去年の今頃は何をしていただろう? とブログの過去ログを見ていましたら、ちょうど「ドリームジェノミクス」の連載が佳境を迎えていたんですね。思わず読みふけってしまって、知らぬ間に時間がたっておりました。これまでにもう何度も目を通しているはずなのですが、やっぱり私は、自分の読みたいものを書いているんだなぁ、と改めて確認しました。
さて、年とともに注目せざるを得ないのが生活習慣病関連の話題なのですが、そのうちの一つ、糖尿病の原因、すい臓のインスリン生産能力の低下を、遺伝子導入で治療する可能性を証明した、東京慈恵会医科大の研究成果が明らかにされました。
糖尿病は、血液中の糖を体内に取り込むインスリンが減少し、長時間血糖値の高い状態が続くことでさまざまな合併症を引き起こす難儀な病気ですが、肝心のインスリンが減るのは、すい臓中のベータ細胞が少なくなったり、働きが弱くなるのが原因とされます。過剰な糖を摂取したりすることでベータ細胞が過労状態になり、弱ってしまうせいだ、とのことですが、それなら何とかしてベータ細胞に再奮起を促し、元気に増えてくれれば治る可能性もあるという話で、それを制御する遺伝子を導入してなんとかしてしまおう、という、一昔前にはSFとしか思えなかったようなことが、実現しつつあるわけです。遺伝子の導入方法は、ベクター(運び屋)となるウィルスに必要な遺伝子を組み込み、生後10週の糖尿を患うマウスの膵臓に直接注射するというもの。ウィルスは、感染相手の遺伝子複製能力を自分が増殖するのに利用する性質を持っていますが、このとき有用な遺伝子をそのウィルスに乗っけといてやると、自動的に感染相手へその遺伝子が導入される仕組みになっています。実際人間の塩基配列の半分以上は、過去何らかの形でもぐりこんできたウィルスの遺伝子の残骸だそうですし、そんな自然に起こることを人工的に再現したということなのでしょう。
ただこのとき問題になるのは、導入した遺伝子やウィルスを制御できるかどうかで、下手に暴走されたらガン細胞化してしまうこともあるでしょうし、目的の遺伝子が動かなかったりすることもあるでしょう。今回のマウスでの実験成功は、そんな危険な可能性を乗り越えたと言う点でもなかなか素晴らしいものがあります。早く人を使った臨床試験を実施して、糖尿病治療法の主力として普通に使えるようになってほしいものです。私が老いさらばえるまでにどれだけの技術が発達していることやら。少しでも長生きして、それらの行く末を見てみたいですね。
さて、年とともに注目せざるを得ないのが生活習慣病関連の話題なのですが、そのうちの一つ、糖尿病の原因、すい臓のインスリン生産能力の低下を、遺伝子導入で治療する可能性を証明した、東京慈恵会医科大の研究成果が明らかにされました。
糖尿病は、血液中の糖を体内に取り込むインスリンが減少し、長時間血糖値の高い状態が続くことでさまざまな合併症を引き起こす難儀な病気ですが、肝心のインスリンが減るのは、すい臓中のベータ細胞が少なくなったり、働きが弱くなるのが原因とされます。過剰な糖を摂取したりすることでベータ細胞が過労状態になり、弱ってしまうせいだ、とのことですが、それなら何とかしてベータ細胞に再奮起を促し、元気に増えてくれれば治る可能性もあるという話で、それを制御する遺伝子を導入してなんとかしてしまおう、という、一昔前にはSFとしか思えなかったようなことが、実現しつつあるわけです。遺伝子の導入方法は、ベクター(運び屋)となるウィルスに必要な遺伝子を組み込み、生後10週の糖尿を患うマウスの膵臓に直接注射するというもの。ウィルスは、感染相手の遺伝子複製能力を自分が増殖するのに利用する性質を持っていますが、このとき有用な遺伝子をそのウィルスに乗っけといてやると、自動的に感染相手へその遺伝子が導入される仕組みになっています。実際人間の塩基配列の半分以上は、過去何らかの形でもぐりこんできたウィルスの遺伝子の残骸だそうですし、そんな自然に起こることを人工的に再現したということなのでしょう。
ただこのとき問題になるのは、導入した遺伝子やウィルスを制御できるかどうかで、下手に暴走されたらガン細胞化してしまうこともあるでしょうし、目的の遺伝子が動かなかったりすることもあるでしょう。今回のマウスでの実験成功は、そんな危険な可能性を乗り越えたと言う点でもなかなか素晴らしいものがあります。早く人を使った臨床試験を実施して、糖尿病治療法の主力として普通に使えるようになってほしいものです。私が老いさらばえるまでにどれだけの技術が発達していることやら。少しでも長生きして、それらの行く末を見てみたいですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます