【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

イスラム国人質問題と私たちの求めるもの

2015-01-28 22:38:50 | 社会・政治思想・歴史
生きた日本国憲法の尊重こそ大事にしたい
櫻井智志


 このままで行くと、24時間の時間切れで後藤さんは極めて生命が危うい危険性がある。私は、この記事を早めに読んでいたが、なによりも後藤さんの実母石堂順子さんの気持ちを考えると、政治の論理に終始して、生きる権利を喪失させられることに匹夫の勇を奮って書いている。

ツイッター上で、日本共産党志位和夫氏は池内さおりさんに注意を促したというツイッターを知り、疑問に思ったが、さまざまな情勢から判断した志位委員長のお考えは理解できたので、書かなかった。

読者は下記の新聞記事をお読みになって何をお思いになられるだろうか。

私は「I AM  KENJI」コミュニテイに参加して、考えに考えて、この文章が「国民的共同をめざして」に違背しないかどうか迷い続けた。

しかし、現実にひとりのすぐれた日本人ジャーナリストの生命が奪われる時間が迫っていることを考慮して、書く。もしかしたら、この記事が直接の原因で「国民的共同をめざして」を閉鎖せざるを得ないかもしれない。

迷い迷いを重ねつつ、それでも個人が信ずる信念を言明することこそ、日本共産党のかたがたが、戦前戦時中に虐殺されても、反戦平和を主張した原点と考える。

===以下日刊ゲンダイweb転載===============

安倍政権に同調する野党…真っ向対峙は「生活の党」だけか

2015年1月28日


「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎(72)と山本太郎(40)の2人が27日、揃って記者会見し、両者が共同代表に就任すると発表した。

「党名に固有名詞が入るのはいかがなものか」「シロウトの山本太郎と共同代表とは小沢も落ちたもの」などと揶揄する一部メディアもあるが、今の野党でマトモに安倍政権と対峙しているのは「生活」だけかもしれない。

 イスラム国による人質事件を受け、民主党内では「政府を後押しする姿勢を見せるべき」との声が上がり、共産党も政権批判をした議員をいさめ、発言を自粛している。安倍首相が2人の人質をほったらかしたまま中東を歴訪し、イスラム国対策に2億ドルの支援を表明した“外交ミス”をとがめることもない。

 ところが「生活」は違った。この日の会見で小沢代表は、ハッキリこう言った。
「人命救助を最優先することが大前提。しかし、事件は何が原因で起きたのか。日本はイスラム国に敵対する国を支援すると表明したのだから、敵国と認識されるのは当たり前のこと。今後、政府はどう対処するのか。米国を中心とした有志連合に参加し、集団的自衛権の行使に踏み切っていいのかどうか、国会の場でしっかりと主張していきたい。人命救助最優先を理由に声を上げない今の野党はおかしいのではないか」

 山本代表もこう気勢を上げた。
「<政府を批判している時ではない>という同調圧力が出来上がっている。(安倍政権が)これを利用して海外派兵や集団的自衛権に足を踏み入れようとしているのは明らかだ。安倍首相が日本のトップとしてふさわしいのかどうかを含め、上げるべき声は上げていかなければならない」

 野党には安倍首相の横暴にストップをかける責任がある。民主党も共産党も少しは見習った方がいい。

======転載終了======

 私は小澤一郎氏にも山本太郎氏にも批判的見地はもっている。しかし、今回の人質問題に関しては、両者の発言を否定するところはなにもない。もしも、このまま事態が進み、後藤氏が解放されても、虐殺されても、日本の政治は特定秘密法と安倍の政治手法によって、完璧な高度管理抑圧社会体制に陥っていく。安倍総理を頂点とする社会体制の許可する範囲内での批判や政党運動に縮小されたものしか認められなくなっていく。
 私は、安倍政権批判の文を書く度に、苦しい心理状態を感じ続けている。それでもいま言わなければ、手遅れになるという思いがすいぶん重なり続けてきた。それでも書くのは、胆管癌の激痛と闘いながら、生物化学兵器や細菌の住宅密集地における人間の生命の危険性を住民運動、裁判運動で戦い続けた芝田進午先生の記憶があるからだ。
 みんなが大勢参加したから後から社会運動に参加するのか。はじめは少人数でも絶対少数でも、社会的批判が必要ならば、「ノー!!」と声低く言うべきだ。

 結論が出てくるのは、もう間近だ。