【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「新年の握手」『東京新聞/本音のコラム』鎌田 慧

2015-01-06 19:27:28 | 転載と私見
「新年の握手」『東京新聞/本音のコラム』鎌田 慧
(*webには公開されていないので、新聞から手写ししました。恐縮ですが、著作権問題があるので、この記事は転載をしないで下さい。)
 「地震、津波、噴火。台湾の原発も日本のように危ない」。台北市の古いビルの二階。台湾環境保護連盟副会長の劉志堅さん(60)が不安そうに言った。去年の11月、基隆市に近い「第四原発」前でお会いして、この正月休みに再訪した。
 この狭い島に原発が八基もあると聞けば、事故のときどう逃げようか、などと考えたりする。福島原発事故のとき、外国人が一斉に日本から遁走したことを思いだした。
 日本には五十基近くあるから、台湾どころではない。台湾原発は四地点に、八基ある、といっても、1999年に着工、日立と東芝が原子炉を輸出した第四原発の二基は目下建設停止中である。
 昨年四月、政府に建設を停止させたのは、林義雄さん(73)の決死的ハンストとそれに呼応した市民五万人の座り込み闘争だった。弁護士の林さんは1979年、軍事政権に対する民主化闘争で逮捕され、母親と二人の娘を殺害された悲劇的な人物である。
 劉さんは林さんの話になったとき、崇拝のまなざしを示した。原発反対運動の中心は若者たちである。メディアもよくカバーしている。それが日本とのちがいである。
 「来年の総統選で、民進党は必ず勝利します。それとで廃炉にし、ほかの原発にも波及させます」台湾、韓国、インドなど、アジアから原発をなくそう、と固く握手した。(ルポライター)
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私見
 国内のいかなる規制や抑圧にめげず、広くアジアに向けて連帯を形成しようとしている鎌田慧氏の誠実さは、日本国の民主勢力がまなぶべき姿勢であると私は感じた。