【現代思想とジャーナリスト精神】

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東大研究と軍事利用の陥穽

2015-01-17 12:12:46 | 転載と私見
東大研究と軍事利用の陥穽

櫻井智志


ある一般新聞から要旨を書き起こした記事です。
一面に掲載された記事ですが、web上で見当たりません。
新聞社側の思惑からすれば、お手軽なコピー&ペイストによってあちこちに流布された時の権力側からの抑圧を受けやすくなることを警戒してのことかも知れません。私も今回は新聞名は伏せます。



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東京大学、軍事研究を一部容認
「一切禁止」から指針変更


 東大大学院の情報理工学研究科が昨年十二月、ガイドラインを変更、これまで禁止してきた軍事研究を一部容認していたことが東大への取材で分かった。歯止めは設けているものの同科では一定の軍事研究が可能になるとみられる。

 東大の浜田純一学長は十六日、「東大での研究成果について、デュアルユース(軍事・平和利用)の可能性は高まっている。個々の場面で適切な在り方を丁寧に議論し対応していくことが必要である」などとするコメントを出した。
 東大によると、同科が二〇一一年に作成した研究ガイドラインでは「一切の例外なく軍事研究を禁止している」としていたが、昨年十二月に「研究者の良識のもと、軍事・平和利用の両義性を深く意識しながら個々の研究を深く意識しながら個々の研究を進める」などと改めた。
 一方で、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行わない」とも定めた。

 東大では一九五六年と六七年に評議会で、全ての事研究を禁止するとの方針を軍申し合わせていた。



『この東大の動きにほかの大学では懸念を強めている。池内了(さとる)名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)の話』


 東大は「軍事研究そのものを解禁したわけではない」としているが、「研究者が勝手にやる分には仕方がない」と放置しているように映る。「機密性の高い軍事研究は行わない」ともしているが、特定秘密保護法により実際に機密を定めるのは防衛省であり、空文となるのではないか、  今回の改定では、大学全体が軍事研究にのみこまれていく危険性があり、ほかの大学にも波及することが懸念される。

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 もう安倍自公政権だけの次元ではない。安倍政権からの強硬的なしめつけは国民生活のあらゆる分野に広がって、サザンオールスターズのコンサートにまで介入しているが、東大という一応日本の偏差値を代表する大学人がこれほど不様な軍事研究の領域に容易にのめりこんでいくとは・・・・
 国民のマゾヒスト的な「騙されたい」本能的資質は、日本人数千年の遺伝子に刻み込まれているのだろうか。その点でもかつての琉球王国がルーツの沖縄県民やアイヌ民族がルーツの東北・北海道の民衆の我慢強さが日本をリードしていける主体たりうるだろう。東大進学競争なんてこういう東大の実態を知ると、呆れるほど情けない競争だ。それは教育本来の趣旨とかけ離れている。
 教育はいのちを育み伸ばしていく営みだが、今回の東大の動きは、人間のいのちを破壊する戦争準備体制への、消極的な参加表明といっても言い過ぎではあるまい。もちろん東大にも教授から学生まで、日本の知性を代表しうる多くの存在を信じて疑わない。問題は二極分化して、多くの一般東大の教職員や学生達は、このような渦に巻き込まれていく危険性に瀕していることだ。そしてその渦は日本全国各地の他の大学に波及していく濃厚な情勢のもとに瀕していることだ。