という美容外科医師のSNS投稿写真が物議を醸しています。
その昔、私が医学生だった40年ほど前、
やはり解剖実習がありました。
厳かな雰囲気の中で粛々と行われた実習で、
笑いなどはありませんでした。
その頃、こんなニュースがありました。
別の大学ですが、遺体のある解剖実習教室に、
誰もいない夜、医学生が興味本位のガールフレンドを連れてきてそれを見せた、とのこと。
当然ながら、その医学生は退学処分となりました。
医師は人の裸や生死を扱う職業です。
そのため、高度の倫理観が要求されます。
あれから40年。
いつの時代でもそのような人はいるのですね。
問題となった女性医師を擁護する美容外科グループの院長のコメントが悲しい。
まるで自分が被害者のよう。
美容外科医は医師の間では、
手術の後の合併症に責任を持たないことで有名です。
自らの手術の不具合でつらい思いをさせた患者さんを他の医師に押しつけ、
自分は街へ繰り出してシャンパンタワーを楽しんでいた、というニュースを先日耳にしました。
どうなっているのでしょう?
そういえば、近隣の美容外科系の皮膚科医院で予防接種を受けたお子さんが、
接種当日夜に高熱を出したと当院を受診されました。
「発熱したことについて接種医はなんと言っているんですか?」
と聞くと、
「熱が出たら小児科へ行って、と言われました」
との返答。
無責任・・・呆れてしまいました。
美容外科系の意志がすべてこんな感じではないと思いますが、
レベルの低い情報ばかりが入ってきます。
▢ 高須克弥院長が警告発動!献体写真公開で謝罪の院長に「いい加減にしないとアメリカで…」
(2024/12/24:日刊スポーツ)より一部抜粋(下線は私が引きました);
高須クリニックの高須克弥院長(79)が24日、X(旧ツイッター)を更新。東京美容外科の統括院長を務める麻生泰氏が同院の女性外科医・黒田あいみ氏への処遇を説明した謝罪文に対し、異議を唱えた。
麻生氏はこの日、黒田氏の処遇についてXで言及し謝罪。「動機は善で、彼女に他意はありません」などとした上で、解雇することはできないと明言していた。その経緯説明の投稿に対し、「コミュニティーノート」が発動。誤解を招く可能性がある投稿に対して、ユーザーが協力して背景情報を提供できる機能で「あたかも米国ではご遺体の写真撮影やSNSアップが問題ないかのような誤解があります」などと注意喚起がなされていた。 高須氏は麻生氏の投稿を引用した上で「警告します。コミュニティノートを読みなさい。いい加減にしないとアメリカでみな処罰されるよ」と記述。そして「間違った情報を拡散するな!」と訴えた。
高須氏は前日にも麻生氏や黒田氏に対し辛辣(しんらつ)な投稿を続けていた。「南無阿弥陀仏。 馬鹿医者め! クズ」「馬鹿医者ども(怒)」「怒」などと記述。さらに「僕の時代の医学部解剖実習での作法は、献体してくださった方に黙祷のあとお顔をしっかりと観察して記憶することでした」と書き出した上で「解剖学の中村為吉教授は『この方が君たちに人体を教えてくださる師匠だと記憶せよ』と諭されました。今になっても師匠が夢の中に出てきます」とつづった。
続けて麻生氏の「アメリカで解剖している事ですので、日本ともルールが異なります」との主張に対し「アメリカのルールは厳しいよ。医学生がSNSでこんなことやったら即退学だ」と反論していた。
▽麻生氏のX投稿全文
黒田医師への処遇について 様々な方々から、大学の先生を含め、黒田医師を解雇するように助言がございました。
確かに不適切な投稿はございましたが、黒田医師は東京美容外科の方針に従って、より患者さんに対して安全な治療を学ぶためにグアム解剖に参加されました。
昨今の美容外科では、顎下脂肪吸引など、死亡事故が頻発し、私共も解剖の必要性を痛感し、このような機会を設けました。
黒田先生は、学生時代のホルマリン固定標本とは異なる、精度の高いfresh cadaverを初めて目にした感動をなんとか伝えようと、あのような投稿になってしまいました。ピースサインをして撮っていた事は当然不適切であると考えます。
もちろん一般の方々とはかけ離れた行動で、日本では、常軌を逸しているとお思いの方が大多数であることは良くわかります。
ですが、動機は善で、彼女に他意はありません。
一般の方々からのご批判は、当然受け止め、反省は致しますが、同業医師でありながら不勉強でfresh cadaverという言葉すら知らない医師に批判されたまま、炎上でトカゲの尻尾切りのように解雇する事はできないと判断しました。
もし自分が手術を受けるなら、医師になってからも更に研鑽を詰み、解剖を熟知した医師に施術して貰いたいと考えます。
現に私は自分のフェイスリフトは私が何度か開催した解剖セミナーで講師をしてくださった解剖を熟知したドクターにお任せしました。 このような不祥事で我々が患者様から選ばれる事は、もうないかもしれませんが、解剖セミナーを実施した事やこれから勉強しようとしている先生達を守る事がより良い未来に繋がると考えています。
この騒動で我々のクリニックを去る専門医の先生もいらっしゃいますし、それは考え方の違いであるし、仕方の無い事だと理解しています。
あの投稿のせいで献体を躊躇ったりやめる人がいるとのご指摘ですが、お金儲けの美容医療のために献体はしたくないという人達が大多数であるという事もわかります。
今回の事で、国内の施設で我々が、解剖する事は今後絶望的となってしまいましたし、他の美容医療に携わる方にも大変迷惑をかけてしまいました。
医学会全体を巻き込む事態にもなってしまいました。
ですが、死者への尊厳ももちろん大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか? それが解剖セミナーの趣旨ですし、どんな言い訳や神妙な態度をとったところでご遺体を損壊する事実に変わりありません。
故人に感謝しながらも、その知見を今後の患者さんに活かしたいと思います。
海外のfresh cadaverのセミナーでは割とフランクに記念撮影もしますし、セミナーの様子もネット上に出てきます。
日本と海外のルールの違いはあるかと思いますが、日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います。
今回は私の指導力不足と管理監督不足で世間をお騒がせして大変申し訳ありませんでした。
ちなみに、日本の美容医学会の重鎮(?)である高須医師は、
「包茎は病気!」とウソをついて金儲けをした罪深い人です。
病気なのはほんの一部の真性包茎(包皮口が狭くて亀頭が露出できない)で、
包皮反転して亀頭が露出できる「仮性包茎」は日本人の8割を占め、
“ふつう”ですから心配ありません。
ミケランジェロの彫刻“ダビデ像“も包茎ですよ。
・・・話が脱線しました。
さて、上記麻生氏のX投稿について別の医師がコメントした記事も紹介します。
▢ 46歳医師兼小説家「被害者のように本気で思っている、恐ろしい」献体公開で謝罪の院長をバッサリ
(2024/12/24:日刊スポーツ)より一部抜粋(下線は私が引きました);
小説家で医師の知念実希人氏(46)が24日、自身のX(旧ツイッター)を更新。東京美容外科の統括院長を務める麻生泰氏が同院の女性外科医・黒田あいみ氏への処遇を説明した謝罪文に対し、疑問を呈した。
黒田氏はグアムでの解剖研修の写真を公開し「いざ Fresh cadaver(新鮮なご遺体)解剖しに行きます!」「頭部がたくさんあるよ」などとSNSに投稿。献体された死体の一部にはモザイクがかかっていなかった。ネット上の騒動を受け、女性外科医は当該投稿を23日までに削除し、自身のブログに謝罪文を掲載した。
麻生氏はこの日、黒田氏の処遇についてXで言及。「動機は善で、彼女に他意はありません」とした上で、解雇することはできないと明言していた。
知念氏は「未だに何が問題だったのかを全く理解できていないで、あたかも自分たちが理不尽な批判を受けている被害者のように本気で思っていることが本当に恐ろしい……」と書き出し、麻生氏の謝罪文についてそれぞれ自身の見解を示した。
麻生氏が記した「死者への尊厳も大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか?」に対し「死者への尊厳と、生きている方への命や安全はトレードオフするものではありません。患者さんに還元するから、亡くなった方への尊厳を毀損していいわけがありません」と指摘した。
「海外のセミナーでは割とフランクに記念写真もしますし、セミナーの様子もネット上に出ています」の一文には「あげている記念写真は解剖室で撮っているというだけで、遺体がある状態で撮ったものではありません。また、他の写真は真剣に参加者が解剖している様子をオフィシャルに撮影したものです。ご遺体を個人のSNSに上げ、インスタ映えの道具に使ったり、ご遺体を前にピースサインをして集合写真を撮るなどの、言語道断の行為とは根本的に異なります」とつづった。
さらに「日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います」には「どう考えても、医療倫理に反するあまりにも非常識な行動をとった貴方がたです。なぜ、自分たちが非難されているか分からないなら、医療をする資格がありません」と締めくくった。
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