かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

新刊感想(ネタばれ注意!)

2005-07-08 23:55:07 | マリア様がみてる
今日は夏コミに関してかなりうれしい話が舞い込んで参りました。
いずれ公表したいと思いますが、おかげで今年の夏は例年以上に楽しいことになりそうです。

さて、新刊発売から1週間を経過いたしましたので、そろそろネタばれこみの「マリみて」新刊「薔薇のミルフィーユ」の感想を行きたいと思います。
まだ読んでおられない方でネタばれは困るという方は、この先お読みにならないよう、ご注意願います。


さて、今回は黄、白、紅の順で3編の短編を集めた内容になりました。
さすがにこれでは「妹オーディション」の続きとは行かないだろうことは予測しておりましたが、
ひょっとしてこの構成は「レイニーブルー」の再来? と思ったりもしながら、もしあの時のような次作を待て! 的な引きだったらどうしようとドキドキしながら読みました。「レイニー」の時は、私は比較的新しい信者だったせいもあって、すでに「パラソルをさして」が発売されており、うまい具合に2冊とも同時に購入していましたので、続きが気になって日夜身悶えるという苦行をやらずに済んだのですが、今回とうとうその荒行に耐えねばならぬのか、と身構えていたのです。
結果的に、ほぼ完全に前作の続きといった視点は無く、「レイニー」止めの恐怖は覚えずに済みましたが、祐巳の妹問題は結局次まで待たねばならないと言う点では何ら変わらないのです。そう言うわけで、今回は純粋に幕間の寸劇を楽しむ、という姿勢で読みました。
 まず1編目「黄薔薇パニック」。菜々との逢い引きで頭が一杯だった由乃が令の見合い話を聞き逃し、当日になって気が付いて、奈々と共に令を追いかけるというお話。妹オーディションで鮮烈なデビューを飾った有馬菜々の性格が明らかにされるという好編でした。というか、この子、そのまんま鳥井江利子様ではないですか。如才ない社交性と機転のきく立ち居振る舞い。そしてなにより、面白いことに目がない旺盛な冒険心。家族構成も兄ではないですが、3人の姉持ち。由乃を面白がる所といい、きっと、1年生の時の江利子様もこんな女の子だったのでは? とついつい想像しながら読んでしまいました。いつも先頭切って突っ走る由乃さんが、今回ばかりは終始菜々に主導権を取られっぱなしと言うのも、新鮮でよかったです。ところで令ちゃん好きの少年は今後話に絡んでくるのでしょうか?
2編目、「白薔薇の物思い」。妹問題で大変な由乃や祐巳にくらべ、安泰すぎて平和ぼけになっているのではないか、と物思いに沈む志摩子を巡り、右往左往する乃梨子達の物語。聖様と乃梨子の初対面や、初登場志摩子の兄、その兄によって明らかにされる志摩子の変化など、それなりに見所のあるお話でしたが、他2編と比べると少しとってつけたような感がなきにしもあらず? ラストの志摩子さんの壊れっぷりがなかなか興味深いところで、々表現されるのか、是非アニメで見てみたいと思いました。
3編目「紅薔薇のため息」。突然祐巳との遊園地行きを決めた祥子、喜びつつもちょっとブルーな祐巳、遊園地でつかず離れず二人のデートにつきまとう柏木優とその子分祐麒。遊園地で貧血を起こした祥子を巡り、柏木と祐巳がサシで対決! 柏木の隠された真意の一端が、今明かされる!
なお話。そう来ましたか、という感じで読みふけりました。ちょっと無印「マリみて」の内容からすると柏木の様子が「?」な感じもありましたが、まあまあ私にとっては許容範囲かな?というレベルでした。それより気になるのが、柏木が暗示した祐巳にとってのラスボス。多分祥子のおじいさまではないか、と思うのですが、未だ一回も姿を見せない相手では、本当に推測の域を出ません。今後の展開やいかに? と言うところです。

さて、今回3編ともいつもの「マリみて」とは随分毛色が違うように感じました。その原因を考えていたのですが、一番はやはり舞台の大半が「リリアン女学園」の外で展開されたことにあるのではないかと思います。もう一つは、新キャラが話の根幹に関わっていたり、柏木などもう明らかに添え物から重要人物に昇格していたり、と、今までの「マリみて」世界認識を新たにするような展開が多々見られたと言う点も大きいでしょう。新キャラは今後の展開を広げるにはもっとも都合のよい存在ですが、今後も黄薔薇姉妹に密接に関わるに違いない菜々はともかく、志摩子のお兄さんははたして今後もお話に絡んでくるかどうか、ちょっと疑問です。白薔薇のお話が今ひとつに感じられたのは、このお兄さんの魅力がいまいち良く判らない所にあるのでしょう。引き替え紅薔薇編は祥子様のはじけぶりも驚きなら、柏木の豹変もなかなかたまげるものがありました。どこかの感想で、実は祥子様は不治の病を患っているのではないか? という穿った見方がありましたが、ひょっとしたらひょっとするかも? と思わせるほどの明るさが、今後気になるところです。
 と言うわけで、祐巳の妹問題は次巻以降に棚上げ。ですが個人的には充分楽しめる一冊でした。
コメント
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