日本共産党が反安倍自公政権勢力のより強固な牽引車となるために
2014/5/17 櫻井智志
日本共産党は、「軍国主義復活めざす“安倍暴走”と対決 開拓者の精神で強大な党を」と党幹部会が躍進月間を呼びかけた。
そのよびかけは、以下のとおりである。
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日本共産党は15日午前、党本部で幹部会を開き、同日から7月31日までを期限として「党創立92周年・いっせい地方選挙勝利をめざす躍進月間」をよびかける決議を全会一致で採択しました。午後には、「躍進月間」成功に向け都道府県委員長会議を開き、志位和夫委員長が幹部会を代表して決議の内容を報告しました。
決議は、安倍政権の暴走の一歩一歩が矛盾を大きく広げ、とくに解釈改憲で集団的自衛権の行使容認をたくらむなど、「海外で戦争する国」づくりへの暴走は、「あからさまな軍国主義復活への暴走」にほかならず、保守の人々も含めた国民との矛盾、世界との矛盾を激化させていると指摘。この暴走と正面から対決して奮闘する決意を表明しています。
政党状況をみると、かつての日本軍国主義による侵略戦争が、日本共産党以外のすべての政党が「大政翼賛会」に合流して進められたように、国会の「翼賛化」ともいうべき事態が深刻になり、「自共対決」の政党地図が鮮明になっています。このなか、多くの国民が安倍政権の暴走に危機感、不安感を募らせ、そうした気持ちを託せる政党を模索していますが、これにこたえられるのは日本共産党をおいてほかにありません。決議は、情勢は党の躍進を強く求めているとし、今こそ開拓者精神を発揮し、国民の中に広く打ってでて、強く大きな党をつくろうとよびかけています。
「躍進月間」の課題と目標は、(1)党大会決定の「3文献」の全党員読了をめざしつつ、少なくとも党費納入党員を超える党員の読了をやりとげる(2)すべての支部が、党大会決定にもとづき、「政策と計画」を具体化し、「車の両輪」の活動(国民運動と党建設の活動)に踏み出す(3)党員拡大を根幹にすえた党勢拡大を安定的前進の軌道にのせる―の3点です。
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安倍政権が自民党現役幹部からさえも、そして国中から批判されるようないい加減な行政を強権的に進めている。それに自覚的に対して躍進をめざすことは、抵抗政党でもあり、国民的政党でもあり、労働者と勤労国民のための労働者政党である日本共産党にとって、当然の自覚的営為であると考える。
党員の質量ともに実力をつけて、日本共産党が開拓者精神を発揮して「強く大きな党をつくる」ことには、異論どころか応援のエールを送りたい。私にとり気がかりなのは、日本共産党が今以上に、せめて1960~1980年代の国会議席や首長選挙の成果を獲得することは、現実的に政治変革の実効力を発揮するだろう。
しかし、私は考える。日本共産党の実力が現在の勢力であっても、市民運動と連携して、大衆運動から尊敬を集め、「共産党がそう言うなら」と国内の政治団体や政党に影響力を与えるような視点は考えられないものだろうか。候補者ご本人は限界を超えた選挙運動に取り組んだ京都府と石川県の知事選挙を例にとろう。
京都府も石川県も、相手候補は、自民公明民主などほぼ主要政党の連携だった。一方日本共産党が推薦する候補は、政党としては単独であった。この選挙で棄権者は、60%、70%台にも及ぶ。大雪の中の激戦となった東京都知事選は、46%の投票率だから、棄権者は54%前後である。日本共産党が強大になれば、投票率も増えるだろう。だが、なぜ多数の与党系政党VS日本共産党の構図の選挙で、多くの棄権者が多いのか。政策の協定もおろそかな政党の野合に、国民が幻滅感をもっている。
私が強調したいのは、日本共産党の発言や政策が、多くの日本国民に届き、無党派民主主義の市民たちが、勝手連的に共産党を支持して、大きなうねりになぜならないのか。そこにある問題が解決されていかなければ、暴走する安倍政権の今後も続く無軌道な日本国憲法破壊政治にストップをかけるブレーキは結果として役には立たない。もしも簡潔に言うなら、それは「統一戦線をどうめざすか」という課題となろう。
日本共産党第26回党大会決議において、明確にこう示されている。
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第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
(20)統一戦線の現状と展望について
前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。
この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。
――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。
――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇 運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。
――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を正面から掲げられなくなった有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級 的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。労働者の要求にもとづく共同行動を発展させるうえで、全労連の果たす役割はいよいよ大きくなっており、その発展が強く期待される。
――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。
そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のために努力する。
日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。
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以上の叙述は、私には極めて共感を覚えるし、「一点共闘」、「縁の下の力持ちとしての粘り強い努力」、「無党派の人々との共同」、「従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流との連合であることもありうる」などの指摘に、賛意を表する。
問題はこのような統一戦線の展望の中にあるわけではない。これほど明確な統一戦線の展望をもっている日本共産党が、なぜ支配体制と闘う国民各階層から共闘の支持を得ることがやや弱いのかということにある。
日本の反動的政治風土は、日本的反共主義を根深くもっていることは、間違いあるまい。日本的反共風土とそれを悪用した反共デマゴギーは、解決すべきひとつの大きな課題である。しかし、日本共産党はどのようにすれば根深い日本的風土に根ざして反共風土を克服して、国民的な統一と協同の事業を成就しうるか。
最初に紹介した「軍国主義復活を阻止する強大な共産党建設」は、「あらゆる分野で国民と深く結びつき、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させること」と相俟ってこそ、ともに実現しうるのだと考える。このような2つの大きな戦略的課題をどのようにして両輪として機能させていくか。
唯一の国民的規模の抵抗政党である日本共産党が、自らの政策を実現する上で、そのことは運動の過程において絶えず振り返りを求められていよう。そのような政治的運動こそ、日本共産党が国民から道義的政治道徳的にも尊敬を得る要点ではあるまいか。(2014年5月17日未明)
2014/5/17 櫻井智志
日本共産党は、「軍国主義復活めざす“安倍暴走”と対決 開拓者の精神で強大な党を」と党幹部会が躍進月間を呼びかけた。
そのよびかけは、以下のとおりである。
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日本共産党は15日午前、党本部で幹部会を開き、同日から7月31日までを期限として「党創立92周年・いっせい地方選挙勝利をめざす躍進月間」をよびかける決議を全会一致で採択しました。午後には、「躍進月間」成功に向け都道府県委員長会議を開き、志位和夫委員長が幹部会を代表して決議の内容を報告しました。
決議は、安倍政権の暴走の一歩一歩が矛盾を大きく広げ、とくに解釈改憲で集団的自衛権の行使容認をたくらむなど、「海外で戦争する国」づくりへの暴走は、「あからさまな軍国主義復活への暴走」にほかならず、保守の人々も含めた国民との矛盾、世界との矛盾を激化させていると指摘。この暴走と正面から対決して奮闘する決意を表明しています。
政党状況をみると、かつての日本軍国主義による侵略戦争が、日本共産党以外のすべての政党が「大政翼賛会」に合流して進められたように、国会の「翼賛化」ともいうべき事態が深刻になり、「自共対決」の政党地図が鮮明になっています。このなか、多くの国民が安倍政権の暴走に危機感、不安感を募らせ、そうした気持ちを託せる政党を模索していますが、これにこたえられるのは日本共産党をおいてほかにありません。決議は、情勢は党の躍進を強く求めているとし、今こそ開拓者精神を発揮し、国民の中に広く打ってでて、強く大きな党をつくろうとよびかけています。
「躍進月間」の課題と目標は、(1)党大会決定の「3文献」の全党員読了をめざしつつ、少なくとも党費納入党員を超える党員の読了をやりとげる(2)すべての支部が、党大会決定にもとづき、「政策と計画」を具体化し、「車の両輪」の活動(国民運動と党建設の活動)に踏み出す(3)党員拡大を根幹にすえた党勢拡大を安定的前進の軌道にのせる―の3点です。
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安倍政権が自民党現役幹部からさえも、そして国中から批判されるようないい加減な行政を強権的に進めている。それに自覚的に対して躍進をめざすことは、抵抗政党でもあり、国民的政党でもあり、労働者と勤労国民のための労働者政党である日本共産党にとって、当然の自覚的営為であると考える。
党員の質量ともに実力をつけて、日本共産党が開拓者精神を発揮して「強く大きな党をつくる」ことには、異論どころか応援のエールを送りたい。私にとり気がかりなのは、日本共産党が今以上に、せめて1960~1980年代の国会議席や首長選挙の成果を獲得することは、現実的に政治変革の実効力を発揮するだろう。
しかし、私は考える。日本共産党の実力が現在の勢力であっても、市民運動と連携して、大衆運動から尊敬を集め、「共産党がそう言うなら」と国内の政治団体や政党に影響力を与えるような視点は考えられないものだろうか。候補者ご本人は限界を超えた選挙運動に取り組んだ京都府と石川県の知事選挙を例にとろう。
京都府も石川県も、相手候補は、自民公明民主などほぼ主要政党の連携だった。一方日本共産党が推薦する候補は、政党としては単独であった。この選挙で棄権者は、60%、70%台にも及ぶ。大雪の中の激戦となった東京都知事選は、46%の投票率だから、棄権者は54%前後である。日本共産党が強大になれば、投票率も増えるだろう。だが、なぜ多数の与党系政党VS日本共産党の構図の選挙で、多くの棄権者が多いのか。政策の協定もおろそかな政党の野合に、国民が幻滅感をもっている。
私が強調したいのは、日本共産党の発言や政策が、多くの日本国民に届き、無党派民主主義の市民たちが、勝手連的に共産党を支持して、大きなうねりになぜならないのか。そこにある問題が解決されていかなければ、暴走する安倍政権の今後も続く無軌道な日本国憲法破壊政治にストップをかけるブレーキは結果として役には立たない。もしも簡潔に言うなら、それは「統一戦線をどうめざすか」という課題となろう。
日本共産党第26回党大会決議において、明確にこう示されている。
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第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
(20)統一戦線の現状と展望について
前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。
この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。
――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。
――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇 運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。
――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を正面から掲げられなくなった有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級 的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。労働者の要求にもとづく共同行動を発展させるうえで、全労連の果たす役割はいよいよ大きくなっており、その発展が強く期待される。
――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。
そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のために努力する。
日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。
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以上の叙述は、私には極めて共感を覚えるし、「一点共闘」、「縁の下の力持ちとしての粘り強い努力」、「無党派の人々との共同」、「従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流との連合であることもありうる」などの指摘に、賛意を表する。
問題はこのような統一戦線の展望の中にあるわけではない。これほど明確な統一戦線の展望をもっている日本共産党が、なぜ支配体制と闘う国民各階層から共闘の支持を得ることがやや弱いのかということにある。
日本の反動的政治風土は、日本的反共主義を根深くもっていることは、間違いあるまい。日本的反共風土とそれを悪用した反共デマゴギーは、解決すべきひとつの大きな課題である。しかし、日本共産党はどのようにすれば根深い日本的風土に根ざして反共風土を克服して、国民的な統一と協同の事業を成就しうるか。
最初に紹介した「軍国主義復活を阻止する強大な共産党建設」は、「あらゆる分野で国民と深く結びつき、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させること」と相俟ってこそ、ともに実現しうるのだと考える。このような2つの大きな戦略的課題をどのようにして両輪として機能させていくか。
唯一の国民的規模の抵抗政党である日本共産党が、自らの政策を実現する上で、そのことは運動の過程において絶えず振り返りを求められていよう。そのような政治的運動こそ、日本共産党が国民から道義的政治道徳的にも尊敬を得る要点ではあるまいか。(2014年5月17日未明)