●鎌倉文化(歴史書)
1322年 〈虎関師錬(こかんしれん)、『元亨釈書』〉★
Kokan Shiren compiled a thirty chapter Buddhist history, the Genko Shakusho. This is the oldest extant account of Buddhism in Japan.
いざ鈍い弦 交換し。
1322年 日本仏教史 『元亨釈書』 虎関師錬 漢文体
2度に及ぶ元寇は仏教界にも歴史意識の高まりをもたらし、一山一寧に従って、円覚寺、のち東福寺に学んだ臨済宗の僧虎関師錬は多くの高僧を輩出しながら、日本には彼らの通伝がないことを嘆き、諸宗僧侶の伝記や記録などを記した日本の仏教史、『元亨釈書』を漢文体で著し、後醍醐天皇に献じた。
〈五山文学〉 虎関師錬は鎌倉末期から室町時代にかけて京都・鎌倉五山を中心に発達した五山文学の先駆者で、南北朝期には義堂周信・絶
海中津らが活躍した。
[ポイント]
1.虎関師錬が仏教史『元亨釈書』を著した。
[解説]
1.虎関師錬(1278~1346)は、臨済宗の学僧。一山一寧らに学び、南禅寺などに住した。
2.その著『元亨釈書』(1220成立)は、漢文で書かれたわが国初の仏教史で、仏教伝来から鎌倉末期までを記している。
〈2014明大
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鎌倉時代には、従来の公家の伝統文化を受け継ぎつつ、武士が新たに文化の担い手となって新しい文化を生み出したが、文学の世界でも新しい動きがみられた。その代表的な作品としては、関白九条兼実を兄に持つ[ a ]による、後鳥羽上皇の討幕計画を批判的にとらえた『[ 1 ]』があるが、[ a ]らの作品には当時の浄土への往生を願う仏教思想があらわれている。歴史文学としては、『[ 1 ]』以外にも、漢文体でわが国最初の日本仏教史をあつかった[ b ]による『[ 2 ]』がある。
〔語群〕
A吾妻鏡 B今鏡 C卜部兼方 D禁秘抄
E愚管抄 F元亨釈書 G虎関師錬 H慈円
Ⅰ十訓抄 J順徳天皇 K橘成季 L無住
(答:1E、2F、aH、bG)〉