かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

光をほぼ完全に吸収してしまう無反射シートが開発されたそうですが、何に使うのがいいでしょう。

2019-05-18 22:26:06 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温18.4℃、最高気温は24.2℃、五條市の今朝の最低気温は14.1℃、最高気温は22.7℃でした。今日は朝から曇り空で、ごくたまに弱い日光が届いたほかは、ほぼ日差しが閉ざされた一日でした。そんな空模様ではありましたが、午前中を中心に結構強い風が吹いていたこともあり、洗濯物はそこそこ乾きました。でもできればお日様が欲しかった。あまり日射に当てると色褪せたり生地が傷んだりもするでしょうが、しっかり日に当てて乾かした洗濯物の匂いや風合いはやはり格別のものがあります。
 
 さて、国立研究開発法人産業技術総合研究所と量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所の研究チームが、この程光をほぼ完全に吸収する暗黒シートの開発に成功したとのことです。通常の塗装で得られる吸収率は97%程度が限界で、以前産総研ではカーボンナノチューブを活用し、99.9%の光を吸収するものを開発していましたが、耐久性などの課題があり、実用化は難しいとされていました。チームは、光の吸収を高めるために、イオンビームで樹脂にナノメートル単位の「穴」を穿ち、更にその穴を溶かして円すい形に広げる手法を編み出して、精密な表面構造を作りあげました。この樹脂に黒色のシリコーンゴムを流し込んで作り出したのが、「暗黒シート」になります。このシートは、可視光を99.5%以上、赤外線は99.9%吸収し、
素材の耐久性もあるとのことです。まだ製造は実験室レベルの話のようですが、かつて作り上げた吸収率99.9%を目指して可視光の吸収率を更に高めたり、製造コストを抑える手法を開発するなど、今後実用化に向けた研究を進めたいと、研究者らは話しています。
 黒いゴムシートなどでも結構光を反射したりしますが、写真で見る限り、このシートは見た目全く反射が無いように見えます。カメラや望遠鏡などの光学装置の内部で余分な光の乱反射が抑制できればよりシャープに像を結ぶことができそうですし、用途は他にも色々ありそうです。それにしてもこの素材は、吸収した光エネルギーを最終的にどう放出しているんでしょうね。無限に吸収するなどありえない話ですから、普通に考えると熱に変えて放出しているんじゃないかと思いますが、放熱とか考えると用途もそれなりに考えないといけないのかもしれないですね。あと、紫外線とかX線とかはどうなのでしょう? それも高い吸収効率を発揮するなら用途はまた一段と増えそうですが、ただ黒いだけではやっぱり難しそうな気もします。何れにせよ、実用化に向けて更に研究が進んでもらいたい素材の一つになりそうです。

 
コメント
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