割れん石山 折檻し。
(禅宗様(ぜんしゅうよう)・円覚寺舎利殿(えんがくじしゃりでん))(東大寺南大門(なんだいもん)・大仏様(だいぶつよう))(和様(わよう)・蓮華王院本堂(れんげおういんほんどう))(折衷様(せっちゅうよう)・観心寺(かんしんじ)金堂)
[ポイント]
1.鎌倉建築には、円覚寺舎利殿の禅宗様、東大寺南大門の大仏様、蓮華王院本堂の和様、観心寺金堂の折衷様の4様式がある。
[解説]
1.禅宗様(唐様(からよう))は、宋から伝来した技法で、簡素で飾らない素朴さが特徴。細かな部材を使い、軒(のき)の反(そ)りが急である特色がある。円覚寺舎利殿はこの様式。他に永保寺開山堂がある。
2.大仏様(天竺様(てんじくよう))は、宋から伝来した技法で、挿肘木(さしひじき)の手法や天井を張らない雄大な豪壮さが特徴。重源が宋から招いた陳和卿(ちんなけい)(生没年不詳)の協力を得て、この大仏様で東大寺を再建した。
3.和様は、中国から伝来した禅宗様・大仏様に対し、平安朝以来の伝統的な建築様式をいう。この様式の代表は、蓮華王院本堂(別名三十三間堂(さんじゅうさんげんどう))。また石山寺多宝塔は、鎌倉初期のゆるやかに流れるような趣のある上下二層の塔。
4.折衷様(新和様)は、和様に大仏様の豪快さと禅宗様の装飾美を巧みに融合させた建築様式。代表は観心寺金堂。
〈2016上智大・神外(英)総人(教・心)
問3三十三間堂は和様の建築として知られている。次のうち、和様に分類される建築はどれか。1つ選びなさい。
1円覚寺舎利殿 2観心寺金堂 3浄土寺浄土堂
4東大寺南大門 5石山寺多宝塔 6正福寺千体地蔵堂
問4 次のうち、析衷様に分類される建築はどれか。1つ選びなさい。
1円覚寺舎利殿 2観心寺金堂 3浄土寺浄土堂
4東大寺南大門 5石山寺多宝塔 6正福寺千体地蔵堂
(答:問3→5、問4→2)〉
〈2015関西学院大・文法商人間
中世の日本と中国の間では、貿易船を介した人と物の交流が活発に行われた。鎌倉時代に活躍した日本人僧侶の中に入宋経験者が多く、また多数の中国僧が来日して禅宗の興隆に寄与した。貿易の隆盛と相まって、彼らを通じて中国の様々な文物が日本にもたらされ、h当時の技術・思想・文化等の諸方面にわたって大きな形響を与えた。これら最新の異国文化の受け皿となったのが禅宗寺院である。鎌倉幕府の滅亡後も、禅宗と禅宗寺院は足利将軍家によって手厚く保護された。
問7.下線部hに関連し、中国文化の影響を受けた中世建築の事例として、誤っているものを下記より選びなさい.
ア 東大寺南大門 イ.万福寺大雄宝殿
ウ.永保寺開山堂 エ.円覚寺舎利殿
(答:イ 万福寺は黄檗宗をもたらした明僧隠元による江戸時代初期1661年の創建)〉