接種を終えていなければ、残りの回数が対象となる(任意で1回接種していれば残りの2回が制度の対象となるなど)。
また、妊婦がB型肝炎ウイルスに感染している場合など、母子感染が疑われる小児には母子感染防止事業としてすでに生後5日以内(12時間以内が望ましい)に抗HBs人免疫グロブリンを投与することが定められている。そのため、B型肝炎ウイルス母子感染予防の対象者は、定期の予防接種の対象外となる。
厚労省は昨年1月、すでに予防接種・ワクチン分科会で定期接種化の方針を決めていたが、財源の確保やワクチンの供給・実施体制の整備を進めるため、定期接種化の時期は示していなかった。
加えて昨年、化血研が承認申請時と異なる方法でワクチン製剤を製造していたことが明らかになり、厚生労働省は同社に出荷自粛を求め、安定供給に懸念が示されていたことも、定期接種化の判断が遅れる要因になっていた。
しかし、今年1月29日に厚労省は、化血研が製造するB型肝炎とA型肝炎のワクチンについて「品質と安全性に重大な影響を及ぼす可能性は低い」と評価し、同日付で出荷の自粛要請を解除した。
B型肝炎ワクチンに関するこれら厚労省の評価について、同部会長の岡部信彦氏(川崎市健康安全研究所長)は「B型肝炎ワクチンについては科学的な根拠に基づき安全上の問題はなく、安心して従来通りの接種を続けるべきという結論に至った。それを十分に信頼していただきたい」と説明している。
医原病としての集団予防接種によるB型肝炎感染は認定されると給付金が出ます。
私も就職時にB型肝炎の抗体がすでに陽性になっていて驚きました。家族に感染者はいないので予防接種による感染の可能性があります。
しかし、救済対象者は「肝炎発症者、肝硬変/肝がんとウイルスキャリア」に限定され、一過性感染で済んだ人は対象とならないようです。
デノボ(de novo)肝炎の発症が明らかになっており、健康被害が出ることが予想される今日、無視されることは腑に落ちません。