世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

ミス・ハノイ

2017年09月07日 | 100の力
雨の音で目が覚めた。

叩きつけるような激しい雨音。


道路が冠水しているのではないかとベッドの上で危惧した。

横では見知らぬ女が生まれたままの姿で可愛い寝息を立てている。


さて、今日はホテルを変わるつもりだったが、

この雨では動けまい、

と、覚悟を決めてカーテンを開けた。


と同時に、明るい日差しが窓越しに飛び込んできた。

激しい雨音と思ったのは、

なんとバイクの喧騒だった。


      相変わらずのバイクの洪水


良かった!と思ってふとベッドを振り返ると

そこには誰もいなかった。


     ホテルの窓から見るラウンドアバウト



「惚れて通えば千里も一里」

ということわざがある。


一年9か月ぶりにベトナムの地を踏んだ。
(それも予定外の行動として)

ハノイではなくホーチミンだが。


     相変わらずの喧騒ぶり


想えば、ハノイの彼女と別れて以来の訪越になる。


それまでは、足掛け9年間、年4~5回は足しげくベトナムに通ったものだ。
(通算40回以上は訪れている)


以前、「ミス・サイゴン」というロングランのミュージカルがあったが、

ボクにとって彼女は「ミス・ハノイ」的存在であった。

(「ミス・サイゴン」は当時ブロードウェイで見たが、
ベトナム人女性の純真な心に打たれ涙したものだ)


お陰で事業も起こした。

彼女の助言で危うい事業に手を出さずに済んだ。

失敗もしたけど、大やけどをせずに済んだのはひとえに彼女のおかげだった。

心底ボクに尽くしてくれた。


ひょんなことで別れたけれど、アオザイの似合ういい女だった。

お陰で、ベトナムを知り、ベトナムを思う存分満喫できた。


すでにお互い心は離れていたのだろう。

9年は長すぎた春だったのかもしれない。

それを薄々感じて、彼女はボクのもとを去った。

賢い女だった。


彼女につぎ込んだお金は(旅費も含めて)それなりだが、

それ以上のお金では買えないものを彼女からもらった。

そして、ベトナムから多くのことを学んだ。

いわゆるプライスレスの価値である。


今でも彼女には深く感謝している。

特に未練はないが。



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9月6日(水)のつぶやき

2017年09月07日 | ライフスタイル
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