Fuu

ある日には山 ある日には畑 自然体で気分良く暮らしています。

母と一緒に  野麦峠の秋

2010-11-11 14:16:57 | 旅行記

11月10日 ニュースで野麦峠の冬季閉鎖のニュースが流れている。 二年前父が他界した。その冬は あんまりお出かけしてはいけないと言われ控えていたけれど 息子がボードに行きたいというのを諦めさせるのもかわいそうで 運転手をしながら飛騨の方へ出かけた。 ボードをしている間することが無く 野麦峠の道案内に惹かれてドライブ

Fuyutakane

父が生前愛したその場所は実は父は行ったことが無く なぜあんなに野麦峠にこだわったのか不思議と言えば不思議.生まれてすぐに母を亡くした父は育ての親に特別の愛情を注がれ父もいつまでも育ての親を慕っていた。野麦峠はその育ての親とつながる大事な峠道だったのだ。

そのときは雪に阻まれて行けなかったけれど 初夏にピーちゃんと行く機会があり そのときは父のことよりもほんの少し前の飛騨でこの道をまだ幼いともいえる少女たちが歩いて峠道を超えて働きに行ったことに 胸が詰まる思いだった。

Nomugikaidou

そのときにお世話になった館長さんに後にお礼の手紙を書きながら父のことも話した。父の野麦峠に寄せる思いを綴ったエッセイや母と二人で作った人形などを送って・・・・

そうしたら館長さん 野麦峠の館で 展示してくださると言う。そんなつもりでは無かったので恐縮したがそう近い場所でも無く お礼だけ言ったけれど訪ねることは無かった。 そんなとき友達が「あったよ~ すぐ解ったよ~」と写真を撮って来てくれた。 こりゃ母を連れて行かないと・・・

去年思い立ったのが11月だったので出かける途中で冬季閉鎖のため行けないことを知った。 あほ で来年にかける。

今年は早くから休みを取って準備をしていた。亭主が張り切って指図する。で10月17日日曜日 岐阜の家まで母を迎えに行って そこから出発。

家からだと北上するだけなのでさほど遠くは無いのだけれど 岐阜まで行くと遠いんだよね~ さらに美女峠から 高根を通っていく道はくねくねくねくね 狭くて 気持ち悪くなりそう。

でもお天気良くて 乗鞍が美しい姿を見せてくれたから感激。 岐阜県側から見ている乗鞍は本当に馬の鞍のようだけれど ここから見る乗鞍は知らない山みたい。 「ああ 飛騨が見える」って言った乗鞍は 子供の頃から慣れ親しんだ山では無いとは思うのだけれど・・・

Ike 「やっと 連れてきました」と館長さんに挨拶すると館長さん飛び上がって驚いて どうぞどうぞと先に立って歩き出す。 観光客がチケット買おうと並んでいるのでどうしようかと パニック

あらら ごめんなさい 驚かせてしまいました。

紅葉の季節なので それなりにお客もあり 客相手もしなきゃならないし 私たちにも気になるしで悪い事してしまいました。

「勝手に見ますから」と入ったら 入り口にそれはありました。

Genkou Bobo 立派にレイアウトしてもらって恥ずかしくなるような扱いをされて・・・・

母はどう思ったのかごそごそしています。

「何しているの?」 「お父さんに見せようと思って。」

母はいつも財布に父の写真を入れています。 「こんなところだけれど ここなら間違いなくいつでも一緒だから。」と言っていましたが・・・・・

無い おかしい 「この間財布が膨らんでしまったから整理したときに・・・」「捨てたんかい?」「ううん それは無いと思うけれど」 すっかりしょぼんとしてしまった母です。 見た目は大和撫子のような様子の母ですが こんなポカをしょっちゅうやってます。(家に帰ってみたら別の袋に入っていたそうで 仏壇に向って謝ったそうですが)

本当は恥ずかしいような作品だけれど 館長さんの計らいで父の心が野麦峠にも住み着いた。ありがたいことです。

長居はご迷惑になるので お礼を言って 周りを散策しました。 母の母 つまり私のおばあさんも野麦を超えて岡谷へ行っていたことがあるのです。 時代はずいぶん良くなっていたのですが。 今で言う集団就職(今でももう言わないか?)のようなものです。

野麦街道を少し歩きました。 花はもうほとんどありませんが 父が墨絵の題材にしていた仏像を見ることができました。

Norikura 山頂から見る乗鞍です。 政井みねさんのお墓があるところから見えます。 「飛騨が見える」と言ったと言われる乗鞍はもっと高根の方に行った六地蔵のところだそうですが。

Butuzou ああ 野麦峠ですっかり悪者になってしまった岡谷の製糸工場が供養のために建てた仏様だそうです。父はこの仏様を野麦街道の入り口に立たせて書いていました。だから前回同じ景色を探して歩いても見つからなかったはずです。

Hana 仏様の周りには供養のためのようにマツムシソウがいっぱい咲いていましたが どれもひどくぶれてここには載せられませんでした。

Gennosyouko

Norikura2 野麦街道を一回りして最後に乗鞍を振り返ります。 

帰りは長野県側に降りて帰る事にします。 木曽を通って 岐阜に戻ります。大きな円を描くドライブです。

Karamatubayasi この唐松林はとてもきれいです。 長野県側の野麦峠入り口あたりまで続きます。

もう少しして落葉の季節になると日の光を受けてきらきら輝きながら舞います。

岐阜県と長野県を大回りして行く野麦峠への旅は 母にはもうできないでしょう。良かったかどうか解らないけれど 父の気持ちにもう一度触れることができたような そんなドライブでした。

コメント (6)
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