【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

新自由主義経済学者竹中平蔵氏の所論

2015-01-04 10:51:11 | 社会・政治思想・歴史
 竹中平蔵氏の所論について   櫻井智志

 小泉純一郎氏の政権以来、新自由主義政策のとくに経済のイデオローグとして、当時慶応大学教授だったかと思うが、竹中平蔵氏が登用された。竹中氏の経済政策はまもなく現実において破綻する。安倍晋三氏の政権でまたもや登用されてその発言が政権に重きをおくようだ。
 しかし、孫崎氏はテレビ朝日の金曜深夜番組「朝まで生テレビ」と竹中氏と討論する中で明快に竹中氏の本質を見抜いている。
以下は、直接孫崎氏の評論を転載させていただく。


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 集団的自衛権の論争がつよくなる中で、「この権利は世界中が持っている。日本だけが持たないのはおかしい」との論が今後も今後共展開されよう。
 1月1日「朝ナマ」でも竹中平蔵氏が「自分は専門家でないが、「この権利は世界中が持っている。日本だけが持たないのはおかしい」と発言し、私がそれは違うと解説した。それは次のようなことである。

 国連憲章には次の項目がある。
「第五十一条 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」

 この条項にみられるように、「個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」とある。従って、「集団的自衛権は各国に認められている」という判断は正しい。しかし、この認められる集団的自衛権には、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には」という条件が付されている。つまり、集団的自衛権は、武力攻撃がなされた時に発生する。

 しかし、今日、米国の戦略は「武力攻撃がなされた時」という条件はない。「国際的安全保障環境を改善する」目的のために武力攻撃を行うことが出来る。今日米で行おうとしているのは、「国際的安全保障環境を改善する」目的のための“集団的自衛権”である(この点を明確に述べているのは2005年の「日米同盟未来のための変革」通称ツープラスツーと言われる合意文書でそれ以降日米はこれを継承)。

 これは国連憲章第51条で各国に認められた『集団的自衛権』と異質なものであるという事です。
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孫崎享のつぶやき
集団的自衛権:竹中平蔵氏等「この権利は世界中が持っている」。正確ではない。
2015-01-04 07:402
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見解
 「集団的自衛権」のもとにいつも安倍総理が絵入りのパネルでテレビや国会討論で紹介する論理がある。朝鮮半島から日本人家族が乗り込んだアメリカ軍艦を他国が砲撃している。その船の日本人を救うために、日本はアメリカ軍艦を援護射撃して無事に日本人が帰国するまでアメリカ海軍を援護射撃する。それが「集団的自衛権」であると。
 とんでもない詭弁なのだ。日米軍事同盟の通称ツープラスツーの具体化に過ぎず、国連憲章弟51条が世界各国に認めている集団的自衛権とは、とんでもない異質の軍事同盟強化が、今回の安倍式集団的自衛権説の正体であることを見抜くことが必要だ。そのためにも、曲学阿世のニセ学者たちを批判することは、とても大切な言論の課題であることを教えられた。