【現代思想とジャーナリスト精神】

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緊迫の朝鮮半島情勢で改めて分かった「安保法案の恐ろしさ」

2015-08-25 21:24:39 | 転載と私見
【日刊ゲンダイ転載】緊迫の朝鮮半島情勢で改めて分かった「安保法案の恐ろしさ」

2015年8月25日

 軍事衝突はひとまず回避されたようだ。「準戦時状態」に入っていた北朝鮮と韓国は25日未明、延べ30時間に及ぶ両国高官の「南北会談」が合意に達した。これにより、北朝鮮は、地雷爆発事件の遺憾を表明し、前線地帯の「準戦時状態」を解除。一方、韓国は拡声器による宣伝放送を25日正午から中止する。

 それにしても危うい状況だった。22日から始まった「南北会談」は平行線をたどり、韓国が米軍のB52戦略爆撃機や原子力潜水艦の展開を示唆すると、北朝鮮はホーバークラフト十数隻を海上に配備して対抗。「第2次朝鮮戦争」なんて最悪の事態になれば、日本も無関係じゃ済まなかった。国会で審議中の安保法案が成立すれば、自衛隊が巻き込まれる可能性は十分あったからだ。

「安保法案で自衛隊が一緒に戦争するのは米軍だけではない。集団的自衛権の行使容認に向けた安倍首相の諮問機関『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』(安保法制懇)の議事録には、『とりわけ東南アジア諸国、オーストラリア、韓国等を含めた国から何らかの支援を要請された時にどのように対応するかということも検討しておく必要がある』と載っているし、懇談会の座長を務めた柳井俊二元駐米大使もメディアの取材に対し、集団的自衛権について『オーストラリア軍や韓国軍にも適用を検討』と明言しています」(外交ジャーナリスト)

 22日に青森・弘前市で講演した菅官房長官も「北朝鮮は今年何回もミサイル実験をし、核開発も進んでいる。今は韓国との間でこの数日間、緊迫状況が続いている」と言い、今の朝鮮半島情勢を安保法案の理由に挙げていた。過去の朝鮮戦争では、日本は憲法をタテに援軍要請を拒否できたが、安保法案が成立すれば“参戦”していたかもしれないのだ。軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。

「韓国軍から支援を求められた自衛隊は、おそらく韓国沖で給油などの補給活動を行うことになるでしょう。そして、これまで認められていなかった武器や弾薬も提供するのです」

 いったん後方支援に加わったら、足抜けは不可能だ。北朝鮮は自衛隊を猛攻撃し、泥沼の戦いになっていただろう。菅官房長官は安保法案について「他国のために一緒に戦争するものではない」と言っているが、大ウソだ。とりあえず朝鮮半島の最悪の事態は回避されたが、一刻も早く安保法案を廃案にしないと恐ろしいコトになる。

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【私見】
 安保法案を推進する安倍政権の閣僚には、誰も戦争被災体験はない。安倍総理の発言していることは、ほとんどが机上の詭弁ばかりである。たった二人の捕虜さえ助けられぬ安倍政権には、戦争法案によって巻き込まれた時に日本国民を守るつもりもないし、その意思もない。日本国民を守ることが、軍事兵器をたくさんそろえ、軍事態勢を敷くことと思い込んでいる無能な、ないしは、有害な政権であることが明確になった。